先住民族関連ニュース

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アイヌ食文化を味わう、給食に伝統料理登場【白老】

2020-04-26 | アイヌ民族関連
室蘭民報2020.04.25

アイヌの伝統料理を楽しむ子どもたち=小鳩保育園(提供写真)
認定こども園・保育園
 白老町内の認定こども園・保育園で24日、アイヌの伝統料理が給食として提供され、子どもたちが食文化を通してアイヌ民族の歴史や文化に理解を深めた。
 地場産を使った「ふるさと給食」の一環。認定こども園・保育園でアイヌ伝統料理が提供されるのは3年目。今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、幼稚園は休園、保育園は登園自粛となっていたが、5カ所の全認定こども園・保育園で実施された。
 料理は、栄養士がアイヌの伝統料理のメニューとレシピを作成、各園で調理した。メニューは「いなきびごはん」、大根やニンジンなどを使った「キナオハウ」(汁物)、「チマチェプ」(焼いたサケ)、「ラタシケプ」(カボチャとひよこ豆のあえ物)。
 このうち、緑丘保育園では登園した5人が伝統食を味わった。同園では「子どもたちに好き嫌いはありますが、アイヌ文化に触れる給食として今後も進めていきたい」と話していた。
 同事業はアイヌ政策推進交付金を活用している。小中学校は昨年、アイヌ伝統料理の食材を取り入れた給食が実施され、今年は民族共生象徴空間・ウポポイの開業を記念してアイヌの伝統料理の提供が予定されていたが、休校中のために秋に延期になった。
 ※「ラタシケプ」の「シ」と「プ」は小文字
http://www.hokkaido-nl.jp/article/17003

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盗まれたアイヌの遺骨 足元の歴史を知る=梯久美子・ノンフィクション作家

2020-04-26 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2020年4月26日 東京朝刊
 新型コロナウイルスの影響で、美術館や図書館、博物館など文化施設の多くが休館している。4月24日に予定されていた北海道白老町のアイヌ文化施設「ウポポイ」(正式名称は民族共生象徴空間)のオープンは5月29日に延期された。ここの慰霊施設に納められている、ある遺骨の話をしようと思う。
 今から141年前の1879年、あるドイツ人によって、札幌のアイヌ墓地から男性の頭骨が盗み出され、アイヌの骨を欲しがっていたベルリン大学の医学者、ルドルフ・ウィルヒョウに寄贈された。
 当時の形質人類学では、頭骨のサイズと形状に人種の違いがあらわれるという前提で研究が行われていた。背景にあったのは、人種間に優劣をつけ、植民地支配を正当化しようとするイデオロギーである。
この記事は有料記事です。
残り1378文字(全文1701文字)
https://mainichi.jp/articles/20200426/ddm/002/070/066000c

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共生の社会づくりへ 障害者就労支援施設開設目指す-白老

2020-04-26 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2020.04.25

NPO法人を立ち上げて就労支援施設の開設を目指す田村さん(右)と手塚さん
 白老町社台でコミュニティーカフェ「ミナパチセ」を経営する田村直美さん(48)と同町地域おこし協力隊員の手塚日南人さん(24)が、NPO法人を立ち上げて町内で障害者就労支援施設を運営することを計画している。軽度障害や発達障害のある人たちに、白老に根付くアイヌ民族の精神性を取り入れた商品作りなど働く場を提供し、経済的自立をサポートする。2人は来年4月の開設に向けて準備を進めており、「誰もが手を取り合って生きる共生の社会づくりに挑みたい」と意気込む。
 アイヌ民族の血を引く田村さんと、林業支援担当協力隊員の手塚さんは、アイヌ語を生かした楽曲のCDを出すなど音楽活動に取り組んでいる。2人が活動のテーマにしているのは共生社会。「人種や性別、世代、障害の有無など関係なく、誰もが手を取り合い、自分らしく生きられる優しい社会の実現」を目指しているという。  就労支援施設の開設は、2人のそうした思いを具現化する一環。軽度障害や発達障害などで、一般事業所への就労に結び付かない人たちを受け入れ、働く機会を提供する「A型就労支援事業」を予定している。
 計画では、施設の利用者がアイヌ文様刺しゅうの商品などを生産。インターネットや観光インフォメーションセンターなどで販売し、賃金を得て経済的自立を図る。施設には支援員3人を置き、利用者がさまざまな町民と交流できるよう町中心部に開設したい考えだ。田村さんは「健常と障害のグレーゾーンの中で生きづらさを抱き、苦しむ人もいる。そうした人たちに寄り添い、共に生きていく場にしたい」と言う。
 施設の運営母体となるNPO法人ウテカンパ(アイヌ語で手をつなぐという意味)は、5月に道の法人認可が下りる見込みで、田村さんが理事長、手塚さんが理事に就く。伝統刺しゅう「刺し子」の高品質な商品作りで知られる就労支援施設トモスカンパニー(宇都宮市)代表の飯島亮さんも理事に加わる予定だ。
 ウテカンパは施設運営のほか、刺しゅうや木彫りなどアイヌ民族の伝統技術を生かした商品開発にも取り組む。手始めに、先住民族の伝統織物を施したアウトドア用バッグの世界的メーカー・エスノテック社と提携し、アイヌ文様刺しゅうを取り入れたバックパックを開発する計画だ。今年夏には試作品が出来上がり、同社が世界に向けて販売する。手塚さんは「アイヌ文化を国際的に発信し、共生社会を目指して世界の先住民族との関わりもつくりたい」と話す。
 一人ひとりの違いを認め合う社会を願うウテカンパの活動に理解を深めてもらうため、夏にはポロトの森で1泊キャンプのイベントを考えているという。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/17011

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