先住民族関連ニュース

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“僕の旅は音楽に会いに行くことだ” 高桑常寿写真展「アジアの音楽家たち」

2022-11-21 | アイヌ民族関連
CAPA11/20
高桑常寿さんの写真展「アジアの音楽家たち」が、2022年11月21日より開催される。

 「僕の旅は音楽に会いに行くことだ」
高桑さんはアフリカのミュージシャンに引き付けられてから、四半世紀にわたり音楽家に会う旅を続けている。
本展では、その旅で出会った音楽家たちを2期に分けて紹介する。Part1はアジア再発見「韓国から西アジア・大陸、そして台湾」、Part2は日出る国へ「台湾、やいま、やまと、アイヌ」と題して構成。アジア音楽家へのオマージュ旅の総集編となる写真展だ。
高桑常寿写真展「アジアの音楽家たち」
会期
* Part 1 : 2022年11月21日 (月) ~27日 (日)
アジア再発見「韓国から西アジア・大陸、そして台湾」
* Part 2 : 2022年11月28日 (月) ~12月4日 (日)
日出る国へ「台湾、やいま、やまと、アイヌ」
会場 PLACE M
住所 東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F
時間 12:00~19:00
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ PLACE M (TEL 03-3341-6107)
高桑常寿 (Tsunehiro Takakuwa)
1955年、愛知県名古屋市生まれ。エディトリアル・デザイナー、編集者を経て、その間に写真を撮り続けた結果、30歳からカメラマンとして独立。以後、グラビアを中心に活動。写真集多数。
https://getnavi.jp/capa/pickup/221121takakuwa/

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ヤポネシアゲノム計画 日本列島人の成立を探る 国立遺伝学研究所特任教授・斎藤成也 エッセー時の風

2022-11-21 | アイヌ民族関連
福井新聞2022年11月20日 午後2時00分
 私の研究テーマは人類進化、ゲノム(全遺伝子情報)解析、系統樹の3分野だ。最初のふたつに関連して、2018年度から文部科学省の大型予算である新学術領域研究を受け、私が領域代表となって「ヤポネシアゲノム」計画を進めている。ヤポネシアとはラテン語で日本列島のことであり、作家の島尾敏雄が1960年代に提唱した。
 現代人、古代人、動植物という3分野のゲノムを調べる研究班のほかに、考古学や言語学の研究者も加わり、総勢50人余の、文理融合的色彩のある研究プロジェクトとなっている。ホームページはhttp://www.yaponesian.jpである。
 日本列島人(ヤポネシア人)の成立については、北方のアイヌ人と南方のオキナワ人が比較的近縁で、かれらと中央のヤマト人(本土日本人)が遺伝的に少し異なるという埴原和郎の「二重構造モデル」が知られている。われわれは現代人のゲノムデータがこのモデルに基本的にしたがっていることをすでに報告していた。
 私が班長である現代人ゲノムの研究班は、ヤマト人のなかに中央軸と周辺部という構造があるのではないかという私の提案した「うちなる二重構造モデル」を立証すべく、研究を進めている。現代日本人のミトコンドリアDNAデータはほぼこのモデルが予測する結果をしめしており、現在核ゲノムデータを解析中である。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本のあちこちを訪問してDNAサンプルの収集をおこなう予定だったが、かなり出張が制限されてしまった。
 篠田謙一国立科学博物館長を班長とする古代人ゲノムの研究班は、縄文・弥生・古墳それぞれの時代に生きていた人々のゲノム配列を決定して解析し、めざましい結果を報告している。
 礼文島の船泊遺跡からは、きわめて純度の高い縄文人女性のDNAを抽出し、ゲノム配列を決定した。国立歴史民俗博物館の藤尾慎一郎教授を班長とする考古班とともに、弥生時代や古墳時代の人々のゲノム決定を進めており、埋葬された人間の親族関係も推定されている。
 北海道大学の鈴木仁名誉教授を班長とする動植物ゲノム研究班は、日本列島人になじみの深いマウス、ヒグマ、イネ、ヒエ、ヒョウタンなどいろいろな生物のゲノムを決定している。人間とともに大陸からわたってきたマウスの渡来が亜種によって経路も時代も異なるという興味深い結果が得られている。
 青山学院大学経済学部の遠藤光暁教授を班長とする言語班は、日本語と琉球語それぞれの方言の研究が中心であり、このほかアイヌ語やユーラシア北部の少数民族の言語についての研究も進められている。
 北海道大学工学部の長田直樹准教授を班長とする大規模ゲノム解析班は、動植物ゲノム班と共同してマウスおよそ100個体のゲノム配列を決定し解析したり、現代人ゲノム班と共同してヤポネシア人ゲノムの解析を進めたりしている。
 また長田直樹氏を中心として、若手研究者の育成をめざしたくにうみミーティングを、日本神話で最初に生まれた島である淡路島で毎年開催している。
 これら6個の計画班のほかに21人の研究者による公募班があり、多彩な研究をおこなっている。大分大学のグループは胃に住み着くバクテリアであるピロリ菌のなかに、沖縄で独自な系統を発見した。
 植物ゲノムの研究では、アズキの栽培化がどうやらヤポネシアで起こったらしいという結果や、ウルシ、ソバ、サトイモ、ダイズのゲノム研究も進められている。動物でも、イヌとニホンオオカミのゲノムやネコのゲノム解析が進められている。
 この新学術領域研究は本年度が最終年度。来年3月末までもうひとふんばりである。(11月13日福井新聞掲載)
 ◇さいとう・なるや 1957年福井県鯖江市生まれ。東京大学理学部生物学科卒、米国テキサス大学大学院修了。国立遺伝学研究所特任教授。文部科学省の新学術領域研究「ヤポネシアゲノム」領域代表。専門はゲノム進化学。著書に「日本列島人の歴史」「核DNA解析でたどる日本人の源流」「人類はできそこないである」など。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1672659

