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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

第2次補正予算案、29兆円決定 物価高対策、借金8割で財政悪化

2022-11-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/09 00:28 更新

 政府は8日、物価高抑制を柱とする総合経済対策を盛り込んだ2022年度第2次補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出は28兆9222億円。歳入は8割弱の22兆8520億円を、借金となる国債発行で賄う。当初予算も含めた22年度の歳出総額は、過去3番目に大きい139兆2196億円となる。
 総合経済対策の関係費用は29兆861億円。補正予算は国債利払い費などの既定経費を約1兆円減額し、一般会計歳出は経済対策の費用総額より圧縮された。政府は予算案を開会中の臨時国会に提出し、年内の成立を目指す。
 経済対策には4本の柱があり、「物価高騰・賃上げ」には計7兆8170億円を計上。家庭の電気料金は約2割、都市ガス料金は約1割引き下げる。観光業や農林水産物の輸出拡大などを支援する「地域の『稼ぐ力』の回復・強化」には3兆4863億円、岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」の加速には5兆4956億円を充てる。「防災・減災」として7兆5472億円を計上した。
 これとは別に、ロシアのウクライナ侵攻に伴う経済的混乱に対応するためとして、専用の予備費を創設し1兆円を計上。物価高と新型コロナウイルスに対応する既存の予備費も3兆7400億円積み増した。
 北海道開発予算は総額1524億円。治水や高潮・高波対策に重点配分するほか、胆振管内白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」の誘客を強化する。アイヌ政策推進交付金として3億4千万円も盛り込んだ。
 年度ごとの一般会計歳出総額は、コロナ禍に伴い3度の補正が行われた20年度決算の147兆円が過去最高。本年度は21年度の144兆円に次ぐ規模となる。100兆円前後だったコロナ禍以前と比べて、財政の膨張が続いている。(幸坂浩)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/757550/

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アイヌ民族の「チャシ跡」に感激 雄武 専門家講師に探訪ツアー

2022-11-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/08 05:00

「ウォロカムイチャシ」で氏江敏文さん(左端)から説明を受ける参加者
 【雄武】町内の幌内川流域に点在するアイヌ民族の「チャシ跡」を巡るツアーが行われ、町内外の10人が遺跡探訪を楽しんだ。
 新たな観光資源を掘り起こそうと、町観光協会が10月30日に開催。チャシは自然の地形を利用してつくられ、とりでや信仰の場などさまざまな機能があったと考えられている。幌内川流域のチャシは50メートルの断崖にそそり立つのが特徴だ。
 ツアーでは、道内の遺跡調査や保存活動をしている名寄市在住の氏江敏文さんが講師を務め、町内で確認されているチャシ5カ所のうち「高野チャシ」と「ウォロカムイチャシ」を見学。ウォロカムイチャシは遠くに点在する他のチャシや蛇行する幌内川を見下ろす場所にあり、参加者は、なりたちや造りの説明を受けた。
 参加した嶋村義文さん(74)は「こんな素晴らしいものが昔のまま残っていることに感激した」と話した。(三浦富貴子通信員)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/756956/

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サケ捕獲し解体 子どもらがアイヌ文化学ぶ

2022-11-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/08 05:00

解体したサケの切り身をいろりに刺して焼く葛野さん(左)と子ども
 【新ひだか】町内の放課後等デイサービス施設「こどもサポートほっぷ」に通う小学生から高校生が、町内でアイヌ文化の伝承活動を続けている葛野次雄さん(68)からサケの捕獲や解体作業を教わり、アイヌ料理も味わって楽しんだ。
 10月22日に実施。施設に通う小学2年生から高校3年生まで8人が参加した。
 子どもたちは葛野さん宅の庭で、いけすに入ったサケを伝統漁具マレク(かぎもり)で捕獲したり、解体したりする体験を行った。その後、いろりで焼いたサケやチェプオハウ(サケの汁物)を味わった。静内農業高1年の桜井正斗さんは「サケの解体作業を通し、命をいただいていることを感じた」と話した。
 葛野さんは「川に戻ってきたサケを人が食べるという自然界の循環や、ありがたみを感じてもらえれば」と語った。(杉崎萌)
※マレクの「ク」とチェプオハウの「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/756904/

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論考や短歌など12編 「白老郷土文芸」42号発刊

2022-11-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/08 05:00
 【白老】町文化団体連絡協議会は、郷土史や論考など町民の作品を集めた「白老郷土文芸」の第42号を発刊した。
 年に1回発刊し、42号はA5判83ページで130冊を発行した。白老ペンクラブ会長の岩間隆一さん(82)が編集委員長を務めた。
 1789年(寛政元年)、和人による過酷な労働環境に耐えかねてアイヌ民族が蜂起した「クナシリ・メナシの戦い」の歴史的意味を考察した郷土史や、花見を詠んだ短歌、高齢化社会の生き方について書いた論考など12編を収めた。
 岩間さんは「幅広いジャンルの面白い作品がそろった。多くの町民に読んでほしい」と呼びかける。
 町内の小中学生による読書感想文6作品も掲載している。1冊600円。町立図書館に寄贈したほか、喫茶休養林(大町2)など町内5カ所で販売している。(竹田菜七)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/756853/

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【民放連盟賞】STV制作 アイヌ文化の特集やドキュメンタリーが優秀賞を受賞 放送と公共性部門(動画)

2022-11-09 | アイヌ民族関連
STV11/8(火)
民間放送全国大会が東京で開かれ、STVが制作したアイヌ文化についての特集やドキュメンタリーが優秀賞を受賞しました。
東京で開かれた民間放送全国大会では、民放連盟賞を受賞した作品や活動が表彰されました。
このうち「放送と公共性」部門で、STVが「どさんこワイド179」で放送している特集シリーズ「カムイと共に」や、
アイヌ文化の伝承に取り組む若者を追ったドキュメンタリー番組など、一連の放送活動が優秀賞を受賞しました。
アイヌに向けられる差別とこれに抗う人々の展望を示したことや、アイヌと共存を図りその文化を後世に伝えようとする姿勢が評価されました。
11/8(火)「どさんこワイド179」  11/8(火)18:50更新
https://www.stv.jp/news/stvnews/cs3pdu0000006g4w.html

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アニメ『ゴールデンカムイ』第42話あらすじ/ネタバレ感想!二重スパイに小芝居。鶴見中尉の甘い嘘にアイヌの未来はあるのか

