先住民族関連ニュース

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(3)書簡やノート…19年の生涯知る資料 登別・知里幸恵 銀のしずく記念館

2018-04-28 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2018/4/27

 知里幸恵(ちりゆきえ)は1903年、登別生まれ。アイヌ民族で、初めてアイヌの物語を文字化したアイヌ神謡集の著者として知られる。22年に上京先で持病の心臓病のため、19歳という若さで生涯を閉じた。
 記念館は2010年9月にオープン。全国各地から届けられた募金で建てられた。幸恵のめいに当たる横山むつみ初代館長(故人)が道内外を巡り、収集した知里幸恵関連の資料を展示している。施設名は「アイヌ神謡集」の一遍「銀の滴降る降るまわりに…」のフレーズから取った。運営はNPO法人・知里森舎が行っており、地域のボランティア10人が交代で施設を案内している。
 館内には、アイヌ神謡集の初版本、幸恵のノート復刻版、幸恵と深い交流があった言語学者の金田一京助からのはがき、幸恵の自筆書簡などが並ぶ。幸恵の弟でアイヌ言語学者の知里真志保を含めた知里一族の家系図のほか、白老町の彫刻家の男性が制作した幸恵の木像も置かれており、幸恵の生涯を深く学べる。施設内にはアイヌの叙事詩ユーカラのCDが流れ、落ち着いた雰囲気。アイヌ関連の書籍も多数収蔵されており、時間をかけてアイヌ文化を学ぶことができる。
 記念館の宗広光明事務局長(84)は「知里幸恵のことを知らない人は多い。ゴールデンウイークには、ぜひ当館に足を運び、アイヌ文化に触れてほしい」と語った。
☆   ☆
 登別市登別本町2の34の7。開館時間は、午前9時半から午後4時半まで。休館日は火曜日(祝祭日を除く)。入館料は大人500円、登別市内在住者250円、高校生200円、小中学生100円。
https://www.tomamin.co.jp/feature/mus/1328/

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音を聞くことで森林を守る。Googleが開発したAIとスマホが世界の森林を救う

2018-04-28 | 先住民族関連
IDEAS FOR GOOD04/27

ブラジルに広がる熱帯雨林のアマゾンが、地球にとってどれくらい重要なものかご存知だろうか?世界の4分の1の種が生息しているとされ、CO2の減少にも大きな役割を果たしている。
しかし、地球にとって大変重要なエコシステムが、私たち人間の違法伐採によって破壊されている。1970年以降、いまに至るまでの約半世紀で、アマゾン熱帯雨林の約20%が消えてしまったのだ。
そんな違法伐採によって破壊されるのは、なにも木々だけではない。そこに住む人々の文化や遺産も破壊されているのだ。
ブラジル北部に住む先住民族のテンベー族は、その被害者だ。彼らの住処である熱帯雨林も30%近くが破壊されてきた。
そんな、熱帯雨林を違法伐採から守るためにテンベー族とRainforest Connectionのトファー・ホワイト氏が手を組み、新たなプロジェクトを始動させた。
このプロジェクトは、スマートフォンとAIを活用した「ガーディアン」と呼ばれる機器で森林を守る仕組みである。中古のAndroidスマートフォンに、太陽光発電アダプターとマイクが取り付けられたこの機器は、最大で周囲1km範囲内で違法伐採者が出す音をリアルタイムで監視する。
これを、熱帯雨林の各地にとりつけることにより、24時間リアルタイムで音をチェックすることができる。ガーディアンによって拾われた音は、GoogleのTransFlowというAIにより機械学習・分析され、チェーンソーや運搬に使われるトラックの音と聞き分けられる。
音を特定してからは、数分以内にテンベー族の警備隊に通報される。それを受けた警備隊は自身で対応したり、当局に通報することができる。
「組織力と教養を持ち合わせたテンベー族は、新しいツールやテクノロジーを取り入れることに積極的です。テンベー族が必要としているのは、支援ではなく協力なのです。」とホワイト氏は語る。
ガーディアンが導入されてからは、テンベー族は、森林破壊に迅速な対応をすることで熱帯雨林を守るだけでなく、一族を守ることにも成功しているのだ。現在、このガーディアンを使ったシステムは、南米のペルーやエクアドル、ヨーロッパのルーマニアなどの違法森林伐採に取り組む5ヶ国で使われている。
https://www.youtube.com/watch?v=Lbn6kVlFaSQ
私たちの生活において、木材は欠かせないものだ。しかし、それらの木材は、合法的に伐採されたものなのだろうか?違法な伐採により、環境を破壊しているだけでなく、そこに住む人々の文化や遺産を破壊していると知っていたら、私たちは違法伐採された木材を使い続けるだろうか?
伐採の最大90%が違法と言われる中で、消費者である私たち1人1人が、違法伐採された木材の購入をやめることにより、環境の保護だけでなく、そこに住む人々の文化を守ることができることを覚えておこう。
【参照サイト】音を聞くことで、熱帯雨林を守る
【参照サイト】RAINFOREST CONNECTION
About the author
井上 龍馬
1992年生まれ。大学在学中にNZ出身の彼女に出会い、大学卒業後NZに。パン屋でバリスタをしつつ、フリーで翻訳・通訳を。通訳として関わったイベントで、アートを通した環境問題などを訴える社会活動(アーティビズム)に興味を持つ。関心はアート、写真、ビール、語学学習。イタリア語を学習中で将来移住を検討中。個人ブログ:1QQ2、Twitter:マーディー
https://ideasforgood.jp/2018/04/27/google-transflow/

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