先住民族関連ニュース

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アイヌ文化拠点施設ウレシパチセ、門出祝う【白糠町】

2018-04-17 | アイヌ民族関連
釧路新聞2018.04.16

 アイヌ文化拠点施設「ウレシパチセ」(白糠町東3北1)の落成式・祝賀会が15日、同チセで行われた。棚野孝夫町長、富田忠行町議会議長、天内重樹白糠アイヌ協会長ら地元関係者と、来賓合わせて約120人が来場。厳粛な儀式とにぎやかな祝宴を開いて、新たな門出を祝った。
 ウレシパチセは、アイヌ伝統文化の体験教室の開講をはじめ、文化・国際交流、情報発信の役割を担う複合施設。木造平屋建て約389平方㍍の内部には、伝承儀式を執り行う伝承室のほか、文様刺しゅうやムックリ演奏などを学べる研修室、衣装や祭事の道具などを展示するコーナーも設置している。旧施設は1992年、和天別に構えたが、老朽化を受けて、アイヌ弔魂碑のある東山公園の麓の旧老人福祉センター跡地に移転新築した。事業費は約1億8294万円。
 この日は、春の雪に見舞われたが、棚野町長は式辞で、白い世界を吉兆と捉えて歓迎し「まちの礎は先住者であるアイヌの方々によって築かれた。今一度、再認識し、町民と共に、さらなる発展に努めていく」と述べた。来賓で出席した伊東良孝、鈴木貴子両衆院議員、小松茂道議、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長はそれぞれ、新施設が地域に根差し、世界とのつながりを持ち続け、アイヌ文化を広げていくことを期待した。
 式典では、施工業者への感謝状の贈呈、白糠アイヌ文化保存会が古式舞踊を奉納するなどした。参加者らは、代々受け継がれてきたアイヌ民族の文化に親しんだ。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/5633

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アイヌ料理の駅弁販売、札幌駅で

2018-04-17 | アイヌ民族関連
日本経済新聞2018/4/16 22:00北海道・東北
 JR札幌駅で駅弁販売などを手がける札幌駅立売商会(札幌市)はアイヌ民族の料理を現代風にアレンジしたオリジナル駅弁「イランカラプテ」を発売した。アイヌ女性会議「メノコモシモシ」(同)が監修し、大根やサケの切り身などが入った汁物「オハウ」を弁当用に煮こごりにしたものやキビ入りご飯、鹿肉料理などを詰め合わせた。

鹿肉料理などを詰め合わせた
 同社が札幌駅構内で運営する店舗「弁菜亭」6店で9月末まで販売する。価格は1200円で、1日につき30食限定。外国人観光客も買いやすいように、英語で献立の説明書きを添えた。
 北海道命名150周年記念を盛り上げる取り組みの一環。駅弁を通じ、アイヌ文化に気軽に触れてもらう狙いだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29441460W8A410C1L41000/

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トランスジェンダー女性たち、コーヒー農園で自分らしく働く 写真12点