2022-11-09 | アイヌ民族関連
ミルトモ2022/11/08

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
有子が都丹の刺青を鶴見中尉に差し出すも、これが偽物だとあっさり見抜かれてしまいます。アイヌの血を引く父の意思を継げと土方に言われたであろう有子に、偽の刺青を渡し、鶴見中尉は彼を二重スパイに仕立てます。
そして、尾形の「ヴァルチョーナク」というという言葉と、鶴見中尉に「満鉄」のことを聞いてみろと言われた鯉登少尉は、鶴見中尉が何かを目論んでいるのではないかと考え始めます。
これを聞いた月島軍曹は…。
2週間後に鶴見中尉が樺太の大泊まで迎えにくるという報告が入った杉本達は、しばらくは豊原で過ごすことになったのですが、活動写真家と出会ったアシリパたちは、アイヌで言い伝えられているお話を劇にして映像に残そうと模索します。
なんとか撮影を終えたのち、劇場でその活動写真の上映会を行い、皆大喜び。そして、撮影技師のジュレールがとあるシネマトグラフの上映を始めました。そこに映っているのは10年前のアシリパのコタン。のっぺらぼうとなる前のウイルクやアシリパの母、そして生まれたばかりのアシリパが映し出されました。アシリパが母の姿を見たのは初めて出会ったが、父・ウイルクから聞かされた母の話のほうが、自分の心に残るものがったと感じたことから、自分達の文化を映像などでは残すことが出来ないものなのだと理解しました。
キロランケに連れられて樺太までやってきて、色々なモノを見たからこそアシリパはアイヌの伝統や文化を守るために、時には戦わなくてはいけないと思い始めます。しかし、杉本はこれを否定しました。アイヌを守るために戦うということは、人を殺すということ。人を殺せばもう元に戻ることはできない自分だからこそ、杉本はアシリパに人殺しになってほしくないと訴えかけるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『ゴールデンカムイ』第42話あらすじと感想
鶴見と土方の間で二重スパイとなる有子
登別に到着した鶴見は、早速有子が確保した都丹の刺青を確認します。数日後、有子は第七師団の屋敷から逃亡。死んだと思われた都丹に手助けされ、鶴見中尉が所持していた刺青をすべて持って土方の元へと走りました。
うん、ちょっと待て!都丹が生きている!?え、雪崩から生還していたってこと!?しかも土方さんももう登別にいることが驚きですわ。
のっぺらぼうに殺されたアイヌの父を受け継いで闘えと土方に言われた有子は、鶴見中尉の元から刺青を奪取をしたのですが、その時父のマキリ(小刀)を見つけました。そこから彼らは、有子が土方と内通していると気づいていた鶴見は、都丹の刺青の嘘も見抜いたうえで、今度は有子に人間の皮に写しした精巧な偽の刺青を持たせ、土方の元へと走らせました。死に物狂いで脱走してきたように見せるために傷を負わされた有子はなんとか土方の元へと到着。しかし、手元に鶴見中尉が肌身離さず着ている刺青も手に入れたとはいえ、偽物の可能性があると油断をすることはありません。有子が逃げて来られたのは自分の元にスパイとして潜り込ませてきた可能性があることも引き方は読み切ります。
北海道独立計画を目論む土方と北海道に軍事政権を樹立するというクーデターを計画する鶴見。2人はわかっているのです。重要なのは本物の皮の刺青であることを…。暗号となる鍵とあるアシリパを確保するため、鶴見中尉は樺太へと動き出すのでした。
歴戦の強者2人のとんでもない読み合い合戦。そろそろ誰の元に本物があるのかわからなくなってきそうです。
谷垣とチカパシの別れ
大泊へと向かうため、アシリパ達は長い間お世話になったエノノカの村を出発。先頭犬となったリュウは村に残り、大事にされることとなりました。チカパシとの別れを嘆くエノノカはお別れを言わず、彼が帰ってくるのを待つと言います。彼女との別れを惜しんだチカパシは、ソリから転げ落ちるとそこで立ち止まります。長い間共に過ごした谷垣は、エノノカの村に残って本当の家族を作るようにと伝え、二瓶鉄造から受け継いだ猟銃を彼に渡しました。大きくなったらこの銃を使い、エノノカ達に世話になった恩を返せと谷垣は言います。そしてチカパシはこの約束を受け入れ、谷垣には北海道に残したインカラマッと本当の家族になってほしいと告げ、彼はエノノカ達の元へと歩いていくのでした。
小さな子供のチカパシですが、谷垣について歩いているうちに立派になったものです。
鶴見中尉の甘い嘘は、多くの人を巻き込んで…
鶴見中尉が到着する前日に無事大泊へとやって来た杉本達。浮かない顔をする鯉登の様子が気になった月島は彼に近づきます。尾形から「ヴァルチョーナク」と言われた鯉登。さらに言われたのは、鶴見中尉に会ったら満鉄のことを聞いてみろと言われたと月島に話します。
南満州鉄道の経営に関わっていた花沢中将を殺害したのでは鶴見中尉なのではと勘繰る鯉登は、自分達親子も利用されているのではないかと考え始めたのです。そして、函館で自分を拉致した覆面のロシア人の中に、尾形もいたのではないかとも、鯉登は考えました。
41話まるまる鯉登の過去話と思いきや…あの覆面が尾形だったのではなんて考えつかなかったんですが…マジですか。そんな予測も考えずに見てました。
自分たちに芝居をうって恩を売り、水軍の力を利用するためだったのではとも考えた鯉登。尾形が満鉄の話を自分に行って来たのは、尾形自身が鶴見中尉に利用されたように、お前たちも利用されているのだということに気づかせるためだったのではと彼は考えました。
これはバカげた被害妄想だと月島。しかし、それの何が悪いのかと、月島は考えているのです。自分も一芝居打たれたと気づいている月島ですが、自分はそんなことどうとも思っていない。鶴見中尉の本当の目的はわかりませんが、政権転覆や満州を日本の領土にすることも必要ならば、自分はそれについて行こうと考えます。とんでもないことをする人間は、鶴見中尉のようなとんでもない人。自分はその劇場を間近で見続けたいのだと、月島軍曹は鯉登少尉に吐露。そのうえで彼は、消されたくなければ余計なことを明らかにしない方が良いと釘をさすのでした。
先ほどまではすべてを明らかにしてやると息巻いていた鯉登少尉ですが、鶴見中尉がそこまでして自分という存在が欲しかったのかと思い始めると嬉しくなってしまい、彼はそこにのたうち回り始めるのでした。
鯉登少尉を駒にするため鶴見中尉は一芝居打ったってことになりますが、こんな狂ったやつになるのも込ですか?雪の上でくるくるとのたうち回るヤバい人に出来上がっちゃってますけど…嫌いじゃないです。
鶴見中尉の甘い嘘は、多くの人を巻き込んで…
暗号を解けるのはアシリパのみ。相手が鶴見中尉であっても、こちらが優位に交渉できるはずだと、杉本は考えます。これを聞き、鯉登と月島の話も盗み聞ぎしていた白石は、酔った姿で杉本の元へと帰ってきては自分の考えを吐き出し始めました。
今の杉本は一匹狼をやめ、鶴見中尉の犬になりさがった。アシリパのことを考えた結果だという杉本。しかしアシリパにとって杉本は恋人でも夫婦でも親子でもありません。人生に守るものが出来たと勝手に勘違いしている杉本に対し、樺太に渡ったことでアシリパは成長したのだと、アシリパが背負いたいというなら背負わせてやれと、白石は彼の胸倉を掴んで言います。
さらに、鶴見中尉が本当にアイヌのことを考えてくれると本当に思っているのかと白石は問います。どういうことかと言及したかった杉本ですが、白石はここでぐったりとしてしまいました。
そして、鶴見中尉を乗せた船は、ついに樺太・大泊に到着するのでした。
傍から見れば、今の杉本はアシリパを相棒として見ていないってことか…。しかし鶴見中尉が到着。そう色々と考えている時間もなさそうです。
41話の鶴見中尉がカッコイイと思いましたが、それは彼が相手を魅了するため、信頼を寄せてもらうための作戦。漫画だからと考えつつ、確かに都合が良いのです。用意周到な鶴見中尉は、アイヌとの信頼関係を大事にしたい土方と違い、アイヌも和人も関係なく消そうと思えば消す人です。
杉本は本当に彼にアシリパを合わせていいのかちょっと考えてほしいとも思えてきます。
土方と鶴見、金塊を得るためどちらもアシリパを確保しようと考えます。そして杉本はアシリパを守りたい。そして、アシリパと共に樺太に渡り、キロランケと共に現状を知り、彼女の成長を見てきた白石も自分の意見を出してきました。
色々な想いが交差する中、この先どうなっていくのか気になります。
https://mirtomo.com/kamuy-episode42/

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なぜ義時が大河の主役に選ばれた?逆臣中の逆臣が抜擢された背景

2022-11-09 | アイヌ民族関連
武将ジャパン2022/11/08
序盤は純朴な好青年だった。
それが源頼朝の過酷な政治スタンスを目の当たりにするうちに心は灰色になり、父の北条時政を追放した頃には、ついには自身が真っ黒に。
2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時の豹変ぶりに、ふと、こんなことを考えたりもしませんか?
なぜ義時が主役になったのだろう――。
例えば立身出世という明快なストーリーを望むのであれば、彼は選ばれなかったはず。
ならばNHKの狙いは何なのか?というと、キャッチコピーに現れている気もします。
三谷幸喜が贈る予測不能エンターテインメント!
確かに、鎌倉殿の13人の主人公が発表された時点で、
「えっ?北条義時って???」
と違和感あるいは驚きを抱かれた方も多かったでしょう。
源頼朝や北条政子ならまだしも、二代目執権・義時とは、まさしく予測不能――。
前半生は「何もしない人」と揶揄されるほど影が薄く、表舞台に立ち始める頃には陰謀の渦中にいて、何度も結婚を繰り返す。
英雄と持ち上げるには黒すぎて、しかも平安末期から鎌倉時代など視聴率だって望めなさそうだ。
やはり大河ドラマの主人公に適していない人物では?
実際、そんな意見も多くあったようですが、あらためて考えてみたいのがこれ。
「そもそも大河の主人公はどういう基準で決めるられるのか?」
そんなもん、歴史の有名人に決まってるだろ……とは言い切れないのが大河の歴史。
義時が主役となるにまで進んだ、NHKの紆余曲折を振り返ってみましょう。
大河ドラマは第一作の時点で意外な主人公
いったい大河ドラマらしい主人公とは何なのか?
このテーマを考えていく上で無視できないのが“時代”というものでしょう。
昭和に始まり平成を経て、令和へ。
作品が、その時勢に影響されるのは当然のことであり、例えば第一作から見てみると、現在ではまず取り上げられないだろう主人公も中にはいます。
1963年『花の生涯』
1964年『赤穂浪士』
1965年『太閤記』
1966年『源義経』
1967年『三姉妹』
【参照】大河60(→link)
第2作の『赤穂浪士』ですね。
忠臣蔵が最後に取り上げられたのは1999年『元禄繚乱』ですが、以降、『忠臣蔵』そのものの人気と知名度が急低下し、仮に今「再来年は忠臣蔵を!」とNHKに意気揚々とされても、しらけてしまう視聴者のほうが多いでしょう。
かつての同作品は「自らの身を犠牲にしても主君の仇を討つ」という精神性に魂を揺さぶられる風潮はあったかもしれません。
しかし今では「逆恨みで吉良上野介に襲いかかるのって、単なるテロ行為ではないか?」という指摘もあり、赤穂浪士にシンパシーを感じる視聴者が減っている可能性は低くありません。
そもそも第1作『花の生涯』からして、なかなか振り切った人選です。
主人公は井伊直弼――【桜田門外の変】という暗殺で大河の最終回を迎えるなんて、今となっては驚異的な選択でしょう。
こうして見ていくと大河ドラマの始まりと、61作目ともなる現在では、何かが違うことが浮かび上がってくるのです。
【皇国史観】との訣別
第一作で井伊直弼が主人公に選ばれたことが悪いと言いたいわけではありません。
むしろ非常に画期的でした。
というのも井伊直弼は、長州閥からすると吉田松陰を刑死に追いやった不倶戴天であり、いわば宿敵です。
さらに薩摩閥からすれば、桜田門外の変に薩摩藩士が積極的に関わっているため、直弼が単純な悪党であると世間に見られていた方が都合がよろしい。
明治維新後、薩長による藩閥政治が幅を利かせ、現代においても影響力が残っているとすれば、そこに忖度の論理が働く。
井伊直弼の暗殺を討幕へつながる快事としたい権力層。
いや、そうではないと反論したい佐幕派の子孫たち。
そんな歴史観の駆け引きがあり、井伊直弼を主人公とするのは非常にナーバスなものだったのです。
今では大人気の新選組ですら、長いこと悪役が定番でした。
変革が起きたのが戦後です。
戦前は、天皇に忠義を尽くした武士が称賛され、権力を握っていた幕府は悪者となり、幕藩体制をひっくり返した明治維新はともかく素晴らしい、民草に歴史はなく国家のために命を尽くすべし――そんな驚くべき思想も普遍化していました。
皇国史観を掲げた研究者の代表格・平泉澄の「豚に歴史はありますか?」という言葉はその象徴でしょう。
しかし敗戦を経て価値観の激変が起き、歴史作品においても過去の歴史観への克服が課題となりました。
要は大河ドラマは【皇国史観】からの決別が意識されていた――そう見なせるのが『花の生涯』と『三姉妹』でしょう。
明治維新へ続く重要なステップであった【桜田門外ノ変】を再検証した『花の生涯』。
明治維新のために人生を踏み躙られた姉妹の、声なき声を描いた『三姉妹』。
両作品には【皇国史観】へのアンチテーゼがあります。
大河ドラマだけではありません。
当時のこうした価値観は他の時代劇にも反映されています。
・上からの命令に絶対服従させられる理不尽さ
・人命を軽視する国家権力
・美化される武士道と死の酷い現実
軍国主義の暴走によって死地を彷徨った戦争体験者にとって、こうした辛さは身近なものであり、彼らが描く批判精神は多くの日本人にとって苦く、同時に現実のものでした。
武士道そのものを“悪”としたいわけではありません。
それを無理に拡大解釈した結果、あまりにも多くの方が亡くなってしまう暴走行為を戦後の制作者たちは批判していたのです。
こうした作品のうち、知名度が高く、現在でも手に取りやすい作品を挙げておきます。
・映画およびリメイク版テレビドラマ『柳生一族の陰謀』
・映画およびリメイク版テレビドラマ『十三人の刺客』
・原作『駿河城御前試合』および漫画版『シグルイ』
・原作および漫画、映画版など『魔界転生』
根付かない【野史】目線
【皇国史観】の後、歴史学で広がったのが【マルクス主義史観】です。
学術的な用語解説は長くなりますので、大河の歴史をふまえつつ、簡単にさわりだけ説明させていただきますと……。
【マルクス主義史観】とは庶民や労働者こそが時代を動かすという歴史観。前述の言葉「豚に歴史はありますか?」の真逆ですね。
非常に画期的であり、見るべきこともありますが、何事も行き過ぎはよくありません。
たとえば【島原の乱】を労働者の革命として持ち上げすぎたため、宗教色を軽視しするような弊害が生じました。
また、マルクスという語感からして、いかにも西洋主導で生まれたようにも思えますが、そう単純な話でもありません。
【正史】に対する【野史】や【稗史(はいし)】という概念が古くからあります。
為政者ではなく、民間伝承やその歴史をまとめたものです。
大河ドラマでいえば前述の『三姉妹』は、歴史に名を残さない三姉妹が主人公であり、こうした系統の作品といえるでしょう。
しかし、視聴率が伸び悩むという欠点があり、1980年『獅子の時代』を最後に、この手の架空人物、野史目線の大河はなくなりました。
それから40年以上も経過し、深刻な弊害が大河に生じます。
2020年『麒麟がくる』に登場したキャラクターの「駒」や「東庵」。
彼らは実在しない人物であり、一部の視聴者から「ファンタジーはいい加減にしろ!」という激しいバッシングの対象となったのです。
その理屈でいきますと、第5作『三姉妹』の主人公も実在した人物ではないため、作品の内容に関係なく批判の対象となってしまいます。
問題は、駒や東庵など、声なき声を表現する立場の者たちを否定してしまうことでしょう。それこそ「豚に歴史はありますか?」という言葉の既視感が滲んできたものです。
たとえ架空の人物であろうと、時代背景を反映した描写はできます。
むしろ歴史フィクションの定番技法です。
にもかかわらず、それが否定されるとあっては、野史アレルギーのような、危うい何かを感じてしまいます。
かつて日本には、大河ドラマ以外にも数多の時代劇がありました。
そこでは無名で歴史に登場などしない、庶民の暮らしや娯楽が描かれたり、小悪党が登場したり。
架空キャラがテレビ画面に氾濫していましたが、令和の時代となるとほとんど見かけません。
野史を認めず、正史しか存在しない歴史エンタメなど、他の時代や国と比較しても異常です。
一事が万事そうとは言いませんが、日本社会が極めて余裕を無くし、堅苦しい状況に陥っているんじゃないか、と、不安が尽きないほど。
中央の為政者だけを描く思考に偏ると、庶民だけでなく、琉球やアイヌの歴史を取りこぼすことにもなってしまいます。
沖縄が舞台の大河は1993年半年枠『琉球の風』のみで、北海道舞台の大河はまだ存在せず。
現在、歴史に対する世界の見方は変わっています。
先住民はじめマイノリティ目線で描くことが重要視されるようになり、例えばNHKでも放映されたドラマ『アンという名の少女』では、原作『赤毛のアン』にはなかった先住民目線のカナダ史が取り上げられました。