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【読みたい北海道・難読地名編】「椴法華」は、夜景や朝市、五稜郭、ハセガワストアで有名な函館市の地名!

2022-11-21 | アイヌ民族関連
おとなの週末11/20(日) 16:00
民間調査会社による47都道府県魅力度ランキングで13年連続1位に輝く「北海道」。
観光地として圧倒的な人気を誇り、豊富な海の幸や新鮮な牛乳やチーズなどの酪農製品、札幌ラーメンなどのご当地グルメ、雄大な自然、スキーなどのアウトドア…とにかく"非日常的"な魅力がいっぱいです。
そんな北海道には、漢字の一般的な読み方から想像するのが難しい地名がいくつもあります。
九州の2倍強という広い大地ゆえ、馴染みのないエリアだと道産子でも読めないものも少なくありません。「おとなの週末Web」では北海道の難読地名を取り上げながらその周辺の観光スポットやグルメも紹介していきます。読み方を学びながら束の間の旅気分を味わってみませんか?
今回は「椴法華」です。何と読むでしょう?
答えは…
答えは「とどほっけ」と読む函館市の地名です。
太平洋に面し、かつて漁村として栄えた村で、2004年に函館市と合併しました。函館中心部から車で約1時間のところに位置しています。アイヌ語の「トトポケ(岬の陰)」が由来で、渡島半島の東南端にそびえる「恵山(えさん)」の山裾を現わしているといます。
函館市は江戸時代に国内最初の国際貿易港として開港して以来、外国の文化を積極的に取り入れ、異国情緒あふれるまちへ成長していきました。今回は函館エリアのちょっとディープな場所を含めてご紹介します。
五稜郭だけじゃない?四陵郭もある
函館を代表する観光地、五稜郭。隣接する五稜郭タワーからは星形の美しい公園が見渡せます。桜の季節はソメイヨシノが咲き誇り、特にきれいです。
この場所は、榎本武揚や土方歳三らが率いる旧幕府軍が、最後の砦として明治新政府軍と激戦を繰り広げた、戊辰戦争最終決戦の場所です。五稜郭の戦いは、箱館戦争とも呼ばれています。
五稜郭で有名な函館ですが、実は「四稜郭(しりょうかく)」もあるのです。箱館戦争の際に、旧幕府軍が新政府軍の攻撃に備え、五稜郭を守るために造った西洋式の土塁です。五稜郭の北東約3キロの高台にあります。
蝶の羽を広げたような形になっていて、近くまで行くと土塁で囲まれている様子を見ることができます。四隅には砲座が配置されていますが、建物はつくられなかったそうです。それでもここが歴史上重要な場所だったと思うと感慨深い気持ちになりました。残念ながら上からは見えないものの、案内図からイメージをつかむことができます。
函館の夜景は表だけじゃない?裏夜景も実は人気
函館といえば夜景で有名ですが、皆さんがイメージする夜景は、いわば「表夜景」。市街地の灯りが美しく、函館山からの景色は、旅行ガイドの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星として掲載されています。
函館山は昔、島でした。海流が運んできた土砂が堆積して陸続きになり、その上に街がつくられたのです。
反対側の山々からの函館山の眺めを「裏夜景」といい、七飯町の「城岱(しろたい)牧場展望台」や、北斗市の「きじひき高原」などからの景色も見事です。私が訪れたのは昼でしたが、城岱牧場展望台からは、海に函館山が浮いているように見えて不思議な気分になりました。改めて函館山は島だったんだなぁと感じられる場所でもあります。
「やきとり」なのに鶏肉じゃない?ハセガワストアのやきとり弁当
函館には、イカをはじめとする海産物や、当連載で紹介したご当地バーガーのラッキーピエロなどたくさんのおいしいグルメがあります。中でもおススメしたいのは、市民だけではなく、道民や観光客の皆さんにも人気の高い、ハセガワストアの「やきとり弁当」。鶏肉ではなく、豚肉を使っているのが特徴です。函館市内や近郊を中心に展開しているコンビニエンスストアです。
以前取材で「焼き鳥を焼くときに霧吹きで函館ワインをかけることで、コクのある深い味わいを出せる」と教えてもらいました。何より、コンビニ店内で焼いているので店内は煙が充満。それがまたいい味を出しています。店内で食べることもできます。こってりした甘いタレとごはんの愛称は抜群です!
明治期の歴史を学びながら、ご当地ならではのグルメも満喫。函館を訪れた際には、ちょっとディープなスポットも探して楽しんでみてくださいね。
文・写真/森順子
森順子
元テレビ北海道アナウンサー。現在は教育サービスの会社を運営しながら地理の楽しさを普及する活動も行っている。地理女net代表/札幌国際大学短期大学部講師/札幌観光大使
https://news.yahoo.co.jp/articles/c46a61643d5d1ae628af59da11842e4046ce6663

