国立新美術館で開催されている「シュルレアリスム展」に行ってきました。
驚いたのは、20代の若い人が多かったことです。半分以上は女性かな?
自分が20代の頃にはシュルレアリスムなんて興味なかったのですが、今日の若者は好きなのでしょうか?
展示会にいたあるオバサンが「印象派なら親しみがあるのだけど、これらの作品はねえ」と言っていました。全く同意見。分からないな、私には。マグリッドを除き漫画のように見えました。未熟者ですみません。
また、ほとんどの絵画がガラスで覆われていました。しかも額縁がありません。絵の外周にはカンバスを打ち付ける鋲が見えました。
そこで私はこう思いました。「多分、本物が展示されているのだろう」
「美術館に展示されている物は偽物?」そうです、偽物を展示している美術館、それも公的機関の美術館が行っています。全てそうとは限りませんが。
私はかつて、某美術館の建築に一部携わりました。展示棚の下地を描いたのですが、これが後になって知らされたのです。偽物を置く棚だと。本物は大事に倉庫に保管されています。「お宝だから人に見せるわけないだろ」と言うことです。
人生最大のショック。国そのものが詐欺師だなんて。しかもその片棒を担いでしまったと。
と言うわけで、美術館に行ったときは、「よくできた偽物だなあ」と感心しながら鑑賞しています。
どうせ我々は、プラトンの言う「洞窟の比喩」って世界に生きているんだろうからね。
あ、当然、ダリ、マグリッドの絵画はガラスで覆われていません。
貸したはいいけれど、画材が乾燥してひび割れたとか、
逆に湿気を吸って膨張したとか、盗難よりもそっちのほうじゃないかな。
日本の美術館は空調はばっちり利いているけれど、
美術館の職員が盗難の手引をするとか、そういう組織的な
詐術については、「日本だからね・・・」とあきらめ顔にもなる。
諸般の事情で、ということでしょう。