最近の記念局申請の状況、今回はJARLを通してのHQ (連盟本部局)= (記念局扱)申請でしたのでタイトルにもJARLが開設するとしましたが、全ての記念局に該当する内容かと思います。HQ=記念局なの?との疑問もあるのですが
記念局の開局申請の条件に「公開運用、又は体験運用が義務付け」が加わり、申請から却下までの現状をレポートします。「義務」と記載したものの、電波法等の法的な根拠があるのかは、検索してみましたが見つけることが出来ませんでした。もしかしたら「自治体が公園の使用許可を出す条件」の様なもので、電波法での規定ではなく総合通信局内(以下総通)での決定事項かもしれません?
一部では乱立する記念局を抑制する目的があるとも伝わってきますが、これはどうなのでしょうか?
今回私達が経験したのは7月に開催される
IARU HF World Championship
IARU ContestにJARLのHQの一チームとして参加するために応募したが、公開運用又は体験運用の計画が含まれておらず(なぜ含ませられなかったかは後に説明)条件をクリアしていないと却下された例です。我々Team Sixはここ数年8N6HQで21MHzCWを担当してきました。交信内容はHQのメンバーとして十分に貢献できる成績を残しています。
時系列で
- 1月にHQ参加の募集が始まったので21MHzCW (目標値、昨年より上回って1300QSO 100multi 30000points)で応募しました。この時点では公開運用、又は体験運用の義務化は発表されていなかった。
募集要項:ここに注目(HQ局は個人局との設備共用での免許を原則とします。)
後で述べますが、これがHQ(記念局)のハードルを高くしています。
https://www.jarl.org/Japanese/2_Joho/2-6_stations/2023/boshu.htm
- 3月末に21MHzCWでの担当に決まりましたので、必要書類をJARL事務局に提出する準備掛かりました。この時点では既に運用計画書(公開、体験運用を含む)が含まれていましたが、公開運用、又は体験運用の義務付けが公式発表されておらず、実施することが望ましい程度と思っていました。HQにも適用されるのか不明だったのでコンテスト参加中心の運用計画書のみを提出
- 4月に入って公開運用、又は体験運用が義務付けられたことを知りました。それでも本当にHQに適用されるの?とも思ったのも事実です。
- ここからが、課題が続きました。
公開運用、又は体験運用についてメンバーで検討しました、しかし、「完全には収束していないコロナ禍のリスクを考えると、個人の住居を利用 (個人局との設備共用が条件)しての不特定の訪問者を迎え入れての公開運用、又は体験運用が出来る状態ではない」と判断しリモートで公開運用、又は体験運用をやることに決めました。
ところが九州の総通に確認すると「公開運用、又は体験運用はリモートのみではなく、訪問者と対面でも実施ないと認められない」との回答、他のエリアの状況を調べると「いや、リモートでOK貰ったよ」との事、つまりリモートによる公開運用、又は体験運用については地方の総通によって理解が異なるようです。あまり追及すると他のエリアの許可に影響を及ぼすと申し訳ないので、それ以上は追及していません、ただしIARU contestが終わったら継続確認にします。
- これで、今年のHQ参加は終わったかなと思ったのですが、もう一つの案として8N6HQで「移動しない局」と「移動する局」の二つの免許を申請することで、移動する局の免許を利用して屋外で公開運用、又は体験運用を実施することで、条件を満たすし、家族へのコロナ感染のリスクも回避でき公開運用、又は体験運用への集客が期待できると、計画書に含ませてJARL事務局経由で再申請しました。
ところが、ここでも九州の総通の担当の回答は「移動しない局」「移動する局」両方ともに公開運用、又は体験運用を実施することを条件」またも却下されました。確かに同じコールサインではあるが、免許は異なるので、「ははあ~お上の仰る通りで」と思いながら、「ガチガチ」なんだなとも
ならば条件通り、「公開運用、又は体験運用をやれば良いだけのこと」と思われるでしょう。
しかし、「個人局が設置してある家族の住居を一部開放して不特定の多数の人を招き入れると言うことには、抵抗とリスクがあります。」これはオーナーが判断ではなく、メンバーが最優先で考慮することだと思います。また局によっては山の中の別宅シャックで、その場所に登るのに徒歩のところもあるかもしれませんし、その場所を特定されると盗難や悪戯等のリスクも考慮する必要があります。という事で今年のHQは不参加となりました。
公開運用、体験運用については、クラブや仲間内、知合いだけやるなどの選択もありそうですが、一般に公開することで初めて公開運用になるのかと思います。つまり「どんな方法でもやりゃ良い」ってものでもありません。
これからは、公開運用、体験運用は積極的に取り組むことだと思いますが、これを記念局に、ましてやHQに義務化するのはどうもいただけません。誰がどの時点でこの様な条件を「しれ~っと」組み込んだのでしょうかね?
