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テロ容疑などで200人身柄拘束・・・自首や密告も奨励=新疆

2014-05-27 | 先住民族関連
サーチナ 2014-05-26 10:43
 中国の各メディアは25日、新疆ウイグル自治区で5月になってから、テロ容疑などで200人の身柄を拘束したと報じた。特に25日未明に実施した「0時捕獲行動」では大きな成果を上げたとした。記事によると、検挙された者の多くは若者で、インターネットなどを使って「極端な宗教思想を広めていた」などという。当局は、テロ行為や準備、過激思想の宣伝を行った者に「自首・出頭すれば罪を軽減」すると発表した。重要な情報を自供した場合には、罪を問わない場合もあるとした。
 公安機関(警察)の検挙活動の重点対象は、インターネットにおけるテロ行為関連の動画発表や、“聖戦”を宣伝・扇動するなど、「現実的な危害をもたらす者」、「これまで治安に危害をもたらす活動に複数回参加したが、犯罪行為は軽微として処分されていなかったが、考えを改めていない者」、「今年になってからテロ組織や極端な宗教思想を持つ団体に入った者」だったという。
 特に25日未明に実施した電撃作戦である「0時捕獲行動」は、多くのテログループを壊滅させたとした。一連の検挙運動で、爆発物や刀剣類多数を押収したという。
 身柄を拘束された者の多くは1980年代、90年代生まれの若年層で、多くはインターネットやマルチメディアカード(MMC)などを利用してテロ行為を動画を見たり、極端な思想を広めていた。
 さらに爆発物の製造方法や(テロ行為実行のための)訓練方式を学習し、掲示板やショートメッセージなどで経験を交換し、「聖戦思想」を高揚し、襲撃目標の謀議を実施していたという。
 新疆ウイグル自治区高級人民法院(高裁)、人民検察院、公安庁(警察)は24日付で、テロ行為や準備にかかわった者は30日以内に自首、出頭すれば処罰を軽減すると発表した。中国の刑法の関連条文にもとづく措置で「大きな功績があれば、処罰をしない場合もある」とした。「大きな功績」とは通常、「大量検挙・逮捕につながる情報を当局側に自供する」ことを意味する。
**********
◆解説◆
 中国では、過激なイスラム教思想や民族問題に絡むテロが、以前にも増して多発するようになった。テロ多発の根本的原因が何であれ、罪のない人々の犠牲者が急増しているのは事実で、当局が取り締まりに力を入れることは理解できる。国民の安全を確保する、国家として当然の行動と言ってよい。
 ただ気がかりなのは、中国では警察関係者などが極めて高圧的かつ強引に「疑いを向けた人」に対することだ。いわゆる西側諸国などに比べると、人権感覚が薄弱であることが原因だ。
 犯罪容疑者の摘発や犯罪の予防と人権保護の矛盾に直面するのは、どの国の警察・公安組織にとっても同様だが、中国の場合には「成果を出すこと」が優先され、人権保護が後回しにされやすい傾向が強い。
 たとえば、「テロを支持しているわけではないが、ちょっとした好奇心で“聖戦を宣揚する投稿動画”を見た」といった人が、取り調べを受けたとする。自分を犯罪者と決めつけ、高圧的に交友関係を問いただされたりすれば、当局に対する反感が強まっておかしくない。
 警察などによる一斉行動は、テロ発生を防止することで市民を納得させる効果が期待できる反面、「やりすぎ」による市民の反発をまねく恐れもある。警察の取り締まり強化は、短期的にはテロの発生を抑止できても、問題の根本的な解決にはつながらない。
 中国では、いわゆる少数民族による反政府運動が断続的に発生している。問題の本質は、「漢族という人口の大部分を占める民族が、文化面で異質な別民族を統治している」ことにあるのではない。少数民族側で「不満もあるが、この国の一員であることに満足はしている」という人が増えていけば、反政府運動などは確実に減るはずだ。要は「少数者、社会的弱者にとってもよい国にしていく」だけが、事態を改善する“薬”であるはずだ。
 いわゆる少数民族については、細かな言葉づかいからして、「配慮」が現れるものだ。台湾では漢族が移り住むはるか以前から暮らしていた人々を「原住民族」と呼ぶようになった(日本で用いられる「先住民」という用語は中国語で、「以前は住んでいたが、今はいない」との感じが出てしまうため、用いられない)。
 「原住民族」と言う言葉には、「もともとの住民であり、権利や立場を配慮せねばならない」とのニュアンスがある。中国大陸部で用いられている「少数民族」は、人口数だけに着目した語だ。台湾の「原住民」の人々にも、文化の保存などで強い危機感があるというが、反政府思想にもとづく過激な事件は、過去のことは別として、現在は発生していない。(編集担当:如月隼人)
http://news.searchina.net/id/1533284

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道北地区博物館等連絡協議会巡回展 「樺太―知られざる北の国境―」を開催します