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人間の「差別」の幕は降りないのか 『喜劇 人類館』

2022-11-21 | ウチナー・沖縄
HUB2022/11/20

『喜劇 人類館』のワンシーン。中央が“調教師ふうの男”で、両脇が“陳列された男女”(なはーと提供、以下同)
 1903年に大阪で開催された「第5回勧業博覧会」会場近くの見世物小屋で催された「学術人類館」をモチーフに、沖縄の戦前から戦後にかけてのあゆみを、風刺を交えて描き出す演劇作品『喜劇 人類館』(作・知念正真)が11月3~6日、那覇市文化芸術劇場なはーとで上演された。客席は各日ほぼ満員状態で埋まった。
 今回は初の試みとして、演出を劇団「青年劇場」の佐藤尚子さんと作者・知念正真さんの娘のあかねさんが共同で務め「女性の視点」を織り込んだ。舞台上で表現される100年以上前に起こった出来事で表出した「差別」の眼差しは、2022年の今現在の観客にも生々しい実感とともに問いを投げかけてきた。「歴史は繰り返す」という言葉の意味を何度も噛みしめざるを得ない、余韻の長い公演となった。
“陳列”される琉球人たちのコメディ
 学術人類館ではアイヌや台湾先住民、朝鮮、清国、などの人たちと一緒に琉球の人が「人間の展示」として見世物にされたことが問題になり、社会的な関心を集めた。演劇作品ではその当時の見世物小屋を舞台に、“陳列された男女”と“調教師ふうな男”の3人が繰り広げる「ブラック・コメディ」だ。
 ステージには沖縄をイメージさせる細かい小道具が無造作に配置され、「リウキウ チョーセン お断り」と記された看板。狭い部屋に“陳列”された琉球人の男女(仲嶺雄作、今科子)を尻目に、これみよがしに青と赤が強調された衣装を身にまとった調教師(西平寿久)が「差別は決して許してはならないのであります。…人類普遍の原理であります」と前口上を高らかに流暢に述べる。
 が、これは戯言に過ぎず、鞭を手にした調教師は琉球人の2人に高圧的に接し、そしてひたすら差別的に扱う。調教師がステージから姿を消すと、耐えかねたように調子よく小言を並べる陳列された男。女は呆れたような視線を向けつつ、2人はコミカルなやりとりを重ねていく。
コミカルかつ丁々発止のやりとり繰り広げる“陳列された女”(今科子)と“陳列された男”(仲嶺雄作)
「簡単に幕は降りない」
 笑いが起こるシーンも織り込まれてはいるが、戦前、戦中、戦後、時空が入り乱れて登場人物それぞれの過去が薄皮を剥いでいくように徐々に明らかになってくると、自分がいつどこにいて、どういう立場で「笑うという行為」に及んでいたのか、気づけば鋭い問いの切っ先を突きつけられているような心持ちになる。
 印象的だったのは、“差別されていた側”があまりにも容易に“差別する側”に取って代わることを明示したラストシーン。その様子を、「陳列された女」が高い場所から無言で見下ろす状況で、舞台は終幕を迎える。上演自体は終わったが、幾多の“モヤモヤ”が頭を駆け巡り、余韻はしばらく終わりそうにない。
 正真さんは戯曲の最後のト書に「いずれにせよ、そう、簡単に幕は降りないだろう。何故ならば『歴史は繰り返す』ものなのだから…………」と書き込んでいる。このテキスト通り、沖縄でも、日本でも、そして世界中でも「差別」という行為には全く幕が降りる兆しは無い。どころか、その風潮が強まっているとさえ感じるようなことが多々起きている。
 この作品の射程はまだまだ伸びていくし、むしろ時間を経るごとにある種の生々しさを増していくのではないか、そんなことを感じる演劇体験だった。
いつしか笑いは引きつっていく
 公演終了後には、日替わりで演出家や出演者、そのほかゲストを迎えたアフタートークも開催された。5日は演出の知念あかねさんと、東京工芸大芸術学部写真学科准教授の小原真史さんが登壇した。小原さんは会場のなはーとで人類館も含めた「人間の展示」をテーマにした企画展をキュレーションしており、今回の上演場所となった小劇場の扉を開けると目の前が企画展会場になっていた。
 過去の公演を劇場でも映像でも観てきたという小原さんは、今回公演について「遠めの席から観たんですが、モンタージュやスローモーション、ストロボのなど演出技法で現在の中にどんどん過去が呼び込まれて、まるで映像を観ているようでした」と感想を口にした。「色んなバージョンを観たんですが、観るたびに印象が違います」とも話すと、こう付け加えた。
「東京で観た時には最初けっこう笑っていたんですが、だんだんその笑いが引きつってきて、最後は笑えなくなりました。今日沖縄だとまんじりともせず、全編ずっと真剣に観ていました。どの時代に誰と、どこで観るかということを投影してしまう、鏡のような作品だと思いました」
 加えて小原さんは、人類館に“陳列”されていたアイヌの人たちが「自らの意思と目的を持って参加し、内地(としての日本)に同化しつつある自分たちをパフォーマティブに演じていたということに着目する必要があります」と指摘。「彼ら彼女らを被害者としてしか見ないことこそが、差別なのではないでしょうか」と疑問を投げかけた。
「沖縄は自ら『人類館』になっていないでしょうか?」
 あかねさんは稽古で台本を読み込む中で、歴史や沖縄について「ちゃんと知らないことは怖いことだな」ということを何度も実感したという。その上で、現在の沖縄が「観光立県」として“売り出して”いることは「自ら進んで『人類館』になっていないでしょうか」と疑義を呈した。
 また、正真さんが戯曲『人類館』を書いたタイミングや動機を巡って、会場から出た質問に答えたあかねさんは「人類館が書かれたのは私が生まれた年で、まだ母のお腹の中にいる時だったんです。『お腹の子のために何かを残したい』ということで書き始めたと聞いています」と説明。
 沖縄の本土復帰50年というタイミングにも触れつつも「今回の上演のタイミングは必ずしも復帰50年を明確に意識したわけではないんです」とし、「きっかけはあくまでコロナ禍だったんですよね。こうして今上演しているのは“時代がそういう風になった”という感覚です」と感慨を語った。
https://hubokinawa.jp/archives/20680

