20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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「枯葉」

2010年10月09日 | Weblog
 道ばたに、枯葉が身を寄せ合っていました。
 この季節になるとシャンソンの「枯葉」のメロディーが浮かびます。

 でも私にとっては、シャンソンの「枯葉」というより、ジャズにアレンジされた「枯葉」のほうが馴染み深いです。
 まだ息子や娘たちが大学生や、院生だったころ、ジャズでこの「枯葉」のアレンジをよく聴いたものです。
「枯葉」はジャズのアレンジとして初心者向けなのかよく知りませんが、ジャズをやり始めた頃、「枯葉」ばかり聴かされていたような気がします。

 息子と娘の夫は、同じ大学のジャズ研で、女子大に在籍していた娘はそのサークルに入れていただいていました。
 彼と娘が一緒にバンドを組んだり、息子と娘・兄妹バンドを組んだりしていたのは知っていますが、彼と息子は・・・・?
 いつでしたか、娘の夫である彼と、息子に、こんなことを聞いてみました。
「ふたりは、一緒のバンドを組んだことがあるの?」
「一回だけね」
 そういって、ふたりが顔を見合わせて笑いました。
 ふたりは年齢がいくつか離れていて、息子たちドクター在籍の先輩たちのことを、娘や彼の年代の人たちは「ヨリトシ」(年寄り)と呼んでいたらしいです。
 また娘の夫は長身とそのルックスから「王子」の愛称でジャズ研の部長をしていて、先輩から「なんで留年しないわけ?おもしろいのに」と留年を勧められた話や、「壊れたT大生」の話などなど。漏れ聞いたジャズ研メンバーにまつわるおもしろい伝説は、数多の如くありました。
 息子や娘が、お食事のときなどに話してくれるそんな話を、私はお腹をよじらせながら聞いたものです。
 
 それは子どもたちと楽しく賑やかに過ごしていた、まだ40代後半だった私の、母親としての黄金期でした。
 息子はアルトサックス。娘の夫はピアノ。娘はドラマー。
 息子と彼のバンドが、どんな曲目を演奏したのか、どうやら私はその日、五月祭を見学に行っていなかったようで記憶にありません。
 子どもたちが巣立って行く前の、とってもなつかしい、はるか昔のお話です・・・。

 それでもいまでも、道ばたの枯葉を見ると、暗幕を張り巡らされた法学部だか、経済学部だかの薄暗い教室とタバコの煙。そしてジャズのメロディーと、あの頃がなつかしく蘇ってきます。

 夕べ遅くに夫が帰ってきました。
 いまはふたりだけ(日常はひとりだけ)の静かすぎる生活です。
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