2014-05-27 | アイヌ民族関連
札幌大学  2014.05.26
今回の展示は2011年~2013年に道北地区博物館等連絡協議会の巡回展として北海道各地で開催されたものです。
樺太は1905~45年までの40年間、南半部が日本の領土でした。太平洋戦争の終結によって、暮らしていたたくさんの日本人は「ふるさと」を失いました。
札幌市でも引揚者およびその子孫の方々が多く住まわれており、縁のある土地です。
樺太の人々の暮らしを振り返り、北方の自然や個性のある街並みや先住民の文化などを紹介するため、稚内市立図書館所蔵する1,800枚の「樺太絵葉書」の中から様々な写真を約176枚選んでパネル展示しております。
場所:札幌大学2号館地階2003室「札幌大学埋蔵文化財展示室」
実施期間:平成26年5月12日~7月19日   開室曜日:月曜から土曜日(日曜・祝日除く)
開室時間:10:00~16:30   料金:無料
問い合わせ先  e-mail:su.maibun@gmail.com   電話 011-852-9182
また上記イベントに関連して、平成26年6月7日(土)、13:30~15:00に田村将人特命准教授の講演会「樺太アイヌの歴史と文化」(申込不要・無料)が札幌大学6号館1階6102教室にて開催されます。
なお、この講演会は、道民カレッジ連携講座「ほっかいどう学」1単位として認定されます。
http://www.sapporo-u.ac.jp/news/topics/2014/0526175514.html

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アイヌの女の子、白老牛、タラコ… 町制60年記念ロゴ

2014-05-27 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2014年 5/26)
 白老町が一般募集していた町制60周年記念のロゴマークが決まった。白老の特産品や観光名所などが記されたイラストで、町広報5月号の表紙にも掲載されている。町の担当者は「町内で開催される冠事業のPRなどに活用したい」としている。
 イラストはインクラの滝を表す図柄を背景に、白老町を代表する白老牛やタラコ、シイタケなどの食材に加え、アイヌ民族の女の子、町の木であるナナカマド、馬産地をイメージする馬の絵などがかわいらしく描かれている。町制60周年を示す色鮮やかな「60th」の文字が記されている。
 ロゴマークは町民への周知に加え、10月26日に予定している記念式典などへの参加や理解促進を狙いとしたもので、町はさまざまな場面で活用する方針。一般企業などでの利用も可能で担当する生活環境課では「希望がある場合はご連絡を」としている。
 問い合わせは同課市民活動グループ 電話0144(82)2265。
http://www.tomamin.co.jp/20140513069

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「聖なる地」で火の神に祈り チノミシリカムイノミ 旭川・鷹栖

2014-05-27 | アイヌ民族関連
北海道新聞 (05/26 19:01)動画
 【旭川、鷹栖】アイヌ民族の伝統儀式「チノミシリカムイノミ」(聖なる地での祈り)が24日、旭川市と鷹栖町にまたがる嵐山公園の「嵐山アイヌ文化の森 伝承のコタン」で開かれた。
 旭川アイヌ協議会、旭川チカップニアイヌ民族文化保存会(いずれも川村兼一会長)が主催。会員らはポロチセ(大きな家)内のいろりを囲み、お神酒をすくってイナウ(木幣)にかけ、火の神にささげた。
 江戸から明治にかけての旭川の代表的な首長クーチンコロと、大正末期から昭和にかけて木彫で活躍した松井梅太郎の顕彰碑にも、それぞれお神酒をささげた。(加藤木あずさ)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/541648.html

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「アイヌ象徴空間」基本方針 来月上旬にも閣議決定 博物館、公園 中核に

2014-05-27 | アイヌ民族関連
<北海道新聞5月26日朝刊掲載>
 政府は25日、アイヌ文化振興の拠点として胆振管内白老町ポロト湖畔に計画している「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)の基本方針を、6月上旬にも閣議決定する意向を固めた。道内初の国立博物館となる「アイヌ文化博物館」(仮称)を中核施設に位置付け、2020年7月24日開幕の東京五輪に合わせた一般公開を明記する。複数の政府関係者が明らかにした。
 アイヌ民族の重要政策に関する閣議決定は、1997年成立のアイヌ文化振興法以来。08年の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議」を踏まえ、政府が当時の町村信孝官房長官談話で先住民族として認めて以降、初となる。
 関係者によると基本方針には、五輪に合わせて開設する中核施設として博物館とともに、伝統家屋や工房が並ぶ国立の「民族共生公園」(仮称)を盛り込む。また北大など全国の大学に保管されている遺骨を政府主体で集約し、博物館などの中核施設が整備される20年に先立って、慰霊施設を整備すると明示する。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/541508.html