大河でもそうした見方を取り入れていかねば、海外から取り残されてしまうのではないでしょうか。
近代史は鬼門
他にも大河に根付かなかったジャンルはあります。
近代ものです。
1984年『山河燃ゆ』
1985年『春の波濤』
1986年『いのち』
明治時代から第二次世界大戦後という時系列を描いたこの三部作は視聴率が低迷。
1987年『独眼竜政宗』が記録的大ヒットをしたこともあり、以降、近代史は避けられるようになりました。
時代ものは大河で、近代史ものは朝ドラで――いつしかそんな棲み分けが進んでいくのです。
東京オリンピックに合わせて放映された2019年『いだてん』は、そのルールを破りましたが、視聴率は記録的な低水準に陥り、再び近代史はタブーであると印象付けてしまいました。
その影響もあってか、2021年『青天を衝け』は、幕末パートが非常に長い。
主人公の渋沢栄一は幕臣時代の活躍はあまりなく、主な活躍は明治以降です。
渋沢を描くなら経済活動に重きを置くのがドラマの魅力のはずですが、幕末時代を引っ張るためか、劇中では徳川慶喜との交流にかなり時間が割かれました。当時の慶喜と渋沢はそこまで懇意ではありません。
明治をさしおき幕末を引き伸ばす。
渋沢とほとんど接点がない新選組までクローズアップする。
その描き方からは、なんとしても話題性と視聴率を得たいという苦労がうかがえたものです。
【近代史】が避けられる理由としては、視聴率以外の問題もあります。
江戸時代以前であれば、歴史と政治は断絶が入ります。
しかし、明治時代以降はそうはいきません。国境を越えた影響などもより濃くなる。
2019年『いだてん』はオリンピックがテーマでしたが、政治および経済と密接な関係にあることはよく指摘されます。
あのドラマでは、自分の祖父がでたと政治家がSNSで表明することもありました。
経済効果についても、広く日本社会に行き渡るのであれば何ら問題ありませんが、口利きによる逮捕劇が続く現状を考えれば、綺麗事ばかりでないことも間違いないでしょう。
公共放送で特定の権力の宣伝につながりかねない描写をしてもよいものかどうか――近代史以降の作品には常にこの問題がつきまといます。
慎重にならざるを得ないのです。
原点回帰か? 革新か?
重ねて申し上げますが、大河ドラマは【皇国史観】の見直しともいえる井伊直弼から始まりました。
その流れも時代と共に変化。
高度経済成長期を迎えると、大河は当初あった革新的なテーマではなく、むしろ豪華キャストとセットをアピールするものとなります。
明るい題材で一国一城の主になるような立身出世劇。
司馬遼太郎に始まり、吉川英治、山岡荘八といったおなじみの作家の時代が訪れます。
しかし、バブルが弾け“失われた30年”も経験すると、その状況も変わり、敗者や悪役だった側の言い分も取り上げられるようになります。
2004年『新選組!』は国会で「あんな維新志士を殺した連中を大河にするのか」という旨の抗議がありました。
2012年『平清盛』は、源平合戦の負ける側。
2013年『八重の桜』は“朝敵”会津藩の言い分を描いています。
日本で最も人気が高いとされる戦国武将・真田幸村が2016年『真田丸』まで主役になれなかったのは「討死という暗い終わり方がウケないからだ」とされていましたが、彼もついに登場しました。
女性城主をとりあげた2017年『おんな城主 直虎』では、良妻賢母以外の女性像を鮮やかに描き、奸臣とされた小野政次の描き方も斬新。
こうして見ていくと、なかなか進歩しているようで、実際は迷走作品もあります。
例えば【皇国史観】では神聖視されていた吉田松陰。
2015年『花燃ゆ』では、あまりに脳天気に扱われました。
知名度が低い松陰の妹・杉文がヒロインであり、松下村塾がまるで部活動のようなゆるいノリで描かれたのです。
松下村塾は大河ドラマの題材に向いているとは思います。
しかし、あんなテロリストサークル活動を明るく描く大河は、いったい何のニーズだったのか?と謎は深まるばかり。
松下村塾が時に暗殺謀議もするほどの危険性があったからといって、ここまでごまかせるものだろうか?
そう疑念を抱いた視聴者から、ヒロインは「テロサーの姫(テロリストサークルでちやほやされる女性メンバー)」とあだ名をつけられていたほど。
2018年『西郷どん』も、日本史上において二度の内戦(戊辰戦争と西南戦争)を引き起こした西郷隆盛を、これまたあっけらかんと能天気に描いていました。
トランポリンの上で弾むメインビジュアルからして、何がしたいのか理解しがたいものがあります。明治維新とフランス革命を関連づけるにせよ、あまりに雑でした。
そして2021年『青天を衝け』は、さらに踏み込んできます。
【皇国史観】の思想的原点として、幕末の志士が信奉していた【水戸学】があります。
平泉澄も【水戸学】を研究していましたが、【皇国史観】と共に【水戸学】も忘れ去られてゆきます。
1970年に衝撃的な事件を起こし自決した三島由紀夫が熱心な信奉者だったこともあり、肯定的な評価はありませんでした。
しかし、です。
2021年『青天を衝け』では、主人公である渋沢栄一が【水戸学】信奉者だったためか、思想の中身を簡略化したうえで肯定的に扱うことに……。
かなり問題のある人物であり、【水戸学】インフルエンサーであった徳川斉昭と藤田東湖も好人物として登場していました。
【水戸学】信奉者が引き起こした惨劇である【天狗党の乱】も、残酷な要素を最小限にとどめ、かつ青年らしい愛国心の暴発程度とされています。
皇国史観】の克服から始まったであろう大河ドラマが、気づいたら【水戸学】を肯定している。
それだけではありません。
記念すべき大河ドラマ第一作主役であった井伊直弼を、研究結果を無視してまで矮小に描く。
「茶歌ポン」という悪意あるあだ名を大仰に扱う。
討った側に共感させるように演出する。
これは一体どうしたことなのか……。
大河ドラマは一周退化したと感じさせる描き方でした。
そして北条義時だ
こうした歴史観の変化を踏まえた上で、あらためて北条義時という主役を考えてみます。
彼は【皇国史観】では悪役。
【承久の乱】で後鳥羽院に勝利し、流刑にしたのですから、まさに逆臣中の逆臣です。
しかし逆臣を扱った大河に、先例がないわけではありません。
1991年『太平記』でも、逆臣の代表格である足利尊氏が主役でした。
武士と天皇の関係性という意味では、『太平記』と同じ脚本家である池端俊策氏の2020年『麒麟がくる』も興味深い関係性がみられます。
明智光秀は織田信長を打ち果たした逆賊です。
では【皇国史観】から見た場合の光秀は?
これは織田信長の評価に依存するでしょう。
信長は逆臣である足利義昭を追放した。
ただし、正親町天皇を崇拝していた勤皇の志があったのか、それとも天皇に取って代わろうとしていたのか?
見方は分かれますが、池端氏は「正親町天皇が信長を疎んじていた」という解釈でドラマを書いていました。
それでも光秀が信長を討った理由は、正親町天皇を救うためだったとはされていません。
勤皇を動機にしないところに、池端俊策氏なりの解釈と、発表当時の歴史観が見てとれます。
では『鎌倉殿の13人』は?
オープニングの時点で「武士が後鳥羽院と戦う」とハッキリ示されています。
逆賊として立ち向かう様子を最初から示しているのです。
こうも難しい題材は、三作目である三谷幸喜さんでなければ書ききれないでしょう。
幕末史ほどデリケートでないものの、2020年代に逆賊を主役に据える――相当の覚悟と気合を感じます。
つまり大河ドラマの歴史は一周回って、また別の展開を見せているのでしょう。
2023年『どうする家康』については、明治政府がこれでもかと過小評価してきた徳川家康が主役です。
2024年『光る君へ』の紫式部はどうか?
実は『源氏物語』は【皇国史観】からすると「皇室を題材に猥褻な描写をした」として、発禁にされるほどでした。
大河ドラマに政治を持ち込むな。
エンタメに政治を持ち込むな。
そうした意見はよく聞かれますが、いくら遠ざけようとしてもどこかに必ず繋がりがあり、ましてや為政者を描くとなれば政治を完全に遮断するのは不可能なこと。
『鎌倉殿の13人』の脚本家である三谷幸喜さんは、『新選組!』が政治家に問題視されたことを振り返っています。
偏った思想におもねるではなく、人は常に進歩していける――大げさかもしれませんが、だからこそ大河ドラマには、そんな役割も期待したくなるのです。
【参考文献】
本郷和人『歴史学者という病』(→amazon)
一坂太郎/星亮一『大河ドラマと日本人』(→amazon)
斎藤貴男『「明治礼賛」の正体』(→amazon)
他
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/11/08/171946

