夕食を終えるとホッとして体の動きが停止する。片づけがおっくうになり、新聞の切り抜きや園芸の本や図書館で借りた本などに夢中になり、時のたつのも忘れてしまう。気がつくと食卓の上はそのままだ。幼い頃から何かに夢中になると机に顔を伏せたまま夜の明ける事もしばしばあった。亡母は心配して「急ぐ事を20個してから好きな事をすれば安心して眠れるのに」と笑って注意してくれていた。近ごろは半分眠りながらの後片づけと皿洗いに後悔する事が多くなった。夫のまいた福豆を食べながら20個片づけを実行しようと決心した。70年遅いけど。
薩摩川内市高江町 上野昭子(77) 3月2日掲載
薩摩川内市高江町 上野昭子(77) 3月2日掲載