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【ビブリオエッセー】魂のデザインにふれる 「伝えたいアイヌ民族の紋様」小川早苗・加藤町子著(柏艪舎)

2020-04-06 | アイヌ民族関連
産経新聞 2020.4.5 16:10
 鮮やかな文(紋)様を表紙にした本である。中南米やアフリカなどの民族文様に興味がある私は、アイヌ民族の衣装の文様を紹介するこの写真集のページをさっそくめくった。黒地に白や赤の生地が丁寧な刺繍で縫われている。
 アイヌの文様とはあの渦巻きやトゲ状、菱形の幾何学的デザインだ。本書には、ルウンペと呼ばれる、木綿地に絹や更紗の布を「切伏(せ)縫い」で施された着物やアットゥシ(樹皮衣)、タペストリー、小物など178作品が掲載されている。
 写真にはアイヌ語と日本語で作品名が記されているほかには作者名ぐらいしか説明がなくシンプルだ。しかし最後の「あとがきにかえて」で作品の、作者の背景を知った。単純にアイヌの文様に興味があるだけの人でも、作品に込められた作者の魂に触れることができる。
 著者のふたりは姉妹でアイヌ文化の伝承活動に携わっている。あとがきを書いた小川さんは日高地方のコタンで育った。ニシン漁で栄えた町に生まれたが漁場が全焼したため移住。戦時中に父親が戦死し、母親が家族を支えてきたという。ハルニレの木の祭りなどの思い出が綴られ、学校ではつらい体験もあったが、よき理解者にも巡り合った。結婚後はアイヌの誇りである着物で自分たちの存在を表してきたという。その自作がこの写真集で紹介されている。
 アイヌの民族衣装は毛皮や海産物を和人の木綿布と交換して作り出してきた。小川さんらのアイヌ文様の衣装はアラスカやカナダでも展示された。イヌイットの文様とのつながりなども思い浮かべながら、魔除けのような文様に魅かれ、また最初からページをめくっている。
山形県天童市 古間恵一61

【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。
 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。
https://www.sankei.com/west/news/200405/wst2004050011-n1.html

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造形作家が個展「ホシノタマゴと再生のムジカ」 静岡・葵区

2020-04-06 | 先住民族関連
アットエス(2020/4/5 08:04)
 富士宮市の造形作家白砂勝敏さん(47)の作品展「ホシノタマゴと再生のムジカ」が19日まで、静岡市葵区の市文化・クリエイティブ産業振興センターで開かれている。自然とアートが調和したオブジェや楽器などの作品を展示している。
 ホシノタマゴは、ススキやドングリなどの植物の種を、土とセメントに混ぜて丸く固めた作品。直径数センチから20センチ程度まで大小約200個の球が、星の軌道やDNAのらせん構造を思わせる線を描くように並ぶ。白砂さんは「見る人の頭の中で想像の種が芽吹いてくれれば」と話した。
 間伐材の竹や流木、不用品などを素材に、「再生」をテーマに制作した作品35点も並ぶ。素材の造形を生かし、オーストラリアの先住民族アボリジニに伝わる民俗楽器の「ディジュリドゥ」や石笛などの楽器を作った。
 金、土、日の午後は白砂さんが在廊予定。6日と13日は休館。
https://www.at-s.com/news/article/culture/shizuoka/754020.html

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