登山路沿いに 一輪だけ キヌガサソウ が咲く。
百草ノ池を過ぎて 登りが急になり始めたころだから踏みつぶしそうになるほどの足元に
咲いているのだが 花に興味のない人は見落としてしまう例が多い。
花は一個しか咲かないが 親のまわりには子の葉がいくつか見える。
子の葉は年々大きくなっているから将来はここに キヌガサソウ 群落ができるかも。
二日後の下山の時に見ると花の色が濃くなっている。
花の命は短いのだ。
小雨の混じったガスが谷間の白い岩の割れ目に咲く ツガザクラ を濡らす。
花には高山蝶でも訪れてくれたら絵になるのだが現実は 蟻や蠅が圧倒的に多い。
右上の遠景は残雪だが ツガザクラ が根を張る岩よりも 黒く汚れている。
今年は黄砂の少ない年だった。 汚れは大陸からの油煙などではないだろうか。