20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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後藤竜二さん

2018年06月30日 | Weblog

             

 後藤竜二さんが亡くなって、8年。

 後藤さんご逝去という、まさかの電話が、8年前のある夜、入りました。

「後藤竜二が亡くなった」

 そのお電話をくださった、当時のP社のS社長も、その後、お亡くなりになり・・・。

 児童文学界の男性、早く亡くなりすぎです。

 

 今日は、「季節風」だけを中心に集まるのではなくフレキシブルに・・・ということで、お声をかけていただきました。

 

 かれこれ、34〜5年前、後藤竜二さんから電話があり、「お昼に新宿の中村屋にきてくれないか?」と。

 そこで、後藤さんに中村屋のおいしいカレーをご馳走になりました。

 その時、カレーを食べながら、「加藤純子、児童文学に新しい風を起こそうぜ。何か、やろうよ!」と、彼の熱い説得で、「季節風」をご一緒に作ることになりました。

 まだ作家デビューして、2冊くらいの本しか出していなかった頃のような気がします。

 

 夫がシンガポールに短期の単身赴任をしていて、当時、10歳ちょっとの小学生だった息子と、幼稚園に入ったばかりの娘、私が「季節風」の会議に出かける夜は、いつも兄妹二人でお留守番をしてくれました。

 ですから、そんな会議の夜は、決まってカレーか、ビーフストロガノフ。

 子どもたちにお夕食の温め方など、いちいち教えて出かけました。

 でも会議の途中、気になって、そっとぬけ出て、携帯がなかった時代だったので、公衆電話から、下の幼稚園の妹が、もう寝たかどうかを、息子に確かめたのを覚えています。大人になった息子も娘も「季節風」のことを、いまでも、しっかりと覚えていると思います。

 昨晩、その話を夫にしたら、「え!子ども二人をおいて、夜、でかけてたの?」と。

 でも、息子は反抗期もなく、しっかりしていたので、いつもきっちり妹を守り、火に気をつけてちゃんとやってくれていました。

 

 そんなわけで、実は、私も「季節風」を作った発起人の一人だったんです。

「季節風」というネーミングは、結成会で、発起人数名で、やはり今は亡き、評論家・大岡秀明さんのご自宅である、中野坂上のお寺に集まって考えたものです。

 あの時、いらした、赤木由子さん、しかたしんさん、後藤竜二さん、大岡秀明さんは、今はもう亡き人です。

 古世古和子さん、堀直子さんは、今もご健在ですが。

 

 結成から8年くらいかな。編集委員をやっていたの・・・。

 8年を過ぎた頃、「もう、カレーのお礼は、果たせたかな」(笑)と、私は「季節風」から離れていきました。

 でも、その後も、新人の方のお祝い会の発起人になってくれと、後藤さんから電話があり、そうした繋がりは折々にありましたが。

 

 この十数年の間に「季節風」は、すっかり世代が変わり、活気にあふれています。

(あさのあつこさんや、八束澄子さんなど、あの頃からの人も、頑張っていますが)

 

 今では私は、すっかり「季節風」のお客さまになってしまいました(笑)。

 でも後藤さん亡き後も、後進の皆さんが、頑張って「季節風」を守っています。

 後藤さんも、きっと、嬉しそうに、天国から見守ってくれていると思います。

 

 今日はみんなで、『野心あらためず』などの、彼の活劇におけるロマンについて、語り合います。

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