次回に向けてJARLが何らかの交渉を行うのか?そのまま受け入れるのか? この対応によっては、JARLが、JARL-HQとしてIARU Contestへの参加を理事がどの程度真剣に考えているのか感じ取れるかもしれません。
であれば、8NxHQではなく各地方にあるJAxRLでIARU contestに参加する選択肢もあるのかなと思います。
Team Six Op JA6WFM
補足説明:リモート利用での体験運用について 6/Jul/2023
我々Team Sixが想定したリモートによる体験運用を、投稿を読まれた方が少し異なったリモート利用で理解される恐れがあるでは?との指摘がありましたので、補足説明します。
我々が想定していたのは、
はい、今回は、申請後に九州の総通が出してきた条件をメンバーの総意として真面目にクリアしようとしましたが、叶いませんでした。来年は我々の運用環境が変化すれば、再TRYします。
HQの席は固定化されたものではなく特定のグループに与えられているものでもありませんので、九州から他にも参画することを期待しています。24時間のコンテストで最低1バンドですので、仲の良い友人だけ組んでも十分可能です。
でWFMさんのページ見て理解できました
全HQと思いましたが 1.8 と21M帯のCW28M帯のHPが交信できず国内8局でした
総通の指摘についてですが コンテストのCW通信を知らないのでは?
公開運用・体験運用と言っても普通の人が見ても解らないし、面白くも無いと思います
公開運用では受信信号は高速CW 送信はキーボード 何これって思うだけでは??
体験運用では「モールス符号による通信はできません」って成っているので
いつも割り当てられているCWモードは無理ですよね
CWによるコンテストの実情を担当者に理解してもらう事が大切なのでは?
おそらく 電話での交信又 CWでは電鍵によるスローCW を想定しているのでは??
https://www.soumu.go.jp/main_content/000845890.pdf
139ページ
それと、最初にあの手この手と案を総通に相談した際に「公開運用、体験運用を仲間内だけでやらないように」と釘を刺されていました。笑。来年に向けて作戦を考えたいと思います。
毎年有り難うございます。
一方で残念ながら:
・8N#HQなる“特別コールサイン”の時点で、法令上は「行事等の開催に伴い臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局」、すなわちいわゆる記念局
・https://www.tele.soumu.go.jp/j/others/amateur/confirmation/memorial/ 、より具体的には http://motobayashi.net/kijun/criteria-20.html 第(5)号の通り、「公開運用又は」「体験運用」は義務
と理解しています。
もちろん総通等で判断が違うのは嬉しくないですし、パブリックコメントの機会等にもその旨は指摘していますが……。
> 8NxHQではなく各地方にあるJAxRLでIARU contestに参加する選択肢もあるのかなと思います。
であればこの問題は一切ないので、割と賛成です。
また交信頂けることを楽しみにしています!
実務的な対応としては、総通には「クラブや仲間内、知合いだけでやる」前提の計画を出しておいた上で、実際にはリモートによる公開運用・体験運用も実施し、その実績を後日総通に報告して来年以降の理解を求めていくという手もあるかもしれません。公開運用の場で、その場の移動局とリモートの固定局での電波の飛び方の違いを体験してもらうとか、面白いかもしれません。