電動車椅子で近郊に外出した。近ごろは座位体制が不安定になり、1人での院外への出掛けが危うくなっているが、この日は意を決しての外出。ところが、寒い日なのに途中で雨になった。でも、近い距離とはいえ帰院すべく電動車椅子を走らせた。その時、1人の青年が走って来て、傘をさしかけて病院まで送ってくれた。名前を聞いたが「言うほどのことでもないですよ」と笑顔。「ありがとう」の重みが、そして青年のさわやかな姿が、どれだけ私にとって大きな喜びとなり、「生き行かされている」力になったか。計り知れない尊いドラマとなった。



加治木町木田 志風忠義(66) 3月21日掲載




加治木町木田 志風忠義(66) 3月21日掲載