「9」のつく日は空倶楽部の日。
福井県三国港。
竹田川と九頭竜川。
それぞれの河口が合流し日本海に注ぎ込もうとするあたりに、
この北陸有数の漁港が開けている。
港を往来するのは漁船だけではない。
ここは越前加賀海岸国定公園の一画であり、
近くには東尋坊や雄島といった絶景が広がることから、
観光船が発着する場所として賑わってもいる。
さて、今回の空倶楽部、お題は「鉄塔のある空」。
そんな三国港に秋の陽が傾きはじめたころ、
ひろく開けた景色の中にふと鉄塔が目にはいった。
こうして眺めてみると、それなりに存在感があるのだが、
どういうわけか、これまで目に入ってこなかった。
薄曇りの空に赤と白に塗り分けられた鉄塔が妙に映えて、
さらにその鉄塔が見おろす先には、案内を終えて次々と帰ってくる観光船。
そんななんでもない風景の中に秋の風を感じた次第である。
アメリカのシンガーソングライター、エリック・アンダーソンの名アルバム「ブルーリバー」。
しみじみと語るように歌われる数々の楽曲。
すでに40年以上も経っているが、
自分の中ではいまだに色褪せない名盤である。
そのタイトル曲を秋の日の川の流れに重ねてみた。
Eric Andersen - Blue River