JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
小田急電鉄 新宿営業センター発行 新宿から小田原接続東山北ゆき連絡乗車券
平成29年6月に、小田急電鉄新宿駅構内にある特急券窓口である新宿営業センターで発行された、新宿駅からJR御殿場線東山北駅までの片道連絡乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋の85mm定期券サイズの券となっています。この券は小田急の乗車券および特急券を発券する端末であるMSR端末で発券されています。
乗車経路は新宿~(小田急小田原線)~小田原~(JR東日本東海道本線)~国府津~(JR東海御殿場線)~東山北というもので、新宿~小田原間が880円、小田原~東山北間が320円の合計1,200円で、営業キロは101.8kmで2日間有効となります。
本来であればJR松田駅まででよかったのですが、運賃が同じ1,200円でも営業キロが98.9kmとなってしまって途中下車が出来なくなってしまうため、敢えて1駅長くしました。
小田急電鉄は近年までJR西日本の主要駅への連絡運輸を行っていましたが、現在では東海道本線の最遠区間でも浜松までが連絡運輸区間となっており、御紹介のような有効期間が2日以上の券を購入する機会はめっきり減ってしまっています。
小田急のMSR端末で発券される乗車券には、特急券同様、右上に発券コードが表示されます。ただし、特急券のコードとは意味する番号が全然異なっており、関連性はありません。
この券のコードはちょうどコードを印字する部分のドットが不調で見づらくなっていますが、拡大すると何とか判読することが可能です。
これを分解して解読すると、下記のようになります。
「0001」新宿、「1693」東山北、「41」小田原・国府津経由、「0」片道、「0610」発行日 コード、「0」割引区分、「0」大人・・・
最後の「3005」だけが分かりません。以前新宿駅で購入した券も末尾も3005でしたので、駅ごとのサーバーか何かのコードかもしれません。
ちなみに国鉄時代からの駅管コードですと、小田急線新宿駅が「6411101」、御殿場線東山北駅が「▲521405」となりますので、小田急が振っている駅名コードは同社独自のもののようです。
茅ヶ崎駅発行 〇企 西寒川ゆき往復乗車券
昭和59年3月に茅ヶ崎駅で発行された、相模線西寒川駅(廃駅)ゆきの往復乗車券です。
桃色こくてつ地紋のD型大人・小児用往復券で、東京印刷場で調製されたものです。
この券は相模線の寒川~西寒川間の通称西寒川支線が廃止される際に発行された廃止記念の往復乗車券で、往復乗車券であっても発売当日限り有効となる企画乗車券として発行されています。左上に企画乗車券であることを示す「〇企」符号が表記されています。
裏面です。
単に「記念往復乗車券」とのみ書かれ、廃止日および廃止区間が記載されています。
同区間は営業最終列車が3月31日に運転されて営業が終了したため、廃止日は翌4月1日となります。
〇社 厚木駅発行 寒川ゆき 往復乗車券
昭和61年10月に〇社 厚木駅で発行された、寒川ゆきの往復乗車券です。
青色こくてつ地紋のA型大人・小児用の往復券で、東京印刷場で調製されたものです。
〇社 厚木駅は相模線の厚木駅で、同駅の業務は貨物駅にあった営業センター以外では出札業務は小田急電鉄に業務委託されていました。この券は通常でも発売していましたが、寒川神社の繁忙期用に設備されていたものと思われ、神社最寄り駅である宮山駅が同額であったことから寒川までとなっていたようです。繁忙期は需要があったようですが、通常期の需要はあまり多くなかった感じです。
裏面です。
「厚木駅発行」の上に「〇社」の表記があります。循環番号の「④(〇4)」から察するに、正月等の繁忙期にはそれなりの需要がありそうです。
小田急電鉄の出札窓口は予め入鋏をいれてホルダーに収納してある駅が多く、同駅もそのような販売方法が採られていました、そのため、入鋏されていない券を購入できたためしがありません。往復券の場合、ダッチングの羽が入鋏されたところに当たって、往路用片の印字が、この券のように少し内側に寄ってしまうこともあります。
恐らく、同駅には出札口とホームの間の改札口は列車到着時しか係員が居ませんでしたから、入鋏をしながらの発売する時間を削減するため、予め行われていたものと思われます。とりわけ、小田急の改札パンチは柄がぶつかり合わない関西タイプのものが使用されており、複数枚の硬券に入鋏し易かったこともその一因であったかもしれません。
湘南モノレール 湘南江の島駅発行 大船接続国鉄140円区間ゆき連絡乗車券
前回エントリーで湘南モノレール 湘南江の島駅発行の、大船接続JR130円区間ゆき連絡乗車券を御紹介いたしましたが、硬券時代の券がございましたので、御紹介いたしましょう。
昭和60年3月に湘南江の島駅で発行された、大船接続国鉄線140円区間ゆきの連絡乗車券です。桃色PJRてつどう地紋のB型大人専用金額式券で、山口証券印刷で調製されたものと思われます。
同社の貢献乗車券は発駅からの矢印「➡」が少々長めである傾向があり、特徴的です。恐らく小児専用券も設備されていたと思われますが、当時はまだ貧乏学生でありましたため、そこまで手を出しておりませんでした。
湘南モノレール 湘南江の島駅発行 大船接続JR130円区間ゆき連絡乗車券
平成20年12月に、湘南モノレールの湘南江の島駅で発行された、大船接続JR東日本線130円区間ゆきの連絡片道乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋のA型券売機券です。
湘南モノレールでは湘南江の島駅のみ、普通旅客の連絡運輸をおこなっていたため、券売機でこのような連絡乗車券を購入することができました。しかし、平成25年7月に定期旅客を除いた連絡運輸の取扱いが終了し、連絡乗車券の発売が中止されています。
小田急と江ノ電がそれぞれ「片瀬江ノ島」「江ノ島」という駅名であるのに対し、同社のみが「湘南江の島」と「の」の字を平仮名で表記しています。
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