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【ウォルト・ディズニー】夢と希望の国を作り出した偉人が遺したものとは!?

2022-11-21 | 先住民族関連
サファリ11/20(日) 8:02
子供から大人まで、世界中の人々を魅了し続けるディズニーの世界。アニメーションやテーマパークにとどまらず、いまやあらゆるエンタメ分野へと影響力を広げている。そんな巨大帝国を築き上げた偉人、ウォルト・ディズニーをモーリーはどう見ている!?
実はウォルト本人に関しては、あまりよく知らないんです。右寄りで差別主義的だったという話も聞きますが、それは当時の経営者の典型例。ことさらウォルトだけを悪くいうことはできないし、濃淡でいうとむしろ淡の印象です。ただ、ウォルトは労働者に大変厳しかったそうで、実は現在も同じような問題を抱えています。海外の記事ですが、非常に多様性を意識した作品にもかかわらず、その制作現場は過酷な労働環境にあると告発されている。実際にその作品を観ると、明らかに手抜きが目立ちます。『スター・ウォーズ』などもシリーズが増えていますが、予告編がもう薄い。水飴を薄めて売るようなことをやりながら、それでも一定のクオリティを保つ必要があり、結局は下請けに負荷がいく。
ディズニーはある種の職人芸で画期的なアニメーションを作り、手塚治虫をはじめとした日本の漫画、アニメにも大きな影響を与えました。でも、もしクリエイターの人権が守られていたら、あれほどのものにならなかったかもしれない。ディズニーの二面性ですね。ある意味、日本のアニメはそれを受け継いでいるんです。いまだに最悪な労働環境で、やりがいだけでやっている。利益を最大化するための薄い引っ張り方も同じです。
ウォルトは戦時中を除いて政治的な部分には関わりませんでしたが、ディズニーの作品はある時期からリベラルに傾きます。女性像でいえば『白雪姫』のようなお姫様がいて、戦後アメリカの理想的な女性像を牽引した部分がありました。これがいつからか王子様を待つだけじゃない女性像に変わっていく。ディズニー傘下のマーベル作品を見ると、ガチッと多様性にシフトするのはトランプの頃です。最初は間接的でしたが、今はもうトランプ的な不寛容、排外主義、格差拡大への批判が非常に強い。トランプが最高裁判事を入れ替えたので、今後は誰が大統領になってもしばらく憲法解釈が右に振れるといわれています。そこで一番の争点になっているのが中絶禁止。最高裁が中絶禁止に傾く中、時代錯誤だと強い声を上げているのがディズニーです。
ディズニーはアナ雪で「私らしく、ありのままで」という新しい活路を見つけました。ただ現代のような分断の時代においては、もっと強い覚悟というか、トランプに宣戦布告するくらいでないとお客さんが納得しない。フロリダ州知事ともLGBTについて争っていますが、どちらかの陣営について戦わないとならないんです。特にZ世代は環境問題や格差、人権といった問題をリアリズムとして感じていますから、彼らに応える必要もある。だからカラダを張って進歩的な価値を推進するしか道がないのです。
それとTikTokの普及も大きい。ディズニーのテンプレは、ひとつの理想像を見せて、それにみんなが憧れるというものです。ところがTikTokは全く逆で、マイノリティだろうがプラスサイズだろうが、あるがままの表現からものすごい魅力やパワーが生まれている。ディズニーはこの感覚を理解して、そちらに舵を切っています。
そうそう、ディズニーの『プレデター:ザ・プレイ』という作品はすごいですよ。これは観てほしい。あのプレデターの最新作で、主な登場人物がすべてネイティブ・アメリカン。アメリカ建国前の話です。部族のほとんどが犠牲になる中で、主人公の女性が知恵を絞って立ち向かっていく。僕も最初は、使い古されたキャラで、先住民のお涙頂戴なんてやめてくれと思いました。でも、これがめちゃくちゃ面白い。久々に感動して、心を揺さぶられました。これを作ってくれたお礼として、あと2年はディズニーのサブスクにお金を出そうと誓ったくらい。僕は今のディズニーの姿勢を全面的に支持していますが、この作品を観れば、それがどういうことかわかるはずです。
ダイアナ妃もレーガン大統領も訪れた夢の国!?
1993年にフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートを訪れたダイアナ妃(右端)。スプラッシュ・マウンテンに乗り、楽しそうな様子。
’85年に同所を訪れたレーガン大統領夫妻。
ディズニースターは数奇な運命をたどる!?
’55年から’96年まで米ディズニー・チャンネルで放送されたバラエティ番組『ミッキーマウス・クラブ』。’89~’94年の出演メンバーには、ライアン・ゴズリング(左奥)、ジャスティン・ティンバーレイク(右奥)、クリスティーナ・アギレラ(手前)、ブリトニー・スピアーズ(中央)など、すごい顔ぶれが!
ウォルト・ディズニーの歴史
ウォルトとともにディズニー社を創業した兄のロイ。その孫のアビゲイルは、アメリカ有数の富豪にもかかわらず、富裕層への課税を強化する活動に力を入れている。また、同社従業員の労働環境についても、メディアで厳しく追及している。
気になる話題! 来年に創立100周年を迎えるディズニー社!
今年9月に行われたファンイベント「D 23 Expo」で、「Disney 100 Yearsof Wonder / これからの物語も、一緒に。」と題した年間セレブレーションを行うことを発表。記念作品『ウィッシュ』の公開が決定(日本公開は2023年冬の予定)。
教えてくれたのは [モーリー・ロバートソン] Morley Robertson
1963年、NY生まれ。日米双方の教育を受け、東京大学とハーバード大学に現役合格。現在はタレント、国際ジャーナリスト、音楽家として幅広く活動している。日本テレビの情報番組『スッキリ』の毎週木曜日にレギュラー出演でもお馴染み。
この偉人になりたい度数【20/100】彼の時代から続く労働問題は未解決!
「労働者の問題で20点。ちょっとカルマが悪いです。でも今のディズニーは75点。『プレデター:ザ・プレイ』のような強烈なメッセージを全世界に打ち出すのは使命感がありますね!」
※雑誌『Safari』12月号より
文=野中邦彦 photo by AFLO
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f22f6919dbc329627b20766ceb30bc949b8efe3

