20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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旧盆

2010年08月13日 | Weblog
 旧盆のこの頃になると、秩父を想います。
 毎年クーラーボックスに、たくさんの食材を詰め込んで、家族総出で正丸峠越えをしたり、あるいは関越自動車道を車で走らせたものです。
 子どもたちが結婚したあとは、やはり食材を詰め込み、夫とふたりだけで秩父へ車を走らせました。
 それが毎年、盆・暮れの、恒例行事でした。

 お隣に住んでいる弟の家族、やはり東京から車で秩父へ向かう姉の家族。そしてうちの家族。
 父が生きていた頃は、総勢15名で2泊3日の食卓を囲みました。
 それぞれの子どもたちが結婚してからは、義兄の提案からはじまり、秩父に住んで建築家として活躍している弟に案内してもらい、秩父探訪を続けました。そのひとつ、秩父事件が蜂起された寒村の谷間の村を訪ねたことも胸に残っています。
 結婚して以来、一族集合の恒例行事は毎年続きました。

 母が亡くなって2年。
 気がつくと、秩父への足がすっかり遠のいています。
 けれど、お盆のころになると「お墓参りに行かなくちゃ」と父と母の顔が去来します。
 今年も私の仕事部屋に飾ってある、父と母の写真に向かって「ごめんなさい」と。

 TVニュースで帰省ラッシュが流れるたび、父を、母を、想います。
 そしていつの間にか、私たちが、あの頃の父の、そして母の気持ちになっていることに気づかされます。

(写真のずっと先には秩父連山が見えます。その青い山並みを見てはなつかしくなり、電話で母の声を聞いたものです)
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