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北海道のうんちく、漫画に

2014-05-27 | アイヌ民族関連
読売新聞 2014年05月26日
 北海道特有の生活習慣や歴史などを紹介する漫画を、道と出版業を手がける「KADOKAWA」(東京)が共同製作し、27日に全国発売する。タイトルは「漫画・うんちく北海道」。道が昨夏、インターネットなどを通じて全国から集めた約300件の北海道の「あるあるネタ」を基に、KADOKAWAが漫画本を出版した。
 「北海道の冬」「生活・行事」「アイヌ」など17のテーマに分けて、北海道に関するあらゆる知識を編集。雲竹雄三うんちくゆうぞうという主人公が様々な場面で旅行者らの前に現れ、「節分には大豆ではなく、落花生をまく場合が多い」「結婚式は会費制で会費の平均は1万円前後」などと、北海道のうんちくを披露するストーリーだ。
 漫画のほか、「さっぽろ雪まつり」などを紹介するコラムも収められている。
 番外編では、北海道の魅力を発信する道庁のキャラクター「あるある家」が登場し、道民も思わずうなずく道産子気質を紹介している。
 漫画は、札幌市在住の漫画家椿かすがさんが担当した。高橋はるみ知事は「この本が北海道のファンや応援団を増やすきっかけになると期待している」と話している。
 本は新書判で、定価は840円(税別)。
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20140526-OYTNT50000.html

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漫画本:「炊事遠足」って? 「うんちく北海道」発売 

2014-05-27 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2014年05月25日 11時23分(最終更新 05月25日 11時37分)
 北海道独自の文化や魅力を分かりやすく発信しようと、北海道と出版社の「KADOKAWA」(東京都)がタイアップして製作した漫画本「うんちく北海道」が、27日から全国で発売される。
 紅葉を眺める「観楓(かんぷう)会」や遠足で野外料理を楽しむ「炊事遠足」など、北海道独特の年中行事などを「雲竹雄三(うんちくゆうぞう)」と称する探偵風のキャラクターが紹介する。「ラッコ」や「トナカイ」の語源がアイヌ語であることなど、さまざまな雑学も学べる。
 192ページ、840円(税別)。道広報広聴課は「道民でも思わず『へー』とうなるネタばかり。道内外の人に楽しんでもらえるはず」と期待している。【小川祐希】
http://mainichi.jp/select/news/20140525k0000e040105000c.html

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『アジアの星物語 東アジア・太平洋地域の星と宇宙の神話・伝説』

2014-05-27 | アイヌ民族関連
MSN産経ニュース 2014.5.25 11:03
 ■同じ星でも地域で異なる話
 星空には、ロマンと不思議が溢(あふ)れている。人類誕生前から輝き続ける星々に、人々は畏敬の念とともに想像力を膨らませ、さまざまな伝説を語り継いできた。星の伝説といえば、ギリシャ神話を思い浮かべてしまうが、実は世界中にあり、アジアにも多くの神話が生まれていたことを、本著のおかげで知った。
 美しく楽しい挿絵が盛り込まれた本著には、「アジアの星プロジェクト」による、東アジアと東南アジア、太平洋諸島の国と地域から集められた、68の神話・伝説が収録されている。
 同じ星や星座でも、地域によって、全く異なる伝説となっている。例えば、北斗七星。モンゴルでは、巨大な鳥に連れ去られた王女を助けるために、それぞれの能力を発揮する8人の息子たちの話(1人は北極星になる)。韓国では、親友のために自分の命を分け与えた男の話で、死を司(つかさど)る修行僧が北斗七星。日本のアイヌ伝説では、熊と戦ったカムイが天に昇り北斗七星となった。タイでは、欲深い金持ちが成仏できずに鰐(わに)になり、妻の行いのおかげで、天の七つ星になったという伝説。
 プレアデス星団にもさまざまな伝説がある。太平洋諸島では、この星団の現象や時期により1年が始まるという。
 星の神話・伝説を読みながら、地域性の違いや共通点を見つけていくのも楽しいし、巻末に記載された古代アジアの宇宙観と天文学の解説にも興味をひかれるはず。
 最後に笑い転げたバリ島の伝説を少しだけ紹介したい。
 面倒くさがりやで食い意地のはった妻の話。巨大な鰻(うなぎ)を料理するように言われた妻は、面倒なので、仮病で寝込む。仕方がないので夫が美味(おい)しい鰻スープを作る。その味の虜(とりこ)になった妻は、ついに鍋に頭をつっこんで、鍋底をぺろぺろ。ところが、鍋から頭が抜けなくなってしまった。「助けて!鍋が私にかみついた!」。妻の運命はいかに? 西洋では「かんむり座」と呼ばれる星座は、バリ島では「ビンタン・パンチ」、これは、「鍋の星」という意味だそうだ。(海部宣男監修、「アジアの星」国際編集委員会編集、柿田紀子&川本光子訳/万葉舎・本体1900円+税)
 評・光丘真理(作家)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140525/bks14052511030009-n1.htm

