ア、秋
2016-09-27 | 日常
ふと気がつくと、秋がすでにやって来ていた。
毎年この時期になると同じことを書いているが、
太宰治の創作ノート、「ア、秋」の一節。
「夏の中に、秋がこっそり隠れて、もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、それを見破ることが出来ぬ。」
今年は、炎熱もあったが、台風や長雨のせいで、
またしても、こっそりと隠れてやって来た秋を見破ることができなかった(笑)
冗談はさておき、
要は、他の季節の移り変わりに比べて、夏から秋への変化がわかりにくいことを太宰治は表現したかったのだと思う。
サトウハチローの「小さい秋みつけた」も、
一見、難解な歌詞に思えるが、実は「ア、秋」的に感じた秋を点描したのではないかと思っている。
ただし、あくまでも個人的な感想。
そんな能書きはさておいて、
木々の間に、ふと見つけた桜の病葉(わくらば)を眺めながら、
「ア、秋」とつぶやいた次第である。