今夜は、大崎ゲートシティのレストランで、森埜こみちさんの、出版お祝い会です。
作家の友人と、待ち合わせして、お祝いに伺います。
この、『わたしの空と五・七・五」は、森埜さんのデビュー作です。
中学生になった主人公が、何部に入るか迷っていた時、靴箱に入っていた筆字で書かれた一枚の紙。
「しゃべりは苦手でも
ペンをもったら
本音をぶちまけられる者よ!
文芸部に入るべし」
この一枚の紙から、物語は進んでいきます。
この作品は、第19回ちゅうでん児童文学賞の大賞作品です。
中には、選考委員の言葉が、しおりとして挟まれていました。
私が共感したのは、撰者である鷲田清一さんの言葉。
「この作品の本当の軸は、俳句ではなく、中学生たちの心のたなびきにある。相手のことを思いやる、そういう想像力のやりとりが主題になっている。他者への思いへと心をどこまでたなびかせることができるか?
これは、傷つくのを怖れてつい閉じがちな心を、じわりじわりと開いてゆく物語である」
これに尽きると思いました。
まったく同感です。
俳句という、ツールを使っての、人間同士のやりとりの物語だと思いました。
そして、鮮やかなのは、新人作家の第1作なのに、一人一人のキャラクターが見事に描き分けられていること。
森埜こみちさんの、これからのご活躍が楽しみです。