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“反日教育”を受けた人民解放軍「青年将校」の怖さ

2014-05-27 | 先住民族関連
BLOGOS-2014年05月25日 23:54
門田隆将
台湾南部での取材を終え、今日、台北まで帰って来た。ネット環境が悪く、ブログも更新できないままだった。バシー海峡を隔てて遥かフィリピンと向かい合う鵝鑾鼻(ガランピー)と猫鼻頭(マオビトウ)という二つの岬を中心に台湾最南地域を取材してきた。
バシー海峡に向かって「南湾」と呼ばれる穏やかな湾を包み込む鵝鑾鼻岬と猫鼻頭岬――地元の言い伝えでは、「鵝鑾」は、台湾先住民のパイワン族の「帆」を意味する言葉が訛(なま)ったものであり、「猫鼻頭」は文字通り、岬の形が蹲(うずくま)った猫の姿に似ているところからつけられたものだという。
この二つの岬は、太平洋戦争末期、日本人の悲劇を見つめた場所でもある。“輸送船の墓場”と称されたバシー海峡で、多くの日本兵を満載した輸送船がアメリカの潜水艦や航空機の餌食(えじき)となった。
犠牲となった日本兵の正確な数は、今もわからない。だが、少なくとも十万人を超える兵士たちが、この“魔の海峡”で深く蒼い海の底に吸い込まれていったと言われている。
その犠牲者たちの遺体の一部が流れついたのが、二つの岬に囲まれた台湾最南部の海岸である。この地の古老たちにとっては、流れついてきた日本兵たちの遺体を運び、荼毘に付した経験は、70年という気の遠くなる年月を経ても、鮮烈な記憶としてまだ残っていた。
バシー海峡をめぐる壮絶な体験を持った人々のノンフィクションの取材は急ピッチで進んでいるので、ご期待いただければ、と思う。
さて、私がバシー海峡、そして南シナ海に向かう台湾最南端の地で取材していた時、東シナ海では、一触即発の事態が起こっていた。昨日5月24日、東シナ海上空で、自衛隊機に中国軍機が相次いで“異常接近”したのである。
それは、日本の防空識別圏に大きく踏み込む形で中国が昨年11月に一方的に設定した空域でのことだ。中国機は、日本の海上自衛隊機と航空自衛隊機に対して、それぞれ、およそ50メートル、30メートルまで「並走するように近づいてきた」というのである。
言うまでもないが、30メートルから50メートルまで近づけば、パイロットはお互いの顔がはっきりと見える。つまり、相手の表情を見た上で、「おい、やるか? やるならやってみろ」と、事実上、“喧嘩を売ってきた”ことになる。
幸いに自衛隊機はそんな挑発には乗らなかった。日本の防空識別圏に重なる形で中国は一方的に新たな防空識別圏を設定したのだから、中国にとってそこはあくまで「自国の空域」である。要するに彼らには、「日本が中国の防空識別圏に侵入してきた」という論理になる。
勝手に「設定」して、勝手に自国の領空(領海)だと「主張」し、そして相手には「有無を言わせない」。戦後、周辺国(周辺地域)と紛争を繰り返し、国内でも粛清と弾圧ですべてを支配し、さらにはここ10年で4倍に国防予算を膨張させた中国の面目躍如というところかもしれない。「政権は銃口から生まれる」という毛沢東の言葉通りの国家方針である。
中国の実質的な国防費は日本の防衛予算のおよそ「3倍」と言われる。世界のどの国よりも軍事大国化を押し進める中国は、「地域の現状を一方的に変える」ことに、いささかの躊躇もない。21世紀の現在、そんなことは国際社会では認められないが、世界中を敵にまわしても中国はそれを押し進めるだろう。それが「中国共産党」が持つ特性だからだ。
小野寺五典防衛相は本日、報道陣に対して「ごく普通に公海上を飛んでいる自衛隊機に対して、(航空機が)近接するなどということはあり得ない。完全に常軌を逸した行動だ」「中国軍の戦闘機には、ミサイルが搭載されていた。クルーはかなり緊張感を持って対応した」と、緊迫の状況を説明した。
それは、昨年1月、中国のフリゲート艦が東シナ海で海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダー(射撃用レーダー)を照射した事件を彷彿させるものである。だが、予想通り中国側は、即座に、そして激しく反論した。中国の国防部が、「中国の防空識別圏に“侵入”し、中ロ合同演習を偵察、妨害したのは日本の自衛隊機である」と発表したのだ。
両国の防空識別圏が重なる部分は、当初から航空自衛隊の関係者たちによって「ここが日・中の戦端が開かれる“Xポイント”になるだろう」と懸念されていたところである。実際にそれが現実になる「時」が刻一刻と近づいていることを感じる。