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『アバター』ネタバレあらすじ結末と感想評価の解説。続編を見る前にジェームズ・キャメロンの“SF映画の金字塔”にして21世紀の代表作品【SF恐怖映画という名の観覧車167】

2022-11-09 | 先住民族関連
シネマルシェ2022/11/08:糸魚川悟
連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile167
2009年に公開された後、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)が公開されるまで興行収入歴代1位を記録し続けた映画『アバター』(2009)。
2021年からの再上映によって再び1位に返り咲いた本作は、21世紀を代表する映画として語られていくことが間違いないとされています。
今回は映像効果として当時の最先端の技術を駆使した映画『アバター』を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
映画『アバター』の作品情報

(C)2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved.
【公開】2009年(アメリカ映画)
【原題】Avatar
【監督】ジェームズ・キャメロン
【脚本】ジェームズ・キャメロン
【キャスト】サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ミシェル・ロドリゲス、ジョヴァンニ・リビシ
【作品概要】
『ターミネーター』(1985)や『タイタニック』(1997)を手掛けたジェームズ・キャメロンが監督と脚本を務めた大ヒットSF映画。
『タイタンの戦い』(2010)や『ハクソー・リッジ』(2017)のサム・ワーシントンが主人公のジェイクを演じ、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズでガモーラを演じるゾーイ・サルダナがヒロインのネイティリ役を務めました。
映画『アバター』のあらすじとネタバレ
強盗に遭い死亡した科学者の兄トミーの代わりとして未開の星「パンドラ」に送られることになった負傷兵のジェイク。
パンドラには炭素繊維で骨格を強化された先住民族「ナヴィ」が住んでおり、地球のエネルギー問題を解決する希少な鉱石「アンオブタニウム」を狙う地球人とは敵対関係でした。
RDA社は地球人とナヴィのDNAを掛け合わせた人造の生命体「アバター」に操作員の意識をリンクさせる装置を作り出し、アバターをナヴィの中に送り込むことで彼らの懐柔を試みていましたが、成果は芳しくありませんでした。
トミー用に作り出されたアバターを無駄にしないためにRDA社は双子の弟ジェイクを呼び出しましたが、計画を指揮する研究者のグレースは研究経験のない素人が送り込まれたことに不満を抱いていました。
初のアバターへのリンク時、下半身付随のため車椅子生活を過ごしていたジェイクはアバターの身体で両脚が動くことに興奮を覚えます。
地球人の守護を目的とした傭兵部隊の隊長クオリッチに呼び出されたジェイクは、平和的なやりとりを考えるグレースと異なり、クオリッチがナヴィの武力制圧を考えていることを聞かされます。
クオリッチに協力することで地球への帰還後に脚を特注することを提案されたジェイクはその条件を飲むことになりました。
アバターにリンクしグレースたちと森林に調査に入ったジェイクは野生生物に襲われ滝に飛び込んだことで仲間たちと逸れてしまいます。
夜、森林の中をひとり彷徨うジェイクは野生生物に襲われているところをナヴィのネイティリに救われます。
ジェイクを救ったネイティリはグレースたちの計画の一環として教育を受けており英語での会話が可能でした。
しかし、ジェイクはネイティリの部族に捕まってしまい、部族のリーダーであるネイティリの母モアクとネイティリの父エイトゥカンの前に連れて行かれます。
ネイティリたちはアバターのことを知っており即座の処断を考えますが、ネイティリが「エイワ」のお告げを見たと話すとエイトゥカンは興味を惹かれました。
エイトゥカンはこれまでの人間と異なる初めての「戦士」であるジェイクに興味を持ち、しばらくの間ネイティリに付きナヴィについてを学ぶように言いました。
寝ることでアバターとのリンクが切れたジェイクはRDA社の責任者パーカーに上手く部族に潜入できたことを話すと、ジェイクの潜入した部族であるオマティカヤ族の村にはアンオブタニウムが大量に採掘可能な場所があり、3ヶ月後には武力的制圧も辞さないと宣言されます。
ネイティリからナヴィについて学ぶ傍ら、村の構造を把握しパーカーとクオリッチに報告するジェイク。
一方でグレースはパーカーの動きに勘づき、リンク設備と人員をクオリッチ管轄の基地内から崖の上の施設と移動させます。
表向きはグレースの部下であるジェイクは崖の上の施設に移動し、引き続きネイティリからナヴィ語や弓の使い方、野生生物との対話方法を学んでいきます。
ネイティリから学んだことを実践し、部族のハンターとしての試験を受けることを許可されたジェイクは、翼を持つ野生の「イクラン」を乗りこなすと言う試験を受けることになります。
一体のイクランを使役し乗りこなしたジェイクは部族にハンターとして認められることになり、ナヴィにとって最も神聖とされる「魂の木」を目撃。
ある日、危険な巨大生物「トルーク」に襲われたジェイクとネイティリは間一髪で逃げ延び、ナヴィの中でトルークを使役することは伝説となっていることを知ります。
村の構成を教えたジェイクはクオリッチから地球への帰還を促されますが、まだやることがあるとして部族で儀式を受けナヴィの一員として認められます。
潜入任務の中でネイティリと親交を深めていたジェイクはネイティリと恋に落ち、お互いの心を伝え合いました。
以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『アバター』のネタバレ・結末の記載がございます。『アバター』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
翌日、ジェイクとネイティリの前にパーカーの指示で動くブルドーザーが現れ、森林を破壊し侵攻を開始。
ジェイクは咄嗟にブルドーザーに攻撃を仕掛け、その動きはクオリッチに露見します。
人間の侵攻が始まったことでジェイクに対して部族の中でも不信感が募り、一方でジェイクの行動を問題視したクオリッチはジェイクとグレースを尋問。
グレースは「パンドラ」の自然には生物学的な価値があると武力的な制圧に反対しますが、パーカーはナヴィが交渉不能な相手であることをジェイクの潜入報告で感じ取っており、ジェイクとグレースの意見を聞かず村への攻撃を決定。
1時間だけ猶予を貰ったジェイクとグレースは部族に村への攻撃計画のことを知らせ避難を求めますが、ネイティリはジェイクが所詮は人間の手下であったことに絶望し2人を拘束してしまいます。
2人の様子を見たクオリッチは部族への攻撃を始め、エイトゥカンを始めとした多くの死者を出します。
モアクによって拘束を解かれたジェイクはナヴィたちを避難させることに尽力しますが、パーカーによってリンク装置の電源を強制的に切られリンクを解かれてしまいます。
基地内に拘束されたジェイクとグレースは村への襲撃作戦に参加しなかった兵士のトゥルーディによって救出され、軍用機を奪い崖上の施設へと移動しますが、クオリッチによってグレースが撃たれ負傷。
グレースの応急措置をすませ、リンク施設を崖上から特殊な磁場が発生する「魂の木」の周辺に移したジェイクはアバターにリンクすると、ナヴィの信頼を得るためにトルークの使役に挑み成功させます。
トルークを引き連れネイティリの前に現れたジェイクは自身を嫌っていたツーテイを始めとしたナヴィたちから絶対的な信頼を集めます。
弱りゆくグレースをナヴィたちが信奉する「エイワ」のもとに連れて行ったジェイクはグレースが息を引き取るのを見て治療が間に合わなかったことを嘆きますが、モアクは彼女が「エイワ」のもとに行ったことを言いました。
ジェイクはナヴィたちの前で人間への反撃を鼓舞し、パンドラに住むナヴィたちを結集。
一方、クオリッチはナヴィの結集の動きを察知しており、数が膨大になる前に爆撃機を使い「魂の木」を燃やす計画を実行に移します。
決戦が迫る中、ジェイクは一縷の望みをかけて「エイワ」に救いを求めますが、ネイティリは「エイワ」は調和を保つだけで加勢はしてくれないと言います。
空を埋め尽くすほどの爆撃機と地上部隊が侵攻を開始し、ナヴィたちは迎撃のため動き出します。
奇襲攻撃によってクオリッチの部隊に被害を与えたジェイクたちでしたが、武器の違いと戦力差によってツーテイやトゥルーディが死亡し徐々に追い込まれ始めます。
そこに「エイワ」によって促された多くの野生生物が駆けつけ、クオリッチの部隊を飲み込んで行きます。
爆撃機を破壊しクオリッチの乗る隊長機を攻撃したジェイクでしたが、クオリッチは機に搭載されたAMPに乗り込み機から脱出。
クオリッチはジェイクが居るリンク施設を襲撃し、ジェイクを守るために駆けつけたネイティリと交戦。
更にアバターとリンクするジェイクも現れると、クオリッチはアバターとのリンク装置を攻撃します。
ジェイクが捕まり絶体絶命の状況下に陥りますが、ネイティリが放った矢がクオリッチに刺さりクオリッチは絶命。
その後、多くのナヴィによってRDA社の基地は制圧され、パーカーを含めた人間たちは地球へと強制的に送還されます。
ジェイクはネイティリや部族のナヴィに見守られながら「エイワ」に接続し、装置を使わずに永遠にアバターに意識を移しました。
映画『アバター』の感想と評価
日本映画から多くの影響を受けたSF映画
開拓のための侵略行為が行われる中で、先住民族と触れ合い自らの価値観を変えていく物語が展開される映画『アバター』。
本作はアカデミー賞を受賞した映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1991)と物語の根幹にあるテーマ性が共有されていることがジェームズ・キャメロンによって語られていました。
さらに一連のインタビューによってく本作の世界観が多くの日本映画から影響を受けていることが監督によって認められています。
例えば、人造人間「アバター」に精神をリンクさせると言う本作の基盤となる設定は押井守による映像化が世界的に話題となった漫画「攻殻機動隊」から通じる部分があり、また「パンドラ」の生態系には宮崎駿による映画『もののけ姫』(1997)へのオマージュが含まれています。
物語や世界観の壮大さに驚くだけでなく、世界的な大ヒットを記録した映画がさまざまな映画作品を礎にしたことが分かる作品です。
最新技術を利用した大迫力の映像
3Dでの上映を前提として撮影された『アバター』は1台のカメラに複数のカメラをズラして連結させることによって、人間のふたつの眼による立体視のような奥行きのある映像を作り出すことに成功しています。
このように多くの最先端の技術を駆使した本作はアカデミー賞視覚効果賞を受賞しただけでなく、10年以上経過した2020年代に鑑賞しても全く問題がないどころかその迫力の映像に今もなお驚かされます。
日本では2週間限定2022年9月23日から2週間限定で上映された『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』が公開週の興行収入ランキングのTOP10にランクインし、最新作への期待と共に「映像」における絶対的な評価が世界的に高い作品であることが再確認されました。
まとめ
本作における先住民族「ナヴィ」が話す原語は本作オリジナルのものであり、言語学者のポール・フロマーによって製作されました。
映像だけでなく劇中における文化までも徹底的に拘り抜かれて製作された本作は2022年以降に4作が公開され、計5部作のシリーズ映画となることが発表されています。
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)にはジェイクやネイティリ役のキャストが続投していることも分かっており、21世紀を代表する映画として更なる飛躍が期待されます。
https://cinemarche.net/sf/avatar-ito/

