赤木国香 会員限定記事
北海道新聞2025年1月21日 4:00
「北のおばけ箱3」の一場面。鮮やかな舞台セットの下、ペカンペの妖精たちが踊る(札幌市こどもの劇場やまびこ座提供)
「いろいろいるから楽しいね」と歌われるテーマ曲が、すべてを象徴しているようだ。障害のあるなしを超えて子供たちが人形劇を作る「さっぽろパペットシアタープロジェクト」による、「北のおばけ箱」シリーズ第3弾。「包摂」「インクルーシブ」といった難しい言葉を使うまでもなく、いろいろな人が関わるからこそ喜びが生まれるのだと実感した。
前2作同様、知里真志保編訳「アイヌ民譚(みんだん)集」「えぞおばけ列伝」を基に札幌座の斎藤歩が脚本を、やまびこ座・こぐま座芸術監督の矢吹英孝が演出・美術監督を担った。正直者のパナンペ夫妻と少々ひねくれたペナンペ夫妻を軸に、さまざまなおばけが登場する。
人形劇だけでなくペカンペ(ヒシの実)の妖精などに扮(ふん)した出演者たちが歌や踊りも見せる。その個性豊かなこと! カラフルな舞台美術にも子供たちが携わっている。
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◇2024年12月21、22日、札幌市こどもの劇場やまびこ座(21日を見て)