勝手に「自分の領土(空域)だ」と設定して、そこを力づくで「自分の領土(空域)」として実力行使をするのは、ベトナムやフィリピン相手の西沙諸島・南沙諸島での強引な資源掘削と建造物建設の実態を見れば、よくわかる。
日米安保条約第五条の規定によって、日本に対して “何か”をおこなえば、即座に米軍が乗り出してくることは中国もわかっている。それでも中国は「挑発をやめない」のである。
私が懸念するのは、人民解放軍の若手将校たちだ。彼らは、江沢民時代以降の苛烈な反日教育を受けて育った世代である。ただ日本への憎悪を煽る教育をおこなってきた影響は、彼ら青年将校たちにどの程度あるのだろうか。
中国の若手将校の動向が話題になることは少ない。しかし、ちょうど今週、アメリカ企業にハッカー攻撃を仕掛けたとして、米司法省が、中国人民解放軍の若手将校「5人」を産業スパイの罪で起訴したことが発表された。私にはこの事件が象徴的なものに見えた。
米司法省のホルダー長官の発表によれば、「中国人民解放軍の将校5人が、5つのアメリカ企業と労働組合にサイバー攻撃を仕掛け、機密情報を盗んだ。司法省は彼らをサイバー攻撃の疑いで起訴した。このハッカー攻撃は、アメリカ企業を犠牲にして、中国の国営企業など、中国に利益をもたらすために行われたものだ」という。
しかし、中国の外交部は例によって「中国は、アメリカによるサイバー攻撃の被害者である。これは捏造だ。中国は、アメリカに関連事実を説明し、行動を停止するよう求める」と反発した。何を指摘されようと、絶対に非は認めず、反対に「相手に罪をなすりつける」のが中国の常套手段だ。
彼ら若手将校は、肥大化する人民解放軍の中でもエリート集団であり、同時に「怖いもの知らず」だ。文革や貧困時代の中国を知らず、大国となって傍若無人の振る舞いをする中国しか知らない。
どの国でも青年将校は怖い。かつての日本がそうであったように、血気盛んな若手のエリート将校は、時として歯止めがきかなくなる場合がある。理想論を闘わせ、やがてそこに向かって突き進もうとする者が出てくるからだ。
今、中国は「日本が(世界の)戦後秩序を破壊しようとしている」と、世界中でキャンペーンを張っている。日本による「戦後秩序への挑戦」が、彼らのキャッチフレーズなのだ。彼らには、日本が本当に“悪”にしか見えず、それは“憎悪の対象”でしかない。視野の狭い若手将校がどんな考えを持っているかは、容易に想像がつく。
もともと中国国内のツイッターでは「敗戦国が何を言うか」「いっそ原爆を日本に落とせ」と、盛んにやり取りされている経緯がある。日中国交回復以後、3兆円ものODAを中国につぎ込み、さらには民間レベルでの「技術協力」によって、ひたすら中国のインフラ整備に力を注いだ日本。しかし、そのことを全く知らない青年将校たちの「時代」が中国に訪れていることを忘れてはならないだろう。
私はそのことに言い知れぬ恐怖を覚える。苛烈な反日教育には、史実にそぐわない一方的な“日本悪者論”に基づくものが数多い。それを真に受けた世代が、いま前面に出ているのである。
かつて日本の青年将校は、「アジアを解放する。有色人種をアングロサクソンの差別と支配からなんとしても解き放つ」という理想に燃え、そしてその過程で「自分たちには何でもできる」と思い込んでいった。
そんな理想の中で、いつの間にか、「自分たちがその欧米諸国と同じようなことをアジアに対しておこなっていた。ある時、私はそのことに気づきました」と、元山航空隊の元特攻隊員で、零戦搭乗員でもあった大之木英雄・海軍少尉が私にしみじみ語ってくれたことを思い出す。
自分たちの論理で、より過激な道を歩もうとする若手将校たちほど怖いものはない。。「“小日本”に核ミサイルをぶち込め」という意見がネットで氾濫する中国で、徹底した反日教育を受けた人民解放軍の青年将校たちは、今後、軍をどう導いていくのか。
操縦桿を握っているのは、彼らエリート意識に溢れた青年将校たちである。何百回、何千回とつづいていく「スクランブル(緊急発進)」の中で、「いつ」「いかなる」不測の事態が勃発するのだろうか。
私には、そのことを考えると深い溜息が出てくる。多くの日本の若者の命を呑みこんだバシー海峡を見てきた直後だっただけに余計、そう感じるのかもしれない。平和ボケしたわれわれ日本人も、不測の事態への「覚悟」だけは持っておくべき時代が来たことだけは間違いない。
http://blogos.com/article/87109/