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Game*Sparkレビュー:『Victoria 3』―あまりにも高いハードルを超えてきた「伝説」の後継者

2022-11-21 | 先住民族関連
Game*Spark2022.11.20 Sun 12:00

永久に発売されないとまで言われた『Victoria 3』。満を持して登場した本作は伝説的なシリーズの後継者になれるか。
19世紀から20世紀にかけてのヴィクトリア朝と呼ばれた時代、世界は産業革命により急速に変化していました。日進月歩の科学技術、列強による世界分割、社会問題と政治運動、前人未到の地への探検。そんな激動の時代を舞台に、自分だけの理想の国家、自分だけの歴史を作り上げるストラテジーゲーム。それが『Victoria 3』です。
『Victoria 3』は2022年10月26日にParadox InteractiveよりPC(Steam)向けに発売されました。前作『Victoria II』が発売されたのは2010年。続編を求める根強いファンの声にもかかわらず、デベロッパーのParadox Interactiveは沈黙を守り続けました。いつしか世界中のファンの間で「3はいつ出るの?」が合言葉となり、本作が正式発表された時も「それで、4はいつ出るの?」と冗談が飛び交ったほどです。本作はファンに長年待ち望まれ、永久に登場しないとまで言われた後継作であり、それだけに期待のハードルはこの上なく高くなっていました。
日本のプレイヤーにとっては日本語が公式サポートされたのも嬉しいニュースです。かつては日本の代理店が日本語版を取り扱っていましたが、近年は取り扱いがなく、同デベロッパー作品のPC版を日本語でプレイするには有志翻訳に頼るしかない状況が続いていました。本作は同社が代理店を通さず発売時から日本語をサポートする初めての作品となります。
世界に一つだけの歴史
本作は政治と経済という内政面にフォーカスした歴史ストラテジーゲームです。戦争や外交の要素もありますが、領土を広げることが最終目標ではなく、どんな大国でも政治的、経済的に破綻すれば内部崩壊してしまいます。システムが複雑なために最初は取っつきにくい印象を受けますが、その奥深さの虜になればあっという間に時間が溶けていくでしょう。
本作には明確な勝利条件がありません。プレイヤーは自由に目標を定め、当時の世界に存在した国家を一つ選んで、1836年から1936年までの100年間をプレイします。目標は理想の国家を作ることでも、この時代を追体験することでも構いません。自分の手で「世界に一つだけの歴史」を作り上げる体験はそれだけで心が踊るものです。
プレイヤーが操作するのは特定のキャラクターではなく、「国家の意思」とでも言うべき存在です。好きな政治勢力に肩入れすることもできますし、外国との交渉を取りしきることもできます。しかし、無条件に何でもできるわけではありません。その国の法律に反することはできませんし、国民の意志に反して法律を変えようとすれば反乱が起こり、反乱や戦争で国が滅びればゲームオーバーになります。
本作はその特徴からプレイヤーによって向き、不向きがあります。内政より戦争が好きな人にはあまり向いていませんし、ズラッと並んだ数字に拒否反応を起こす人にも向いていません。しかし、システムの理解を助ける仕組みが充実しているので、内政ゲームは苦手という人でもこの時代の歴史が好きならチャレンジする価値はあるでしょう。
理想のアメリカを作ろう
ここからは筆者がアメリカ合衆国でプレイした内容をもとにレビューを進めていきます。
ところで、ヴィクトリア朝と言われても今ひとつピンとこない人もいるのではないでしょうか。日本では幕末から明治維新を経て昭和初期の時代にあたり、本作を日本でプレイすればまさにこの時代を追体験できます。
アメリカの場合、ゲーム開始時の国土は現在の半分ほどです。国内にはまだ奴隷制度が残り、開拓中の西部では先住民が迫害されています。北部でこそ産業革命が進んでいますが、南部では奴隷を労働力としたプランテーション(大規模農園)農業が盛んで、南北の経済対立が深刻化していました。もちろん、これらの状況はゲーム内でもしっかり再現されています。
このように本作では、当時のさまざまな国の政治的、経済的状況を疑似体験できます。体験と言ってもあくまでゲーム上の話ですが、それをきっかけに実際の歴史を勉強するのも悪くありません。設定されているデータは比較的正確で、アメリカの場合は綿花農園が南部に集中して配置されています。
しかし、ツッコミどころがないわけではありません。幕末の日本に「ひたちなか」という地名が登場したり、日本の仏教僧のリーダーとして「平八郎オシオ」(大塩平八郎)が登場するなど、自分のよく知る分野に関しては粗が目立ちます。
歴史をそのまま追体験するのでなく、史実と異なる可能性を追求することもできます。例えば、筆者のアメリカは南北戦争を起こさずに奴隷制度を廃止し、西部開拓も中止して異民族を迫害しない理想国家を目指しました。
