20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『美雨13歳のしあわせレシピ』お祝いパーティ

2015年09月06日 | Weblog

        

 今日は夕方から、新宿のステキなホテルで『美雨13歳のしあわせレシピ』(しめのゆき作・高橋和枝絵・ポプラ社)の、出版お祝いが行われます。

 しめのさんの、このご本は、昨年の3月に行われた、児童文学者協会の第一回「がっぴょうけん」の長編分科会に提出された作品です。

 

 美雨、おとうさん、おかあさん、家族3人の、これまで生きてきた家族それぞれのこれまでを、確認しあうストーリーを縦軸に、横軸にはクラスメイトたちとの関係が描かれています。

 それにしても、元料理人だったおとうさんの作る料理のすばらしいこと!!

 物語を読んでいると、お料理のおいしそうな匂いや、様子が鮮やかに立ち上がってきます。

 きっと、しめのさんは、懐石料理の基礎がすっかりできあがっている人なのだと思います。

 また美雨が、毎日黙々とすばらしい料理を作り、胸の内を語るお父さんを見つめるまなざし。

 家出したおかあさんの不安・不満をみつめるまなざし。

 クラスメイトたちをみつめるまなざし。

 そのいずれもが、まっすぐで、抱きしめてしまいたくなるほど愛おしいです。

 壊れそうになった家族が再生していく過程が、本格的な料理の匂いにつつまれながら、繊細に描かれています。

 

 今夜は、しめのさんが所属していらっしゃる、「栞」の同人誌の皆さんが中心になって、ステキなお祝い会を企画してくださいました。

 この作品のキーワードのひとつ。ショパンの「雨だれ」

 夕方から、雨だれの音が聴こえてきそうなお天気になるようですが、いかにもこの作品のお祝い会らしいという気がします。

「雨だれ」も、きっとしめのさんを祝福してくれているのでしょう。

 楽しい会になりますよう・・・。 

コメント
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