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豪・シドニーで「光の祭典」開幕

2014-05-25 | 先住民族関連
TBS News ‎- 2014年05月25日
 オーストラリアのシドニーで23日、南半球最大の「光の祭典」が開幕し、世界遺産のオペラハウスなどが鮮やかにライトアップされました。
 今年で6回目となる「ビビッド・シドニー」と名付けられたこのイベント。シドニー市内の観光名所や建物などが18日間に渡ってライトアップされる南半球最大の「光の祭典」です。ユネスコの世界遺産に指定されているシドニーオペラハウスも、有名アーティストらがプログラムした数分ごとに変化する59のパターンで彩られ、見物客らもその美しさに見入っていました。
 「すばらしい!」
 「言葉がでないくらい美しいわ!」
 「どれも良くて、青のライトアップが好き」
 イベント初日のこの日は、先住民アボリジニによるパフォーマンスが披露されたほか、シドニー市内各所で家族連れも楽しめるアトラクションが催されました。
 主催者は、イベント開催期間中、世界中から80万人の見物客を見込んでいます。(24日06:49)
http://news.tbs.co.jp/20140524/newseye/tbs_newseye2208501.html

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静寂に映えるツツジ…伊達・有珠善光寺

2014-05-25 | アイヌ民族関連
読売新聞  2014年05月24日
 国の史跡にも指定される北海道伊達市の有珠善光寺で、ヨドガワツツジが見頃を迎えた。開け放たれた客殿越しに見ると「びょうぶ絵」のような光景が広がる。ヨドガワツツジはボタンツツジの別名があり、薄紫色の花と新緑のコントラストはまばゆいばかり。先代の住職が約60年前に客殿脇の庭に植え、高さ約3メートル、幅約5メートルに成長した。
 同寺は、江戸時代、幕府がロシアの南下への警戒と、役人やアイヌ民族の人心安定などを目的に指定した「蝦夷えぞ三官寺」の一つで、第19世住職の木立大忍さん(64)は「ひとりでも多くの人に楽しんでもらえれば」と、客殿を無料開放している。花のピークは今週末という。
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20140524-OYTNT50034.html

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人形劇で世界観表現 阿寒湖アイヌシアター、来春から新作上演 ピヤラ アイヌ民族の今

2014-05-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞  (2014/05/13)
さまざまな生き物の神が登場
 来春から上演される阿寒湖アイヌシアター「イコロ」の人形劇第2作「ちっちゃいカムイとゆっくりカムイ~森のなかまの荒グマ退治」は、故山本多助エカシ(長老)がユーカラを基に書いた物語が原作だ。舞台にはさまざまな生き物の神が登場し、多様な神様が共生するアイヌ民族の世界観を表現。子どもからお年寄りまで楽しめる舞台を目指し、出演者たちは練習を続けている。先月11日に行われた公開リハーサルの模様から、人形劇の魅力を一足先に紹介する。(文・鈴木誠、写真・小野弘貴)

 人形劇「ちっちゃいカムイとゆっくりカムイ」で表現されているアイヌ民族の世界観や劇の見どころについて、脚本の遠州まさきさん(61)=札幌市=と演出のくすのき燕(つばめ)さん(53)=長野県松本市=に聞いた。(鈴木誠)
【脚本】遠州まさきさん 荒グマが自然災害象徴
 原作では残酷なシーンもある物語ですが、人形劇ではコミカルにして、子どもからお年寄りまで誰にでも楽しく、喜んでもらえるものになったと思います。
 脚本を書く上で意識をしたのは、色んな神様が力を合わせなければ、悪い荒グマを倒せないということです。「せっかちな神」のミソサザイには勇気と正義感があり、「のんきな神」のサマイクルには深い知恵と思いやりがあった。いろいろな個性を持った神様が一緒に戦った結果、「この世には無駄な神様はいない」という共生の考えにたどり着くお話しです。
 ですが、それではみんなに倒される荒グマの存在は何なのか…。私は、荒グマを「自然災害」や「自分の中にある欲のようなもの」と解釈してみました。特に、脚本を書いたのが東日本大震災の後でしたので、震災や原発事故と荒グマが重なりました。昔から語り継がれてきた物語ですが、現代にこそ訴えるものがあるのではないでしょうか。
 物語は、アイヌ語で伝承されたものを山本多助さんが文章にし、社会に共有される道ができました。そして、芝居をつくる過程で、脚本、演出、美術、出演者など一人一人が自分の中に取り入れて解釈がより深まり、再生産されています。
 荒グマの解釈のように、いろいろと考えれば考えるほど、楽しめる豊かな物語です。観客の皆さんもぜひアイヌ民話の独特な世界に触れて、アイヌ文化を理解する入り口にしてもらえればと思います。
【演出】くすのき燕さん 楽器生演奏も楽しんで
 アイヌ民族には、動物など具体的な神様のほかに、ある種の漠然とした抽象的なものを神様とする世界観があるのでないかと考えました。今回の物語では、荒グマは災厄のイメージ。また、サマイクルは世界全体の中の智恵のようなものと考えてみました。
 森の鳥の神様が戦う中で、ケラ神(キツツキ)が歌い踊りながら荒グマに挑むシーンがあります。ちょっとふざけたシーンなのですが、歌は魔を払う意味合いがあるものをもってきました。弱い神様たちがまとまってみんなで魔を払う、そんな物語になっています。
 アイヌ民族の楽器がとても面白いと思いましたので、出演者が少ない中で大変だと思いましたが、生演奏をお願いしました。ムックリにしてもトンコリにしても、音色がきれいだし、私のような本州の人間にとっては珍しい楽器ですから。
 また、必ずしも人形劇が目的ではない観光が目的という方に、どう楽しんでもらうかということも悩みました。荒グマとの戦いをボクシングのラウンドに見立てるアイデアは、稽古の中で浮かびましたが、公開リハーサルでお客さんが笑ってくれるまで、本当に大丈夫なのか、笑ってもらえるのかと自信は持てませんでした。
 上演した後、作品はお客さんのものです。上演時間の40分間を楽しんでいただければありがたいですし、これからもアイヌ文化や人形劇に興味をもってもらい、足を運んでもらえるきっかけになればと思います。
【あらすじ】
 鳥たちが楽しく暮らす森にある年、恐ろしい荒グマが現れた。荒グマは人間を殺し、森を壊し始めた。森の鳥たちは荒グマ退治の相談を始めるが、あまりに強い荒グマに誰も立ち向かおうとはしない。
 そんな時、小鳥のミソサザイ(ちっちゃいカムイ)は「わたしが戦う」と声を上げる。だが「おまえのようなチビに何ができる」と、他の鳥たちにバカにされてしまうのだった。それでもミソサザイは諦めず、サマイクル(ゆっくりカムイ)に相談。共に戦うことを誓うが、せっかちなミソサザイは1人で荒グマと戦い始める。
 6日間戦い続けたミソサザイがサマイクルを再び訪れると、戦いのために片脚のすね当てをちょうど付け終わったところ。のんきなサマイクルにミソサザイはあきれるが、ミソサザイの戦いぶりに勇気づけられた他の鳥たちと共に、再び荒グマに挑むことに。
 果たして荒グマを倒すことができるのか。そして、サマイクルがのんびりしている訳とは。
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/piyar/232883.html

