20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『風をおいかけて、海へ!』

2008年02月19日 | Weblog
 作家の友人、高森千穂さんが新刊をご上梓されました。
『風をおいかけて。海へ!』(国土社)

 私はひそかに、彼女のことを「児童文学界の西村京太郎」と呼んでいます。
 彼女はデビュー作から、ずっと鉄道の時刻表にまつわる謎をテーマに作品を書き続けていらした作家です。
 それを拝読すると、彼女がいかに鉄道マニアでいらっしゃるかがよくわかります。
 そこを生かして、わくわくするような物語を作り出していらっしゃいます。
 そんなふうに、鉄道は高森千穂さんの作家的テーマの大きな鉱脈のひとつだと思っていました。しかし今回の作品は、そこにマウンテンバイクが加わりました。
 旅がお好きな高森さんは、鉄道を極められ、今度はどうやらマウンテンバイクに鉱脈を見つけられたようです。
  
 高森さんの作品は、いつもご自分の足で、その場所を辿られるリアリティがあります。
 江ノ電と一緒に伴走しながら、たどりついた鎌倉の海。
 読みながら、町の空気や、海の匂いまで、こちらに伝わってきます。
 物語の醍醐味と、旅の醍醐味。そんな両方を楽しませてくれます。

 キャリアウーマンであり、作家である高森さんは、さまざまな鉄道の旅から、今度は自転車の旅の面白さを見つけ出されたようです。
 もしかしたら、このまま世界へと旅が広がっていくのではないかしらと、この物語を読みながら予感したのは、私だけでしょうか?

 みなさま、ぜひお読みになってみてください。

コメント (2)
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