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難民を国際人材に変える。「WELgee」渡部カンコロンゴ清花さんの源流と愛読書

2022-11-09 | 先住民族関連
ビジネスインサイダーNov. 08, 2022, 11:30 AM
野田 翔 [編集部] and 紅野一鶴 [ライター]

「WELgee」の事業について語る渡部カンコロンゴ清花さん(写真左)。
画像:番組よりキャプチャ
ウクライナからの避難民も1800人を超え、わずか0.7%(2021年)という日本の難民認定率の低さが指摘されています。そんな中、NPO法人WELgee(ウェルジー)は、難民申請中の人が日本企業に就職する手助けをする活動をしています。
連載「ミライノツクリテ」でも取材をしたNPO法人「WELgee」代表理事・渡部カンコロンゴ清花さんに、オンライン番組「BEYOND」に登場いただきました。番組の抄録を、一部編集して掲載します。
──WELgeeの事業について教えてください。
渡部:日本へ逃れてきた20~30代を中心とした難民に対して、これまでの経験やスキル、パッションを生かして人生を再建していくサポート(伴走)をしています。
難民が日本語も分からない中で、就職活動のあり方や企業文化、市場を知るのは相当難しいことです。そこでWELgeeでは、この問題を解消するキャリア教育やメンターシップ、スキル開発などのプログラムを提供しています。
──このプログラムは、終了までにどの程度時間がかかりますか?
渡部:平均1~2年かかります。しかし、人によって人生プランや設計などフェーズが異なるため、5年かかった方もいます。
他には、バイトで現金を稼いだ後にWELgeeのプログラムに戻り、就職先を決めた方もいます。
──就職や在留資格を変更できた方はどの程度いますか?
渡部:WELgeeは6年目を迎え、出会った難民は300人を超えます。その中で就職まで至ったのは20人で、在留資格を変更できたのは5件です。
この20人は、一時的なバイトではなく自分のスキルを活かしたポジションに新規雇用された方です。
就労マッチングに留まらない「WELgee」の取り組み
──日本では難民として認定されることが難しいと聞きます。現状を教えていただけますか。
渡部:申請者に対して難民に認定される割合は1%未満です。他の先進国では30~50%の国もある中で、かなり難しい状況だと考えます。
──この状況をWELgeeはどう考えますか?
渡部:安定した在留資格を得られる別の方法があるのではないかと、設立初期に仮説を立てました。
それが、「技術・人文知識・国際業務」という就労系の在留資格への切り替えです。
渡部:「技術・人文知識・国際業務」であれば、企業が難民を雇用することでスポンサーになり、在留資格を変更できると考えました。
WELgeeは単なる就労マッチングだけではなく、こうした法的テーマの確立にもチャレンジしています。
──採用事例として、例えば家具メーカーのオカムラでは、どのような方が採用されたんでしょうか?
渡部:アフリカ大陸のある国の出身で、元々ビジネス経験があり、ビジネスディベロップメントや新規ビジネス開拓などの知見がありました。
オカムラでも、そういったスキルや経験を評価されて採用に至っています。
しかし難民には、既に経験やスキルがある方もいれば大学を卒業したばかりの方、紛争によって学問を諦めた方など、さまざまな背景があります。
そういった一人ひとりの強みや個性を引き出していくハンズオンの伴走をWELgeeでは心掛けています。
──難民一人ひとりへの理解が必要ということですね。
渡部:そうですね。WELgeeのメンバーと、この併走についてパズルみたいだと話すことがあります。難民でかわいそうなので雇ってあげる、何でもいいから仕事を提供してあげるということではありません。
強みや個性を見つつ、それが企業の事業戦略やミッションにマッチするか、どう位置付けられるかまでを考えて難民と企業の双方に寄り添う壮大なパズルと考えています。
今につながる気付きを得た、バングラデシュでの経験
──渡部さんは大学時代にバングラデシュを訪れ、NGO駐在員やUNDP(国連開発計画)で2年ほどインターンをされています。そこからWELgeeの設立にはどのようにつながるのでしょうか?
渡部:滞在した場所は、中央政府と先住民族の間で紛争が20年以上続いていた地域でした。
そこで初めて国家が守らない国民に出会ったことが、今につながる大きなことだったと思います。
──今も活きている経験やスキルはありますか?
渡部:気付きが大きかったと思います。
紛争を通して国家が非常に大きな権力を持ち、そこから逃げざるを得ない難民がいることを認識しました。さらに日本へ帰国後、難民として逃げてきた同世代の若者に出会いました。
私の関心事であった、国家に守られない方たちを国際社会でどのように支えていけるかを念頭に、彼らと対話をしました。
──具体的にはどのような話をしましたか?
渡部:彼らから、「祖国を再建したい」「夢を諦めたくなく、日本でもう一度立ち上がりたい」「難民認定されて置いてきた家族を呼び寄せたい」など、さまざまな話を聞きました。
この同世代の難民と語ることに大きなヒントがあると考えました。
彼らと日本社会の一員である私たちがタッグを組めば何かを変えられるのではないかと思い、立ち上げたのが任意団体WELgeeでした。
──そこから今のかたちへ成長したわけですね。
渡部:はい。最初は壮大な仮説でしかなかったため、ここまで来たのは、チームの力があったからだと思います。参画してくれた多くの方の存在が大きいです。
渡部さんを支えた「トランジション」の考え方
──渡部さんは、WELgeeを立ち上げ後、アメリカで自分を見つめ直した期間がありました。その頃に読まれた本に影響を受けているということで、ご紹介いただけますか。
渡部:アメリカへ渡った時期に私のメンターが教えてくれた本です。この本の中で書かれている「トランジション」という概念に救われました。
──トランジションとはどのような意味ですか?
渡部:この言葉は変化や変容と訳されますが、特に外部的な変化のことです。
例えば仕事が変わる、結婚する、引越しをするなどです。このような外部的な変化を経る過程で、自分の内面が変容していくことをトランジションと定義しています。
これが自分にとって響き、生きていく上での考え方の指針の一つになりました。
──どのような点が響いたのでしょうか。
渡部:本の中で「何かの終わりは何かの始まり」という大切な考えが出てきます。
私は30代目前で、今のやり方や考え方では前へ進めないと気付かされました。一旦、終わらせないといけない局面がありました。終わらせた後と、次を始める移行期間の中で、自分をどう捉えていくかのヒントがこの本にはありました。
──どのような方にオススメしたい本ですか?
渡部:ビジネスにすぐ役立つスキルやノウハウの本ではないですが、頭や心の休憩として読んでいただけるとよいと思います。
一つのトランジションを抜けると次のトランジションの始まりポイントにいるんですよね。そのため、20代、30代、40代と、ある節目で繰り返し読むたびに、新しい発見があると思っています。
自分にしか気付けない違和感を大切に
──これからの未来をつくっていく方へ向けて、チャレンジをし続けている渡部さんからメッセージをお願いします。
渡部:「自分の中の違和感に気付かないふりをしないこと」です。
違和感に気付くと辛いこともあります。気付かなければ、これまで安定した生活を送れるかもしれません。しかし、自分しか気付けない違和感はあるのです。
気付かないふりをすると、誰も気付かないまま人生が過ぎていきます。自分しか気付けない違和感を大切にしてもらえたらと思います。
また、難民問題は難しいと感じる方も多いと思います。ただ事実として、現在も日本に来ている方はいて、身近になる方も出てくるかもしれません。
WELgeeでの活動を通して、難民から距離を置いたり、寄り添うとしても「受け入れてあげよう」という一方的ではなく、「一緒に生きていこう」と皆さんが思える状況を日本でつくりたいです。
(聞き手・野田翔、構成・紅野一鶴)
https://www.businessinsider.jp/post-261466

