春に訪れて以来、2度目の明日香。
今回の起点はこの場所から。
飛鳥寺。
蘇我馬子の発願により、596年に推古天皇が創建したと伝えられる。
仏教が伝来した年と学校で教わったのが538年だから、-ゴサンパイと憶えた(笑)
それから60年余り、日本で一番最初にできた「寺」がこの飛鳥寺だそうだ。
発掘調査によると、もともとは塔や金堂などを配した壮大な伽藍だっというが、
度重なる火災で焼失し、一時は荒廃してしまったそうだが、江戸時代に再建され今日に至っているという。
このあたりは飛鳥寺や橘寺など観光資源が近在している。
それでトレッキング姿で散策する人や自転車で移動する人を多く見かけるが、
外国人の姿はほとんどない。
したがって、奈良公園付近のような喧騒はないわけだが、
交通の便がさほどよくないことに加えて、
外国人にとって、観光資源としての明日香の魅力がわかりづらいのかもしれないと感じた。
明日香本来の魅力は古代ロマンであり、
それが日本の原風景に重なって倍加されるものと思っている。
この地の歴史を詳しくは知らなくても、日本人であれば明日香の風景に心が反応すると思うのだが、
それが外国人の目には単なる田舎風景程度にしか映らないのかもしれない。
妹のダンナがイギリス人で日本の観光地にはほとんど出かけていて、
訪れた先はおそらく私よりも多い。
ところが、奈良や京都などの歴史遺産へは出かけるのに、明日香へ行ったという話は聞いたことがないし
おそらくは知らないのではないかとも思う。
極めて身近で断片的な話かもしれないが、
そんなことからも外国人には「明日香の魅力がわかりづらい」のではと感じた次第だ。
ただし、あくまでも想像でしかないが...。
さて、そんな飛鳥寺と周辺の風景を写真で点描。
境内に咲く芙蓉、道端の彼岸花、朝露にぬれる稲穂、秋風にのって漂う金木犀の香り...
どこにでもある秋の風景だが、それでも「明日香」にしかない風景を感じたのである。
そうそう、これは書いておかないと。
飛鳥大仏。
日本最古の寺の本尊...ということは当然ながら日本最古の仏像である。
その小さな本堂に入った瞬間、目を疑った。
あろうことか、参拝客の全員がバシャバシャと写真を撮っているのだ。
心ない誰かが先陣を切って、それに皆が倣ったのかと一瞬思ったのだが、
寺の関係者に訪ねてみると、この大仏様は撮っても良いそうなのだ。
なんと、おおらかな...そして、これも「明日香」と感じた次第である。
明日香の秋風を感じるような曲を...と思いついたのが。
ライ・クーダーのヒットアルバム「BOP TILL YOU DROP」に収められている「I CAN’T WIN」
倒れるまで踊れ...というタイトルが示す楽しいアルバムの中にあって、
地味であるが、しっとりと聴かせるゴスペル調の名曲。
Ry Cooder - I can't win