今日は夕方から、新宿のステキなホテルで『美雨13歳のしあわせレシピ』(しめのゆき作・高橋和枝絵・ポプラ社)の、出版お祝いが行われます。
しめのさんの、このご本は、昨年の3月に行われた、児童文学者協会の第一回「がっぴょうけん」の長編分科会に提出された作品です。
美雨、おとうさん、おかあさん、家族3人の、これまで生きてきた家族それぞれのこれまでを、確認しあうストーリーを縦軸に、横軸にはクラスメイトたちとの関係が描かれています。
それにしても、元料理人だったおとうさんの作る料理のすばらしいこと!!
物語を読んでいると、お料理のおいしそうな匂いや、様子が鮮やかに立ち上がってきます。
きっと、しめのさんは、懐石料理の基礎がすっかりできあがっている人なのだと思います。
また美雨が、毎日黙々とすばらしい料理を作り、胸の内を語るお父さんを見つめるまなざし。
家出したおかあさんの不安・不満をみつめるまなざし。
クラスメイトたちをみつめるまなざし。
そのいずれもが、まっすぐで、抱きしめてしまいたくなるほど愛おしいです。
壊れそうになった家族が再生していく過程が、本格的な料理の匂いにつつまれながら、繊細に描かれています。
今夜は、しめのさんが所属していらっしゃる、「栞」の同人誌の皆さんが中心になって、ステキなお祝い会を企画してくださいました。
この作品のキーワードのひとつ。ショパンの「雨だれ」
夕方から、雨だれの音が聴こえてきそうなお天気になるようですが、いかにもこの作品のお祝い会らしいという気がします。
「雨だれ」も、きっとしめのさんを祝福してくれているのでしょう。
楽しい会になりますよう・・・。