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キッズライツ財団 マララ・ユサフザイ氏をプレゼンターとして、2022年国際子ども平和賞の最終選考進出者を発表

2022-11-09 | 先住民族関連
KidsRights2022年11月8日 19時30分
過去にマララ・ユサフザイ氏、グレタ・トゥーンベリ氏、ンコシ・ジョンソン氏が受賞した、世界の若いチェンジメーカーを称える「国際子ども平和賞」の最終選考進出者に3名を選出
*川崎レナ氏(16歳、日本):若者の参加する権利
*オータム・ペルティエ氏(18歳、カナダ):きれいな水の保護
*シヴァンシュ・クルシュレスタ氏(16歳、インド):インクルーシブ教育
国際的な児童権利擁護の非営利組織であるキッズライツ財団(オランダ・アムステルダム 理事長:マーク・デュラート)を代表して、マララ・ユサフザイ氏が第18回国際子ども平和賞の最終選考進出者を発表し、子どもの権利のために勇敢に戦う世界の若いチェンジメーカーの目覚ましい功績を称えました。同賞の受賞者は、自身の活動の成果を世界の何十億という人々に推進できるという影響力や意義を鑑みて、46カ国175名以上の候補者の中から、専門家による審査によって3名の最終選考進出者が選ばれました。
毎年、ノーベル平和賞の受賞者が同賞の授与を担っており、本年は2011年の受賞者であるタワックル・カルマン氏が国際子ども平和賞の受賞者を発表します。受賞者には、ンコシ氏の像と、教育・研究のための奨学金が贈られます。さらに100,000ユーロのプロジェクト資金が提供されますが、その半分は受賞者の活動支援に充てられ、残り半分はキッズライツ財団により子どもの権利のために奮闘する他の若いチェンジメーカーのプロジェクトに投資されます。
授賞式は11月14日にオランダ・ハーグで開催されます。受賞者のメッセージを世界中の人々に届けるべく、ライブストリーミングで配信されます。
最終選考進出者の発表に際し、マララ・ユサフザイ氏は次のように述べました。「若者たちは、世界の深刻な問題を自分たちが背負っていると感じています。しかし同時に彼らは、変化を求める声をリードしています。今年の候補者であるレナ、オータム、シヴァンシュは、我々誰もが、今日の喫緊の課題に目を向け、行動を起こす力を持っていることを思い起こさせてくれます。」 
本年の最終選考進出者は、若者の参加する権利の推進を目指す日本出身の16歳の少女、川崎レナ氏、世界中の子どもたちにインスピレーションを与え、きれいな水の保護の意識を高めているカナダ出身の18歳の少女、オータム・ペルティエ氏、インクルーシブ教育に挑んでいるインドの16歳の少年、シヴァンシュ・クルシュレスタ氏です。
最終選考進出者の紹介
オータム・ペルティエ氏:世界的な青年環境活動家で「水の戦士」として知られ、長年にわたりカナダ国内外においてきれいな水を求めて提唱しています。12歳の時、オータムは政府議会に出席し、ジャスティン・トルドー首相と対面して、「子どもたちを気にかけ、水を守って」と訴えました。以来、オータムは世界中を旅して、子どもたちに活動家になることを勧めています。オータムは最近、先住民のコミュニティのためにきれいな飲料水を求める請願書を作成し、現在10万869人以上の署名を集めています。またDreamCatcher財団と提携し、きれいな水の確保に苦労してきた先住民コミュニティの家庭に400台以上のろ過装置を配布、設置しました。2019年、オータムはきれいな水を保護し、若者の声が届けられるように、アニシナベック族の首席水委員に選出されました。
シヴァンシュ・クルシュレスタ氏:言語や聴覚に障害のある子どもや成人を支援するインド初のコミュニケーション・ポータルサイトを開発。シヴァンシュは、ビデオ通信メディアがインドの言語に対応した字幕を提供していないことに気づきました。彼は社会のニーズを察知し、聴覚に障害のあるインドの言語話者のために、日常のコミュニケーションを円滑にするサービス「Lingocap」を開発しました。またコロナ禍で多くの若者がオンラインで授業を受けなければならない中、シヴァンシュは聴覚障害を持つ学生が大きなハンディキャップを負っていることに気づき、IT教育を支えるインフラのない聾学校や、その他非営利学校の支援のために同プラットフォームを使い始めました。Lingocapは多くの称賛を受け、現在では社会正義・エンパワーメント省が聴覚言語障害児教育のための全国ポータルサイトとして導入しています。このアプリは、インド各地の聾学校で役立っており、現在12校の聾学校に導入され、7000人以上の利用者を擁し、63人のメンターが1,200人以上の聴覚障害者の放課後教育の指導・支援に活用しています。
川崎レナ氏:8歳の時に読んだ本で、世界には国の政治的事情で教育を受けることができない子どもたちがいることを知り、この状況を改善するために行動を起こすことを決意します。実際に変化をもたらすための様々なボランティアプロジェクトに参加するようになった彼女は、すぐに日本の若者も同じような問題に直面しており、多くの若者が個性を発揮したり自己を表現できず苦労していることに気づきました。
彼女は14歳の若さでアース・ガーディアンズ・ジャパンを立ち上げ、子どもたちが望む世界の変化に対応できるような新しい仕組みづくりを目指しています。その中でも特に注目すべきは、学校と地域の政治家をバーチャル会議でつないだことです。さらに、「polichat」という小さなオンラインプラットフォームを活用し、若者が望む時に直接政治家に連絡を取れるようにし、日本の子供たちが、政治や自分たちの将来に影響を与える政策決定に積極的に参加するよう促しました。
同組織は環境保護にも力を入れており、大阪の十三の河川清掃などのプロジェクトも実施しています。また、若者のプロジェクト資金調達エキスポも運営しており、熱心な学生起業家たちが持続可能なプロジェクトを提案し、投資を確保する絶好の機会となっています。この活動の結果、同組織は、政府運営に若者の声を取り入れるために日本政府の環境省が公式に連携している、数少ない青少年団体のひとつとなっています。
レナは日本における若者の社会参加を提唱する第一人者として知られ、国内バイオ燃料ジェット会社の最年少のCFO(最高未来責任者)に任命されました。東京都は彼女に対し都市開発チームへの助言を求め、日本最大のショッピングモールや発電所が参画することになりました。レナは東京都の事業を通じて、50年、100年先を見据えた街づくりを想定した東京湾のプロジェクトに取り組んでいます。同プロジェクトは自然と利便性を両立させた持続可能な都市づくりを目的としており、3700万人が暮らす東京圏全域に影響を及ぼすと試算されています。また、彼女は新居浜市のプロジェクトに招かれ、若者の声を意思決定に反映させるQRコードを作成しました。このアイデアは新居浜市長に採用され、市の全住民に影響を与えることになります。
レナの最終目標は、自分と同世代だけでなく、次世代にもより良い機会を提供することです。
報道用資料(写真・動画)
https://www.dropbox.com/sh/ebfmn0yrkktct4e/AADnIvWzusb_m7UyFZ2pnKuWa?dl=0
国際子ども平和賞について
国際子ども平和賞は、2005年にミハエル・ゴルバチョフを議長としてローマで開催された、ノーベル平和賞受賞者世界サミットにおいて創設された賞です。世界有数の名誉ある青少年を対象とした賞で、毎年、子どもの権利擁護と弱い立場の子どもの状況改善に大きく貢献した人物に贈られます。受賞者のメッセージは、国際的なメディアによって報道され、世界中の人々に届けられます。
同賞は、オランダのアムステルダムに本拠を置く国際的な子どもの権利団体であるキッズライツ財団の創設者兼理事長であるマーク・デュラートのイニシアチブによるものです。同氏は「危機に満ちた世界において、本年の国際子ども平和賞の最終選考進出者は、現在そして未来の世代にとって希望の光です。彼らは道徳的なリーダーシップを発揮し、私たち全員にインスピレーションと模範を与えます」と述べています。
影響とレガシー
キッズライツ財団は、2006年の受賞者で元児童奴隷だったオム・プラカシュ氏をはじめ、受賞者が世界に与えた影響を誇りに思っています。彼は国際子ども平和賞を受賞したことで、インド政府にとって児童奴隷が重要な課題であることを認識させることができました。2011年には、当時無名だったマララ・ユサフザイ氏が国際子ども平和賞の候補者となりました。この後、彼女は世界的に有名となり、2013年には、すべての少女が教育を受ける権利を有することを訴えた勇気ある行動が評価され、国際子ども平和賞を受賞しました。2014年に史上最年少でノーベル平和賞を受賞したのも、このことが決め手となりました。
2021年の国際子ども平和賞受賞者であるインド・デリー出身のヴィハーン&ナヴ・アガーワル兄弟は、デリーの大気汚染を防ぐための組織「One Step Greener」を設立したことが評価され、受賞に至りました。One Step Greenerは現在、1,000以上の家庭、学校、オフィスから廃棄物を回収し、大気汚染を避けるために廃棄物を燃やさないように分別し、今年までに173,630kgの廃棄物を再利用しています。国際子ども平和賞の受賞から4日後、ニューデリー政府は大気汚染に対する厳しい対策を導入しました。
キッズライツ財団について
キッズライツ財団(KidsRights)は、すべての子どもが自分の権利を利用でき、自分の中にある大きな可能性を実現できる世界を目指す、国際的な児童権利擁護の非政府組織(NGO)です。子どもたちを、世界を動かす力を持つチェンジメーカーであると捉え、変化をもたらすために自分たちの意見を述べたり、行動を起こす手助けをします。子どもの権利の実現のために世界的な注目を集め、子どもたちや若者とともに変化を起こす触媒として、子どもたちを支援しています。「国際子ども平和賞」、及びボーダーレスな若者向けオンラインコミュニティ「State of Youth」の創設者であり、年刊「KidsRights Index(キッズライツ指標)」を発行しています。財団の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。www.kidsrights.org
国際子ども平和賞専門委員会
選抜委員会
マーク・デュラート キッズライツ財団創設者兼理事長、国際子ども平和賞創設者
ベニヤム・メズール 国連子どもの権利委員会委員、前議長
ジョー・ベッカー ヒューマン・ライツ・ウォッチ 子どもの権利部 アドボカシー・ディレクター
タワコル・カルマン 2011年ノーベル平和賞受賞者、人権活動家、ジャーナリスト、政治家、「束縛のない女性ジャーナリスト」代表
李 亮喜(イ・ヤンヒ) 教授、発達心理学者、ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者、国連子どもの権利委員会前委員長
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000111035.html

