マンハッタン信託銀行で強盗事件が発生。犯人グループのリーダー、ダルトン・ラッセルは人質全員に自分たちと同じ格好をさせる。警察側の交渉人は、14万ドルの小切手紛失で内務調査課から疑いをかけられている敏腕捜査官フレイジャー。一方、銀行の会長ケイスは、有能な女性弁護士マデリーンに、貸金庫内の私物の隠蔽を依頼する…。
冒頭から、なかなかスタイリッシュな映像で、期待は高まる。いきなり何の前触れもなく、銀行強盗事件が始まるのもスリリングでおもしろい。だが、映画が進んでいくにしたがって、この期待感と緊張感が明らかに無くなっていってしまったのが、残念だった。
主犯を演じているのは、「クローサー」や「シン・シティ」でうまい演技をみせてくれたクライヴ・オーウェンだが、今作では、前半の時点で、「この犯人、人殺したり絶対せんな」というのがわかり、緊張感が減少。予告で見る限りなかなかの迫力だったんだけどなぁ。どんな状況でも落ち着いているし、頭も切れるし、そこらをうまく演じすぎて逆効果になったような。例えば「ダイ・ハード」の犯人のように、頭は切れるくせに、ある意味、どこか抜けていて、何するかわからんような犯人の方が、観ている側に恐怖心が伝わってくると思うのだが。
脚本もアイデアはおもしろいし、それなりに凝ってはいるのだが、多くの人が予想が付きそうなオチではある。というわけで、「なるほどな」とは思うのだが、いまいち爽快感がなく消化不良だった。キャストが豪華だっただけに、残念だ。
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