パールライスのつれづれなるままに

日常のちょっと気になった事を気ままに書くブログ
最近は、美術鑑賞・ガジェット紹介が中心です。

マティスとルオー展 at パナソニック汐留ミュージアム

2017年01月15日 | アート・文化
20世紀を代表する巨匠二人の展示会です。

アンリ・マティスはフォーヴィスム(野獣派)として、頭角を現し、その後、大胆な簡略化した絵と共に「色彩の魔術師」と呼ばれる様になります。
フォーヴィスムとは、マティスがサロン・ドートンヌに出展した作品を見た批評家ルイ・ボークセルが「あたかも野獣の檻(フォーヴ、fauverie)の中にいるようだ」と評したことから始まりました。
原色を多用した奔放な色彩と激しいタッチが特徴です。
   

一方、ジョルジュ・ルオーは「20世紀最大の宗教画家」と呼ばれています。
ルオーの特徴である、太く黒い枠線。青や緑の明るい色はステンドグラスの影響です。
ルオーは、14歳にして、ステンドグラス職人イルシュに弟子入りしました。
    

この二人の共通点は、師がギュスターヴ・モローであった事。
モローは象徴主義派として、印象派の時代に活躍した人で、パリの国立美術学校の教授でもありました。
モローは、「学生の個性を伸ばす」指導を行いました。その中で頭角を現したのが、マティスとルオーです。
二人とも、モローの絵に全く似ていないと言う。(笑)
モローは、ギリシャ神話や聖書を題材に絵を描いています。
  

学生時代から、終生変わらぬ友情を続けいていたのがこの二人です。
互いの才能に敬意を表し、かつ共に大巨匠となりました。
芸術家というのは、孤高の存在というイメージがありますが、彼らは、親友でした。
良きライバルが切磋琢磨して、と言うのではないですね。

二人の作品が全生涯に渡り、一挙に鑑賞できます。
また、お互いがやりとりした書簡も閲覧できます。
 

二度の大戦を通して描き続けることが出来たのも(特にルオーの息子が捕虜として捕らえられていた)、この友情がお互いを支えあっていたからでしょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする