本州の最北端の下北半島、観光目的にこの地を訪れる人は少ないと思うが日本列島の地図を見た時、あの独特な斧の形をした下北半島は記憶に有ると思う。日本地図上で是ほど他の物を連想し存在感を示す場所は無いのでは無いか?私は小学生の時、教室に張ってある日本地図を見てそう感じた。
また一般の人が下北半島と聞いて連想する物と言えば多分、「恐山か大間のマグロ」でないかと思う。少なくても遠く離れた四国に住む私には其の程度の知識しか無かった。恐山にはイタコがいて口寄せ(霊媒師が故人を呼び戻し話が出来る)成るものが有る事は恐山の大祭時に全国ニュースで良く流れるので周知の通りである。私は数年前に父を亡くし(親父は天寿を全うしたが)大分前に母親は交通事故で亡くしたので恐山に行くまでイタコの口寄せを御願いしようかな?と期待して居たのだが、現地に着くとその様な人は境内内に見当ら無い。同時に恐山に入った団体さんも同じ事を思ったのか?「今日は何処にもイタコが居れ変な~」と言えば「田植えかアルバイトでも遣ってて忙しいんちゃうか~」と関西弁の遣り取り「流石、関西人、何処へ行っても遣りよるの~」と私も関西人の乗りで心の中で呟いた。
後で境内の人に聞くとイタコは恐山の大祭(7月20日~24日)の期間しか居ないとか?私の訪れたのが少し早すぎた。恐山は日本三霊場の一つ、他は高野山、比叡山である。訪問前の恐山のイメージは賽の河原に代表される寂れた荒廃した所で名前から来るものか「おどろおどろしい場所」の様に思っていたのだが寺も立派な建物で大きく流石、日本三霊場の一つ、周りの景色は高野山や比叡山とは違ったものであったが静寂の中の凛とした雰囲気は同じ、信仰に薄い私でも自然に手を合わせ頭を垂れた。
東北を旅し一番行って良かったし印象に残る場所である。