しかし、理想を高く掲げたものの、奴隷制度の廃止や先住民との共存は生易しいものではありません。筆者はそこに「歴史上の悲劇を矮小化しない」というデベロッパーの強い意志を感じました。実際にあった歴史を変えるのは簡単ではありませんが、それだけに思い通りの世界を作り出したときの達成感は大きくなっています。
本作は自由にプレイ目標を設定するのが基本ですが、プレイ目標の指針を示す「ジャーナル」というシステムも用意されています。その中には歴史を変えたいプレイヤー向けの目標もあり、例えばアメリカで南北戦争を起こさずに奴隷制度を全廃するには「奴隷禁止の法律を制定した上で10年間内戦を起こさないこと」という目標を達成しなければなりません。
また、チュートリアルにもこの仕組みが利用されています。本作は同デベロッパーの他作品と比べてチュートリアルが充実しており、プレイヤーの状況に応じてさまざまな課題が提案されます。種類も豊富に用意されているので、課題を解決しているうちにゲームの基本的な仕組みが理解できるでしょう。
政治:利害対立の狭間で
続いて、政治、経済、外交、軍事といったゲーム内の各要素について掘り下げていきます。
本作の政治は、「利益団体」と呼ばれる政治勢力間のバランスを取り、自分の望む法律を制定することが中心になります。国家ができることは法律で決まり、法律を変えるには利益団体の支持を得なければなりません。一見簡単そうですが、利益団体にはそれぞれ法律の好き嫌いがあり、国民が納得する法律改正をする過程はパズルを解くのに似ています。
例として、ゲーム開始直後のアメリカで「奴隷禁止」を定める場合を見てみましょう。実は、国民全体では賛成派が反対派を上回っています。ところが、このまま法律改正の手続きを強行すると、国内で最大級の勢力を持つ南部のプランテーション農家が反乱を起こし、南北戦争の悲劇が再現されてしまいます。南部の人々にとって奴隷制度の維持はそれだけ死活問題なのです。
南北戦争を避けるためには、プランテーション農家と妥協しながら徐々にその影響力を減らさなければなりません。しかし、悠長に構えていると奴隷が虐待を受けたり、先住民が強制移住させられたりしてしまいます。しかも、南部を刺激しないためには、そうした悲劇に見て見ぬ振りをしなければならないのです。
このように改革を進めようと思っても、反対派の力を削いだり懐柔したりしなければ何も先に進みません。政治勢力同士の利害がぶつかり合い「あちらを立てればこちらが立たぬ」という政治の面白さがよく表現されたシステムになっています。
経済:世界恐慌は突然に
本作の経済は、「施設」で生産される「商品」とその生産方法を決める「製法」の組み合わせ、そして「市場」を通じた商品の「貿易」に集約されます。
このように説明されても経済学の授業のようで、さっぱりイメージが伝わらないのではないでしょうか。経済は本作で一番重要な要素ですが、筆者も実際にプレイするまではまったく理解できませんでした。
しかし、本作はその複雑なシステムを見やすいアイコンと簡略化された操作で大幅にわかりやすくしています。複雑な経済を制御するのに複雑な操作は必要ありません。マイクロマネジメントと呼ばれる細々とした管理作業も不要です。
経済システムの例として、筆者のプレイで実際に起きた出来事を紹介しましょう。ゲームも終盤の1927年、アメリカは未曾有の好景気に沸いていました。財政は大幅な黒字で、社会福祉も世界最高水準です。ところが、重要な貿易相手国であるイギリスとロシアで同時に革命が発生。安定していた貿易ルートが失われ、アメリカは未曾有の大恐慌に陥りました。
輸出入がストップしたことで需要と供給が釣り合わず、国内経済は大混乱。それを立て直すには、非効率な生産の見直し、貿易ルートの再構築、政府支出の削減といった経済の大改革が必要でした。このように、大恐慌がイベントではなく自然に発生し、それをプレイヤーの力で脱することができたのは、本作の奥深い経済システムのなせる技です。
政治も経済もシステムが複雑なために最初はなかなか思い通りに進みませんが、その問題を調べていくと必ず上手く進まない原因が見つかります。本作はなにか問題が起きた時に「原因を突き止めて解決する過程を楽しむゲーム」であり、仕組みがわかってくると俄然面白くなります。
外交:一触即発の外交戦
本作の外交は戦争の前段階です。戦争で獲得できるものはすべて外交で獲得できますし、外交の失敗はそのまま戦争に繋がります。実際に、筆者はまったく戦争をせずに本作のラスボスとも言える大英帝国を解体したことがあります。同様に、外交だけで巨大市場を築き上げ、経済的覇権を握ることも可能でした。
この仕組みを支えているのが「外交プレイ」と呼ばれる外交交渉システムです。ある国が他の国になにかを要求すると両国間で外交プレイが始まり、同じ地域に関心を持つ国も外交プレイに参加できるようになります。外交プレイには制限時間があり、その間にどちらかの国が相手の要求を飲んで引き下がれば戦争の危機は回避され、時間切れになれば両国間で戦争が勃発します。
戦争の前には必ず外交プレイが発生するので、いかに戦争までエスカレートさせずに自分の要求を飲ませるかが外交の肝になります。本作では軍隊の動員に時間がかかるため、交渉の途中で兵士を召集しなければなりません。駆け引きは常に一触即発の状況で行われ、大国間の外交は毎回手に汗握ります。
軍事:経済力が物を言う戦争