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米、和解金で潤う先住民居留地―ほぼ空の中古車展示場も

2014-05-25 | 先住民族関連
時事通信-2014 年 5 月 24 日 20:07 JST
By DAN FROSCH
 【フォートワシャキー(米ワイオミング州)】ウィンドリバー・インディアン居留地で3人の子どもを育てるシングルマザーのミスティー・マンさんは長い間、やりくりに追われていた。
 しかし、先月末、政府から5万2000ドル(約530万円)を超える額面の小切手が届くと、生活は楽になった。滞納していた公共料金を支払い、子どもたちに新しい靴やズボンを買ってやった。中古のトラックを買う資金もある。
 未払いの鉱山使用料をめぐって米国政府と争っていたウィンドリバー・インディアン居留地に住むイースタンショショーニ族とノーザンアラパホ族は政府が1億5700万ドル(約160億円)を支払うことで和解。両部族の住民約1万4000人が多額の小切手を受け取った。マンさんはその中の1人だ。
 和解が確定したのは今年1月。和解金は2つの部族が公平に分けることになった。ノーザンアラパホ族は1人当たり6300ドルを、住民が少ないイースタンショショーニ族は1人当たり1万3000ドルを受け取った。ワイオミング大学の研究者が実施した2010年の調査によると、広さ220万エーカーに上るこの居留地では、成人のネイティブアメリカンの約40%が失業中で、半数が政府の貧困基準を下回る生活を送っている。
 「仕事がある私たちでも次の給料が出るまで何とか持ちこたえるようなぎりぎりの生活をしている」とマンさんは言う。33歳のマンさんはイースタンショショーニ族のビジネス協議会の秘書をしている。和解金が部族の人々の生活に役立つと語った。オバマ政権はここ数年で、土地の管理をめぐって数十の部族が提起した訴訟を和解に持ち込み、これまでに10億ドルを超える和解金を支払った。
 ウィンドリバー居留地の訴訟は内務省が居留地で操業していたガス会社や石油会社から適切な使用料を徴収しなかったとして2つの部族が1979年に提起した。
 居留地に暮らす人々にとって和解金は人生に1度あるかないかの思いがけない収入だった。居留地の町リバートンとランダーは多額の金を持った人々であふれかえった。
 リバートンでは、銀行で口座を開いたり、日用品を買ったりするために家族連れが列を作った。トラブルが起きないようにと町のあちこちに警察が警備を強化した。店のオーナーは和解金のおかげでこれまでに経験したことがないほど繁盛していると話す。
 中古車販売のマークス・オート・セールスの販売台数は通常、1カ月に30〜50台だというが、1週間で150台売れた。リバートンのメインストリートに近い同社の展示場はほとんど空っぽだ。ウォルマートでは、若いノーザンアラパホ族の家族がうれしそうに65インチ型のテレビを買っていた。残りの金は全て銀行に預けた。家を買うつもりだそうだ。
 部族の幹部は住民に和解金の一部を取っておくように勧めている。大家族なら受け取った和解金は数万ドルになる。和解金のおかげで、多くの住民は将来、困ったときに使える資金を蓄えることができる。
 和解金のおかげで希望が持てたと言う人もいる。32歳のAllesandro Shoyoさんは1万3000ドルの小切手の半分を使って中古のクライスラー・セブリングを購入した。Shoyoさんはフォートワシャキーにある イースタンショショーニ族の事務所で管理人として働き始めたばかりで、これまでは事務所まで歩くか母親の車に乗せてもらっていた。
 Shoyoさんの人生には問題が多かったようだ。しかし、これからは真面目に生きると言った。「小切手のおかげで謙虚な人間になった気がする」という。「残りのお金は賢く使おうと思う。浪費はしない」
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303295604579581630611163524

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メキシコの水中洞窟で発見された1万2000年前の少女、あなたは誰?

