「季節風」の屋台骨を支えている、昔からの友人の高橋秀雄さんが『ぼくの友だち』(文研出版)をご上梓されました。
彼は、栃木県宇都宮市在住の児童文学作家です。
ですから彼の作品には、そういった地方色というか、土着的な色合いの魅力がふんだんに溢れています。
「季節風」代表のGさんが彼のことを「季節風の野暮」と、そう呼んでいます。その野暮で、不器用で、あったかくて、誠実で、必死に粘り強く他者とつながろうとする、そんな彼の作品の、見事な野暮っぷりは、とてもカッコいいです。
『ぼくの友だち』も、また、そんな物語です。
バス停で、日光へお父さんを捜しにいく小野くんを雨のなか、見送る「ぼく」のシーンは秀逸です。こういうシーンを書けるところが高橋秀雄です。
こんな「鈍くさい」ところを、地べたを這うように、誠実に書く作家は、高橋秀雄と最上一平くらいしかいないのではないでしょうか。
そんなところがわたしはとても好きで、おふたりは、もうかれこれ三十年近く、ずっと「わたしの友だち」です。
ぜひ、皆さま、お読みになってください。