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水越武写真集刊行記念展:アイヌモシㇼ オオカミが見た北海道(コミュニケーションギャラリーふげん社)11月10日~11月27日

2022-11-09 | アイヌ民族関連
デジカメウオッチ2022年11月8日 18:30:宮本義朗

🄫Takeshi Mizukoshi
コミュニケーションギャラリーふげん社(東京・目黒)で、水越武写真集刊行記念展「アイヌモシㇼ オオカミが見た北海道」が開催される。会期は11月10日(木)~11月27日(日)。会期中の11月13日(日)には、『山と渓谷』元編集長の神長幹雄氏をゲストに迎えたギャラリートークも実施する。
本展では、写真集に収録された知床・阿寒・大雪山、森、川、湖、湿原、生き物、特徴的な地形などの厳選した33点を展示いたします。
約30年前に屈斜路湖のほとりに移住してから、水越は北海道の大自然と一体となり、その優しさや厳しさを肌に感じながら暮らしてきました。そして、100年以上前、かつてエゾオオカミが見ていた、豊かな自然が息づく世界―アイヌモシㇼ(アイヌ語で人間の大地の意味)を、時空を超えて写真で捉えたいと夢見ました。水越武のアイヌモシㇼ=北海道への「賛歌」を、どうぞご覧ください。
夏でも残雪の輝く高山が屏風のように連なる山国の信州から、森と湖の王国ともいえる道東の屈斜路コタン近くに移住したのは30年ほど前だった。
森の中での暮らしは季節によって激変し、生活は厳しさと心地良い優しさとが混在した。多様な生きものたちが四季を通して代わる代わる訪ねてきて、多くの発見と喜びがあった。
ゆっくり時間をかけて真剣に向き合うと、自然は秘めた物語を語りかけてくれる。
エゾオオカミが徘徊し、アイヌの人たちが慎ましく暮らしていた100年ほど前のアイヌモシㇼは、世界屈指の豊かで美しい自然が息づいていたに違いない。
そんな思いが私の意識の中に立ち現れ、時間を超えてエゾオオカミが見ていた世界を捉えたいと私は夢を見た。
アイヌモシㇼへの敬愛の念を込めた私の讃歌であるが、これが挽歌にならないことを祈りたい。
水越 武
会場コミュニケーションギャラリーふげん社 
東京都目黒区下目黒5-3-12
開催期間11月10日(木)~11月27日(日)
開催時間
火~金:12時00分~19時00分 
土・日:12時00分~18時00分
定休日月曜、祝日(11月23日)
ギャラリートーク:水越武×神長幹雄(元『山と渓谷』編集長)
日時:11月13日(日)14時00分~15時30分 
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社 
参加費:1,000円(会場観覧・オンライン配信)
作者プロフィール
1938年愛知県豊橋市生まれ。
東京農業大学林学科中退後、1965年から田淵行男に師事し写真を始める。
北アルプス、南アルプス、ヒマラヤなど、国内外の高峰から日本の原生林、熱帯雨林などの撮影において高い評価を受ける。
主な著書に、『日本の原生林』(岩波書店)、『わたしの山の博物誌』(新潮社)、『真昼の星への旅』(新潮社)、『最後の辺境ー極北の森林,アフリカの氷河』(中央公論新社)などがある。国際的にも高く評価され、作品は国内外の博物館、美術館にも収蔵されている。
1991年写真集『日本の原生林』で日本写真協会賞年度賞、94年『HIMALAYA』『ボルネオ』で講談社出版文化賞、99年『森林列島』で第18回土門拳賞、2009年『知床 残された原始』などで平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞、13年北海道文化賞、20年北海道功労賞を受賞。
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/exhibition/1454036.html

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