8月朔日(ついたち)の言葉は「盆はうれしや 別れた人も 晴れてこの世に 会いに来る」
この歌は福島県いわき市で受け継がれている「じゃんがら念仏踊り」の一節です。
お盆の期間はご先祖様があの世からこの世に帰って来られるといわれ、各地でお盆の行事が行われます。
愛媛では月後れで行われ、今月13日が迎え盆、16日が送り盆とされています。
地域によっては「精霊馬(しょうりょうま)」と呼ばれる、キュウリの馬とナスの牛とが飾られます。
これはこの世に帰るときは馬のように早く帰ってくるように、あの世に戻るときは牛のようにゆっくり戻って頂くようにという
「少しでも長くこの世にいてほしい」という家族の願いが込められています。
お盆は仏教の行事のように思われますが、元々は神道の祖先崇拝の考えを仏教が取り入れたものです。
よく「盆と正月」といわれるように、古来からお盆とお正月はご先祖が帰って来られる時期と考えられていました。
お正月には家に帰る目印として、門松を立て「家の中もきれいにしていますよ」という印として、しめ飾りを付けました。
そしてお盆の迎え火にあたる提灯を家ごとに掲げました。そして送り火として「どんど焼き」を行ったのです。
「折節(おりふし)の移り変わるこそ、ものごとのあはれなれ」(季節の移り変わりに心が奪われてしまいそうだ)から始まる徒然草の第十九段には、大みそかには提灯を家ごとに掲げて「亡き人の来る夜とて魂(たま)祭る」(ご先祖が降臨する夜だから、みたま祭りを行う)とあります。
鎌倉時代にはすでに先祖祭りの習慣があったことが分かります。
「先祖あっての自分」とよく言われますが、両親がいなければ今の自分は存在しません。
父母、その父母と連綿と命がつづいてきたからこそ今の自分の命がある。
自分の命は自分だけのものではなく、身体の中にご先祖の尊い命、魂(たましい)が息づいている。
それを思えば自分自身を大切にして、悔いのない人生を送ることが、ご先祖を大切にする事につながります。
お盆はご先祖の大切さを改めて思い起こし、今の自分の生き方を振り返るいい機会かもしれませんね!
感謝の気持ちを込めてご先祖をご供養しましょう。
心の幸福は感謝の気持ちから始まり、ひたすら祈ることによってより大きくなります!