北海道新聞 08/27 05:00
日本テレビが26日、アイヌ民族への差別表現問題に関する検証番組を放送したことを受け、道内のアイヌ民族は同局の対応を評価しつつ「今後も国民理解に向けた情報発信に取り組んで」と求めた。番組では問題となった差別表現の具体的内容が示されなかったため「一般の視聴者には、何が問題だったのか伝わらなかったのでは」との声もあった。
「民族の歴史についての紹介もあり、日本テレビが数カ月で学んでくれたと感じた」。札幌などのアイヌ民族でつくる「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」の多原良子代表は、検証番組を評価。「アイヌ民族の現状を多くの国民に理解してもらえる番組作りを期待したい」と話した。
番組には北海道アイヌ協会の中村吉雄副理事長(71)も出演し、明治政府に日本語を使うよう強制された歴史を説明。「日本語の使用を禁止され、アイヌ語を使うよう強制されたらどう思うか想像してほしい」と訴えた。中村さんは放送後、検証番組が「未来志向で共生する社会への一歩となってほしい」と期待した。
上智大の水島宏明教授(テレビ報道論)は、同局が検証番組を放送したことは評価しつつ、お笑い芸人がアイヌ民族を「あ、犬」とする謎かけを行ったことが差別表現だったと明示しなかったことは不十分な対応だったと指摘。「模倣を懸念して避けたのかもしれないが、この表現で傷つく人がいることをきちんと伝えなければ、根本的な解決にはならない」と強調した。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/582555
日本テレビが26日、アイヌ民族への差別表現問題に関する検証番組を放送したことを受け、道内のアイヌ民族は同局の対応を評価しつつ「今後も国民理解に向けた情報発信に取り組んで」と求めた。番組では問題となった差別表現の具体的内容が示されなかったため「一般の視聴者には、何が問題だったのか伝わらなかったのでは」との声もあった。
「民族の歴史についての紹介もあり、日本テレビが数カ月で学んでくれたと感じた」。札幌などのアイヌ民族でつくる「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」の多原良子代表は、検証番組を評価。「アイヌ民族の現状を多くの国民に理解してもらえる番組作りを期待したい」と話した。
番組には北海道アイヌ協会の中村吉雄副理事長(71)も出演し、明治政府に日本語を使うよう強制された歴史を説明。「日本語の使用を禁止され、アイヌ語を使うよう強制されたらどう思うか想像してほしい」と訴えた。中村さんは放送後、検証番組が「未来志向で共生する社会への一歩となってほしい」と期待した。
上智大の水島宏明教授(テレビ報道論)は、同局が検証番組を放送したことは評価しつつ、お笑い芸人がアイヌ民族を「あ、犬」とする謎かけを行ったことが差別表現だったと明示しなかったことは不十分な対応だったと指摘。「模倣を懸念して避けたのかもしれないが、この表現で傷つく人がいることをきちんと伝えなければ、根本的な解決にはならない」と強調した。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/582555