JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
穴水駅発行 穴水から1600円区間ゆき乗車券・100kmまでの急行券連綴券
前回エントリーで和倉温泉駅で発行された金沢ゆきの乗車券・急行券連綴券を御紹介いたしましたが、穴水駅(現・のと鉄道穴水駅)にも乗車券と急行券の連綴券が設備されておりましたので御紹介いたしましょう。
昭和59年10月に七尾線穴水駅で発行された、穴水から1600円区間ゆきの乗車券と100kmまでの急行券の連綴券です。青色こくてつ地紋のD型大人専用乗車券・急行券連綴券で、乗車券部分が金額式となっている変わり種です。
金額式と言っても名古屋印刷場で採用されている近距離金額式券に準拠することなく、金額式と一般式を掛け合わせたような変則的な様式となっています。
穴水から金沢までの営業キロは99.1kmでぎりぎり100km以内となっており、途中の津幡駅から金沢と反対方向ですと倶利伽羅駅だけが同じ運賃帯でさほどの需要があるとも思えず、やはり同じ運賃帯であり、金沢駅までの途中駅である森本・東金沢駅のことを考えても、和倉温泉の券のように一般式券も存在するわけであり、敢えて金額式とした意図が不明です。
和倉温泉駅発行 金沢ゆき乗車券・100kmまでの急行券連綴券
昭和60年8月に七尾線和倉温泉駅で発行された、金沢ゆきの片道乗車券と100kmまでの急行券の連綴券です。
青色こくてつ地紋のD型大人専用連綴券で、名古屋印刷場で調製されたものです。乗車券部分は一般式となっており、本来であれば桃色地紋とすべきであったかもしれませんが、青色地紋となっています。ちなみに、民営化以後の同区間の連綴券は桃色地紋であったような記憶があります。
和倉温泉は全国有数の高級温泉街として知られ、ドイツで開催された万国鉱泉博覧会で三等賞を受賞し、世に名声を博しています。金沢からも近く、金沢観光とセットとして訪れる観光客も多いようです。
和倉温泉駅は和倉温泉の玄関口で、金沢へ向かう観光客の急行列車の需要が多く、乗車券と共に急行券も発券する頻度が高いことから、出札業務の省力化のために連綴券が設備されていたようです。
金沢からの営業キロが71kmのために乗車券は発売当日限り有効となりますが、当時の急行券は有効期間が2日間であったため、1枚の券にまとめられていますが、乗車券1日・急行券2日となっています。
JR東日本 指定席券売機発行 渡島大野から鷲ノ巣ゆき片道乗車券
平成28年3月にJR東日本東京駅にある指定券券売機で購入した、渡島大野駅から鷲ノ巣駅ゆきの片道乗車券です。
青色JRE地紋の特殊共通券用紙で、現在は数少ない熱転写式券となっています。乗車券有効区間のすべてが他社となる他社完結の乗車券で、「(2-タ)」の表記があります。
購入した平成28年3月25日は発駅である渡島大野駅が無人の在来線駅としての最終営業日で、翌日からは新幹線と在来線の新函館北斗駅に改称されており、着駅である鷲ノ巣駅は旅客営業の最終日で、翌日からは旅客営業を行わない鷲ノ巣信号場に格下げされていますため、現在は発駅・着駅共にマルスや指定券券売機で発券することは出来なくなっています。
JR東日本 〇社 五反田駅発行 東急線90円区間ゆき区間変更券
平成5年5月にJR東日本山手線の五反田駅にある、東急線乗換改札口で発行された、東急線90円区間ゆきの区間変更券です。
桃色JRE地紋の大人・小児用金額式硬券による常備式改札補充券で、東京印刷場で調製されたものです。
拙ブログ2017年2月12日エントリーの「西武鉄道 高田馬場駅発行 国鉄線110円区間ゆき区間変更券」で御紹介いたしました金額記入式の区間変更券に対し、こちらは完全常備の券になります。
五反田駅では発駅から五反田駅までの40円分が過剰な原券に対し、五反田駅から90円区間ゆきの東急線運賃部分の40円分に原券の過剰分を充て、不足分の50円のみを収受したうえでこの券を発行します。
裏面です。
発行箇所名は「〇社 五反田駅発行」となっていますが、発行する事業者は東急電鉄であるものの、連絡通路にある中間改札では被乗継事業者が設備した乗車券を発売しますが、区間変更にかかる改札補充券はその逆となり、乗継元の事業者が設備するのが一般的のようで、この券もその例に拠ります。
90円のうちの50円を収受し、不足の40円分を原券から振り替える、要するに90円から領収額である50円を差し引くと40円になりますので「この券は90円のうちの40円分」であるという意味で「4/9」と記載されています。
大変ややっこしいです。
烏山駅発行 普通入場券
昭和57年12月に烏山線烏山駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
烏山駅は昭和54年に国鉄が企画した上野発の行先不明の列車であるミステリートレイン「銀河鉄道999」号の終着駅として話題になった駅です。現在でも首都圏で最後となったキハ40系気動車による定期列車が運転されています。
(烏山線キハ40系1000番台)
今週末の土曜日に実施されますダイヤ改正で、烏山線の列車は全列車が蓄電池電車EV-E301系電車「ACCUM」に置き換えられることになっており、キハ40系による列車は明日3日の終列車を以って引退となります。
次ページ » |