本作の戦争は軍事的側面だけでなく、経済的側面も重視されています。戦争が始まると軍需物資の価格は高騰し、貿易ルートが危険にさらされることで生活必需品の物価も跳ね上がります。戦争が長引けば経済的負担は大きくなり、国家が崩壊の危機に瀕することも少なくありません。
本作の戦争にはユニット(部隊)が登場しません。戦争は簡略化されており、敵国との間に作られる「戦線」に指揮官を割り当てるだけです。同デベロッパーの第二次世界大戦ストラテジー『Hearts of Iron IV』に似ていますが、プレイヤーが自由に戦線を作ることはできません。システムが単純だからといって簡単に勝てるわけではなく、勝つための算段をしていなければあっさり負けます。
発売前に戦争が大幅に簡略化されるという話を聞いていた筆者はどうなることかと心配していましたが、実際のプレイ体験はそんな不安を吹き飛ばすものでした。大規模な塹壕戦や海軍の通商破壊作戦など、当時の戦争の雰囲気がしっかり再現されていますし、戦争が簡略化されているおかげで、戦争中でも内政を続けられるというプラスの効果もありました。
豊富なフレーバー
本作は歴史イベントだけでなくランダムイベントも豊富です。当時の急激な社会の変化を追体験できるイベントや、前人未到の地に探検隊を送る連続イベントが用意されており、ヴィクトリア朝の香りを感じさせてくれます。イベントに繰り返し登場するキャラクターには思わぬドラマが生まれて愛着がわくこともあります。
本作のマップは内政と連動して活き活きと進化するのが特徴です。鉄道を作れば都市と都市の間に列車が走りますし、その列車を牽引するのも時代とともに蒸気機関車からディーゼル機関車に変化します。ニューヨークに自由の女神像や摩天楼を建設すれば、マップにもしっかり反映されます。ときには手を止めて自分が育てた国をつぶさに観察してみるのも面白いでしょう。
本作はMod(ユーザーによるゲーム修正)のサポートも充実しています。デベロッパーのParadox Interactiveは古くからModの開発を奨励していますが、本作ではついにModを導入していてもSteamの実績が解除できるようになりました。Steamワークショップには、ユーザー目線でプレイ体験を改善するModからゲームを完全に作り変える意欲的なModまで、すでに数え切れないほどのModが登場しています。
無視できない問題点
ここまで良い点を中心に紹介してきましたが、発売直後の本作は残念なことに数多くの問題を抱えています。
まずは、不具合の多さを指摘しなければなりません。現在のバージョンはゲームが進行不能になるほど深刻な問題こそありませんが、至るところに細かい不具合が散見されます。例えば、筆者はマップ上に存在しない国から戦争を仕掛けられ、交渉もできないまま10年間戦い続ける経験をしました。敵国の首都は太平洋の真ん中にあり、支配者は謎の黒い影です。本作をプレイしていると、あらゆる場面でこのように不可解な現象に遭遇します。
不具合とは別にプレイを困難にしているのがゲーム後半の速度低下です。20世紀に入った頃から目に見えてゲームの進行スピードが低下し、最高速に設定していてもゲーム開始直後の標準速度より遅い状態になります。マシン環境に依存する可能性もありますが、筆者の周囲ではプレイヤーが口々に速度低下の症状を訴えており、一般的なPC環境で共通に発生する問題だと思われます。
同デベロッパーが2年前に発売して好評を博した中世ストラテジー『Crusader Kings III』は発売直後の高い品質が評価されましたが、本作は残念ながらそれには遠く及びませんでした。いつもの同社に戻ったとも言えます。なお、この進行スピードの低下はローンチ直後のバージョンで確認したもので、11月14日より改善を施すアップデートが配信されています。
さらに、翻訳の問題があります。初めて日本語が公式サポートされた本作ですが、残念ながら翻訳の品質は極めて低いと言わざるを得ません。イベントのように明確な文脈のある文章は流暢な日本語に翻訳されているのですが、肝心のゲーム用語やルール説明はつじつまが合っておらず、ストラテジーゲームとしてまともにプレイできる状態ではありません。
最初に紹介した「平八郎オシオ」のような固有名詞の間違いや単純な誤訳も無数に存在します。本作には随所でテキストが動的に変わる仕組みが使われていますが、翻訳はそれにも対応できていません。
すでに有志のユーザーによる校正プロジェクトが活動を開始しており、成果は日本語改善ModとしてSteamワークショップで無償配布されています。かく言う筆者もそのプロジェクトの一員です。成果は公式翻訳にもフィードバックする予定ですので、プレイ中におかしな表現を見つけた方はぜひプロジェクトまでお知らせください。
総評は★2です。本作はストラテジーゲームとしての基本的な仕組みは完成されています。その点では、長年のファンの期待に応える作品に仕上がっていると言っても過言ではありません。しかし、発売直後の品質は高いとは言えず、評価はその点を差し引きました。
『Victoria 3』はPC(Steam)向けに配信中です。
https://www.gamespark.jp/article/2022/11/20/124594.html

