前の投稿でCWフィルターの設定に少し触れましたが、少し補足します。但し、経験値での話ですので、回路については完全に理解していない部分もありますので、誤っている表現もあるかもしれません、もし気付かれましたらコメントお願いします。
ICOMのリグで該当するのは、IC7300 IC7600 IC-7610 IC7800 IC-7851辺りでしょうか、勿論他にもあると思います。
この話で出てくる用語は
BPF : バンドパスフィルターですが、恐らく皆さんが想像されるトランシーバー内部の受信側の入口に装備されているバンド毎に設けられたBPFは指していません。IFフィルター回路内でのBPFになります。IFフィルターを500Hz以下に設定するとリグのディスプレイ上に[BPF]の文字が点灯します。
APF : オーディオピークフィルター CW受信時にオーディオ回路内に設けてあるフィルターで、設定したCWのピッチ周波数と同じCWの信号だけを少しだけ持ち上げて浮かび上がらせる仕組みです。ザワザワしているなかなそのCW信号だけが浮び上ってきこます。
CW PITCH : CWを受信する際にどの程度のトーン CWの音の高さで聞くかを設定、歳を取るにつれて下がってくるようです?私は450Hz上下です。
TWIN-PBT : ツインパスバンドチューニング IFフィルターの上下から帯域を狭く絞り込む、又は上か下寄りに絞り込む機能です。上下の近接、又は上か下の近接信号を排除します。
それでCWをやる時には、この三つの機能を自分の好みに設定します。
例えば、IFフィルターの帯域を600Hzですと、昔聴き慣れた音(トーン)に近くて割と自然に聞こえますが、反面、7MHzでのコンテストでは広く感じる方もいるでしょう。そこで特別な設定はせずに、IFフィルターを400Hzにしますと、BPFの文字が点灯します。CWのトーンは何となく耳を突くような(昔のリグで狭い250Hzのクリスタルフィルターを挿入した時の感覚でしょうか?)反面、上下の混信が無くなりスッキリします。これを、トレードオフと言うのでしょうか?
そこでIF フィルターは600Hzのまま、TWIN-PBTで上下から絞り込んでフィルターの通過幅を400Hzにします。これですとBPFの文字は点灯しません。上下の近接はある程度排除されて静かになります。またCWの音も耳を突くような音にはなりません。普段は、この様な使い方をしています。実際には200Hzに絞っていますが、BPFがONになっていませんので、耳を突くような長時間聴いて疲れるようなCWの音もせずに、上下の近接は更に排除されます。おまけに、狭い帯域ですがフィルターが甘いので、多少ずれて呼ばれてもRITを使うことなくその信号を受信することは可能です。
これに加えて、複数の局が同時に呼んでくる場合や、ノイズがある様な環境ではAPFをONにしています。するとCW PITCHに合ったトーンの局の符号だけが浮び上って聞こえます。
これらの設定は、ICOMユーザーでCW運用者であれば、設定されていたり、経験された方も少なくないと思います。私の周りのICOMユーザーは、この様な使い方が割と多いです。
話はそれますがTS-890のユーザーで40m band CWコンテスター、270Hzのルーフィングフィルターも奮発して装着したところ、ICOMのBPF-ONの様な状態で切れは良くなるが長時間では疲れる、それで270HzのルーフィングはOFFでパスバンドチューニングで帯域を狭くして使ったところ快適になったとのことです。
以上です。
7610を導入して暫くは受信音に慣れずに疲れを感じていました。それで7700を使用する頻度が高かったのですが、最近、CW/SSB両方とも、内臓のイコライザーを自分の好み(聴力)に合わせて設定しましたら、違和感が無くなりました。慣れたのかもしれませんが...7700と7610の組合せで暫くは行くと思います。