2018-04-17 | 先住民族関連
ナショナル ジオグラフィック日本版2018.04.16

エンベラ・カティオ族のジュリアナは、東太平洋に面するチョコ県から来た。(PHOTOGRAPH BY LENA MUCHA)
 エヘ・カフェテロは、南米コロンビア西部にあるコーヒーの一大産地。緑豊かな山々の奥深くにコーヒー農園が密集しているが、そのなかのいくつかの農園に、ほかで見かけないユニークな人々が働いている。(参考記事:「中南米のコーヒー生産を脅かす「さび菌」と気候変動」)
 彼らは、農園での1日の仕事が終わると、寮に戻って化粧をし、アクセサリーを身につけ、女性らしい服を着る。それが彼ら(=彼女ら)の性自認(体の性に関係なく、自分自身が認識している性別)と一致する格好なのだ。
 彼女らはトランスジェンダーだ。そのため、故郷である先住民エンベラ族のコミュニティーでは受け入れられない。家族や子どもがいたとしても、罰せられたり、村を追放されたりすることが多い。けれどもコーヒー農園でなら、ありのままの自分を受け入れてもらえるのだ。(参考記事:「曖昧になる男女の境界」)
 ドイツ、ベルリンを拠点とする写真家で、社会人類学も学んだレナ・ムハ氏は、コロンビアの地方紙から、この女性たちの物語を写真にすることを持ちかけられた。
「先住民コミュニティーの写真は撮影したことがありましたが、トランスジェンダーの話は聞いたことがなく、強い興味を持ちました」とムハ氏は言う。(参考記事:「女性と子どもだけになった村、南米コロンビア高地、写真10点」)
 ムハ氏はコロンビア先住民のトランスジェンダー女性について調べてみたが、情報はほとんど得られなかった。女性たちについて書かれた簡単な記事がわずかにあるだけで、彼女たちを支援するNPO団体も国際組織もなかった。
「先住民コミュニティーを支援する団体でさえ、彼女たちのことは何も知りませんでした」とムハ氏は言う。
 ムハ氏はトランスジェンダー女性を見つけ、彼女たちの物語を伝えようと、この地方をバイクで探し回った。最初はかなり苦戦した。女性たちはなるべく人目につかないように暮らしているうえ、仕事を求めて農園から農園へと渡り歩いているからだ。(参考記事:「ナショナル ジオグラフィック誌が全米雑誌賞」)
「トランスジェンダーの人々にとって、コロンビアはとても住みにくい国です」とムハ氏は言う。「コロンビアは非常に保守的な国です。最近になってLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア〔既存の性別の枠組みに当てはまらない性自認をもつ人〕)の存在が意識されるようになったばかりで、それも首都ボゴタのような大都市に限られます。地方の村や先住民のコミュニティーでは、白人がもたらした病気とさえ考えられています。LGBTQの人がいる理由も、それが正常であることも理解されていません」(参考記事:「地図で見るLGBT違法の国、合法の国」)
「ありのままの自分」でいられる場所
 こうした先住民のトランスジェンダー女性たちの避難所になっているのがコーヒー農園なのだ。彼女たちは、昼間は農園で働き、自由時間は好きな服装で過ごす。そのことで罰せられたり嫌がらせをされたりすることはない。ムハ氏によると、農園主たちは、トランスジェンダー女性は不平を言わないから大歓迎だと言っているという。彼女たちは力仕事ができ、まじめに働き、安く雇うことができる。賃金は一般的に週給10万コロンビアペソ(約4000円)程度だ。
 トランスジェンダー女性のほとんどが、コーヒー農園の周辺地域や隣の県から来ている。コーヒー農園での仕事は、彼女たちがありつける唯一の仕事であることが多いが、農園には寮があり、食事も出る。
「故郷のコミュニティーでは性自認のとおりに生きることができないので、彼女たちはなんとかして故郷を出ようと考えています」とムハ氏。(参考記事:「ジェンダー革命 男と女で何が違う? 9歳の視点」)
 ムハ氏が農園で知り合ったアンヘリカというトランスジェンダー女性は、村に帰るつもりはないと言った。
「ここに来てはじめて、私は自分自身になり、自分らしく暮らせるようになったのです」とアンヘリカはムハ氏に打ち明けた。
 トランスジェンダー女性たちは、農園のほかの先住民労働者とは距離を置いている。ムハ氏によると、彼女たちは長年偏見に苦しめられてきたせいで、なかなか心を開いてくれなかったという。(参考記事:「トランスジェンダー「救急外来で嫌な思い」、調査」)
「私はある農園で2、3日過ごしました」と彼女は言う。「最大規模のコーヒー農園でした。最初の日に写真を数枚撮り、プリントして彼女たちに渡しました。それで交流できるようになり、信頼を得ることができました」
 女性たちは土曜日になると近くのサントゥアリオ村に行き、その週に稼いだ金で化粧品やアクセサリーを買う。女性たちに同行したムハ氏は、彼女たちが同じ先住民から嫌がらせを受けるのを目の当たりにした。
「ほかの先住民が彼女たちに絡んできて、嘲ったり、ここで何をしているのだと脅したりしました」とムハ氏は言う。「彼女たちが故郷の村でどんな扱いを受けてきたのか、よくわかりました」(参考記事:「オーランド銃撃事件を世界が追悼、写真11点」)
 農園労働者が自由時間に女性らしく着飾るとき、彼女たちは完全に別人になるとムハ氏は言う。
「彼女たちは強く、コーヒー農園での暮らしを心から楽しんでいます。コーヒー農園は、彼女たちが自由に自分らしく生きられる場所なのです。嫌がらせをする人はいません」
【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:コーヒー農園で働くトランスジェンダー女性たち、写真あと7点
文=Heather Brady/写真=Lena Mucha/訳=三枝小夜子
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