20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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八重桜

2010年04月26日 | Weblog
 桜もすっかり葉桜になってしまったと思っていたら、こんどは八重桜が満開です。 

 八重桜の、インパクトの強いあのショッキングピンクの花びら。
 儚げなソメイヨシノを見慣れた目には、強烈です。
 それでも、すごく弱いコンタクトレンズで歩いていても、遠くからひと目でわかる、このたくましさ。

 さまざまに歌われている、あるいは詠われている「桜」はきっと、ソメイヨシノのことなのでしょう。
 桜の季節が終わり、すでに人びとの胸から「桜」が消えかけたときに、とつじょ咲き誇るこの八重桜。
 この、遅れてやってきた桜には「孤独」という言葉が似合います。
 おまけに八重桜は、儚そうにはらはらと散ったりなどしませんし、春の気まぐれなお天気にもへっちゃらそうな顔で佇んでいます。

 村上春樹のベストセラー『1Q84』(新潮社)は「孤独ではあるが、孤立ではない。それを書いた作品だ」と誰かが言っていましたっけ。
 そうか、孤独か。
 そんな余計なことが脳裏をかすめた、この4月の色、花舞小枝。
 その4月もあと4日。

 今日は午後から市ヶ谷のくもん出版にお邪魔して、今年度の「子ども創作コンクール」のスケジュールを、児文芸のYさんとご一緒に決めます。

コメント (2)
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