2014-05-25 | 先住民族関連
2014年5月24日 The New Classic編集部
メキシコ・ユカタン半島に位置する都市トゥルムの海中洞窟から2007年に見つかった人骨を分析した論文が、今月15日に科学雑誌Science誌に発表された。1万3000年前までに絶滅したとされているサーベルタイガーやオオナマケモノの骨とともに見つかった少女だ。
偶然発見された骨
このほぼ完全な形で見つかった骨格は、10代の少女のものとされており「ナイア(Naia)」と名付けられた。オヨ・ネグロとして知られている水中洞窟で発見された骨片からは、DNAを採取することに成功し、国際的な研究チームが分析にあたっていた。
専門のダイバーによって、複雑なカルスト洞窟群を800メートルほど進んだ場所から偶然発見された骨は、動物の骨が散乱していた空間に横たわっていた。ダイバーによって、ギリシャ神話に登場する水の精「ナイアス」になぞらえて「ナイア」と命名された。
彼女の骨は、少なくとも1万2000年以前のものであり、歯のエナメル質による分析から古くても1万3000年前のものであることが明らかになった。また、ナイアの年齢は15~16歳であり、骨盤が折れていることから、彼女がこの洞窟に落ちたのではないかと考えられているものの、その頭蓋骨はほぼ無傷だった。
この洞窟は、かつて陸上に存在したものの、最終氷河期が終わった約1万年前に、海面の上昇とともに海中へ沈むこととなった。発見されたのは2007年だったが、洞窟の調査や記録、ダイバーらの訓練、関係当局との調整などによって発見が公表されたのは2011年で、そこから大きな注目を集めてきた。
最初のアメリカ人
この人骨は、アメリカ大陸においてこれまで発見されたものの中では最も古く完全な状態であることから期待が高まっていたが、まず今回の調査結果が明らかにしたことは、北アメリカ人はアジアから陸の橋を渡って新たな大陸に到達したという長年の理論を支持したということだ。
現在シベリアと北アメリカ大陸とは、ベーリング海峡によって隔てられているが、古くはベーリング地峡によって陸続きになっており、ここからアジアにいた民族がアメリカ大陸にまで渡ったことがよく知られている。
彼女は、こうしたネイティブ・アメリカンの祖先である「パレオ・インディアン」の骨格であることから、はじめて北米に渡ってきた人々の実態を知る上での貴重な資料となった。
パレオ・インディアンとは?
ネイティブ・アメリカンの祖先は、「パレオ・インディアン」と呼ばれるが、現代のネイティブ・アメリカンとは異なる特徴を有していることで、長年にわたって謎とされていた。すなわち、パレオ・インディアンが、なんらかの変化を伴いながら現代のネイティブ・アメリカンになったのか?、あるいは、パレオ・インディアンは現代のネイティブ・アメリカンにとって変わられたのか?という問いかけだ。
パレオ・インディアンたちは、石器でつくられた槍を道具として古代のバイソンやヘラジカなどの大型動物を狩り、一方では木の実や根菜なども食べ、洞窟で暮らしていたと考えられる。「ナイア」の頭蓋骨は、パレオ・インディアンの特徴を有しており、彼女のDNA分析に期待が高まっていた。
ネイティブ・アメリカンと関係が
そして、調査の結果として「ナイア」の骨からは、現代のネイティブ・アメリカンが持っているミトコンドリアDNAが認められた。すなわち、考古学者ジェームズ・チャターズの指摘によれば「ナイア」の顔は、現代のネイティブ・アメリカンと「ほぼ対照的」であるにもかかわらず、遺伝的関係があることを示しているのだ。
研究チームが注目するのはそればかりではない。この骨から採取されたDNA配列の特徴は、アメリカ大陸でのみ発見されているアジア系の血統と合致した。この特徴は、チリやアルゼンチンの先住民に見られることから、南米大陸の先住民との関係性が明らかになることも期待されている。もちろん、こうした唯一の骨格から多くの結論を引き出すことは危険であると指摘する専門家も多いが、「ネイア」の骨格が新たな議論をもたらしてくれる可能性に期待する人々は多い。
http://newclassic.jp/13913

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野口さん、大川で個展 60点展示

2014-05-25 | 先住民族関連
読売新聞 2014年05月24日
 南米・ペルーの人たちを描いた作品で知られる大川市大野島の画家、野口忠行さん(75)の個展が同市小保の旧吉原家住宅で開かれ、初期から近作まで素朴なタッチの約60点が展示されている。25日まで。
 野口さんは武蔵野美術大を卒業し、市内の中学校で美術を教えた。30歳で画家を志し、世界中を巡ってスケッチしている。ペルーは1981年からほぼ毎年訪れ、自然と共生する先住民や街並みを描き続ける。画業以外でも、私財を投じてアンデス地方に小学校を開校するなどし、同国の教育に貢献したとして、2008年に日本外務大臣表彰を受けた。
 個展は、地元住民らでつくる「藩境のまちづくりを考える会」が地域活性化の一環で企画。キャンバス代わりにベニヤ板に描いた高校時代の静物画から、水彩絵の具を水で溶かさず和紙にすり込む技法でアンデスの家族らを表現した近作までそろい、画家としての歩みが分かる構成になっている。
 野口さんは「世界中を巡ったが、華やかさよりも、貧しさの中で黙々と生きるアンデスの人たちにひかれた。難しいこと抜きに作品を見て、楽しんで」と話している。
 展示は午前9時~午後5時(最終日は午後4時半)。無料。問い合わせは、考える会(0944・87・0931)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/news/20140523-OYTNT50407.html


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