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南米のもう一つの大森林グランチャコ 農地開拓で伐採進む

2022-11-21 | 先住民族関連
AFPBB News11/19(土) 10:02

アルゼンチン・チャコ州のフアンホセ・カステリ郊外で伐採された樹木(2022年10月26日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News(AFP=時事)
アマゾン(Amazon)に次いで南米で2番目に広大な森林が広がるグランチャコ(Gran Chaco)地方。アルゼンチンとパラグアイ、ボリビアにまたがる100万平方キロの自然林が農業によって、過去四半世紀にわたり徐々に破壊されてきたことはあまり知られていない。
 とげ植物の低木林、疎林、ヤシが生えるサバンナなどが混在する熱帯乾燥林の広範囲に、森林伐採が大きな傷跡を残している。
 グランチャコで1年に伐採される森林の面積は平均約400平方キロ。ピーク時には600平方キロに及んだこともある。
 重機で根こそぎ引き抜かれ、ところどころに横たわっているイナゴマメの木は、タンニンを利用したり、木炭や家具、鉄道の枕木などに使われたりする。密度の高い木材が必要となる枕木での需要も高い。
 アルゼンチン北東部、首都ブエノスアイレスから約1100キロ離れたこの地は、同国の農業における「フロンティア」となっている。
 NGOなどが参加する「アルゼンチン・チャコ地方アグロフォレストリーネットワーク(Chaco Argentina Agroforestry Network)」のイネス・アギーレ(Ines Aguirre)氏は、大豆の遺伝子組み換え技術が登場した90年代にこの地方の開発が始まったと説明する。
 外貨不足のアルゼンチンに不可欠な農産物の輸出は、動植物の多様性を犠牲にして推進されている。
 グランチャコには、アリクイやペッカリー、サンゴヘビ、バク、南米大陸最大のネコ科動物であるジャガーなどが生息するインペネトラブレ(Impenetrable)国立公園がある。特にジャガーは絶滅の危機に直面しており、野生再導入の対象となっている。
 動植物だけではない。自然と共生する先住民も生活の場を奪われてしまう。ここには、ウィチ(Wichi)やクリオロ(Criollo)といった先住民のコミュニティーが存在している。
 最優先すべきなのは「森林伐採を止めること」だとアギーレ氏は強調する。
 映像は10月撮影。ジャガーの映像はアルゼンチン再野生化財団(Fundacion Rewilding Argentina)より提供。(c)AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/940760af2704cd131aaeafa044e705f02333a694

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