北海道新聞 05/24 12:33 更新
文化庁は24日、有形、無形の文化財をテーマや地域ごとに一括認定する2018年度の「日本遺産」に、上川、十勝両管内の12市町が申請していた大雪山系周辺のアイヌ民族文化など全国で計13件を認定した。道内の認定は3例目。日本遺産の認定数はこれで43道府県計67件になった。
日本遺産は、地域の歴史や文化を観光資源として国内外に発信し、経済活性化につなげる狙いで15年度から始まり、認定は今回で4回目。文化財そのものではなく、伝統や歴史をまとめた「ストーリー」を認定する。今回は全国から計76件の申請があり、有識者による審査委員会が審議した。
上川管内上川町や旭川市、富良野市など12市町が申請したのは「カムイと共に生きる上川アイヌ~大雪山のふところに伝承される神々の世界」。アイヌ民族の伝承がある大雪山系周辺の景観や儀式、舞踊を一括して申請した。審査委員会は「伝統的な儀式や刺しゅう、料理などの体験プログラムが具体的に計画されている」と評価した。
道内からは室蘭市など7市町がアイヌ語名の地形群を、根室管内標津町など5市町が農漁村の景観を申請していたが落選した。
また、17年度に認定された「北前船寄港地・船主集落」(函館市や渡島管内松前町など日本海側11市町)に、本年度、新たに小樽市と石狩市を含む計27市町を加えることが認められた。
日本遺産は、認定後に地域の活性化につながっていないケースもあり、文化庁は「本年度は具体的な地域振興策を用意しているかを重点的に審査した」としている。
(長谷川善威)
<ことば 日本遺産>日本文化を海外に売り込むクールジャパン戦略の一環で政府が創設。歴史的建造物や伝統芸能などの有形、無形の文化財を、テーマや地域ごとに一括で認定する。認定されると、地元自治体に多言語のホームページ作成や観光ガイド育成などの費用が3年間補助される。これまでに四国遍路(四国4県)や、日本茶800年の歴史散歩(京都府)などが認定された。文化庁は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに100件の認定を目指している。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/192540
文化庁は24日、有形、無形の文化財をテーマや地域ごとに一括認定する2018年度の「日本遺産」に、上川、十勝両管内の12市町が申請していた大雪山系周辺のアイヌ民族文化など全国で計13件を認定した。道内の認定は3例目。日本遺産の認定数はこれで43道府県計67件になった。
日本遺産は、地域の歴史や文化を観光資源として国内外に発信し、経済活性化につなげる狙いで15年度から始まり、認定は今回で4回目。文化財そのものではなく、伝統や歴史をまとめた「ストーリー」を認定する。今回は全国から計76件の申請があり、有識者による審査委員会が審議した。
上川管内上川町や旭川市、富良野市など12市町が申請したのは「カムイと共に生きる上川アイヌ~大雪山のふところに伝承される神々の世界」。アイヌ民族の伝承がある大雪山系周辺の景観や儀式、舞踊を一括して申請した。審査委員会は「伝統的な儀式や刺しゅう、料理などの体験プログラムが具体的に計画されている」と評価した。
道内からは室蘭市など7市町がアイヌ語名の地形群を、根室管内標津町など5市町が農漁村の景観を申請していたが落選した。
また、17年度に認定された「北前船寄港地・船主集落」(函館市や渡島管内松前町など日本海側11市町)に、本年度、新たに小樽市と石狩市を含む計27市町を加えることが認められた。
日本遺産は、認定後に地域の活性化につながっていないケースもあり、文化庁は「本年度は具体的な地域振興策を用意しているかを重点的に審査した」としている。
(長谷川善威)
<ことば 日本遺産>日本文化を海外に売り込むクールジャパン戦略の一環で政府が創設。歴史的建造物や伝統芸能などの有形、無形の文化財を、テーマや地域ごとに一括で認定する。認定されると、地元自治体に多言語のホームページ作成や観光ガイド育成などの費用が3年間補助される。これまでに四国遍路(四国4県)や、日本茶800年の歴史散歩(京都府)などが認定された。文化庁は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに100件の認定を目指している。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/192540