「ぼくのズボン乾くかなあ」と、心配そうな4歳の孫。「お日様が乾かしてくれるから大丈夫よ」。干し物をしながらの会話である。トイレでの失敗は、ズボンのチャックが下りなかったと残念そう。ズボンを脱ぎながら言うには、ママには内証でねと、指を口もとに立てて笑う。食欲旺盛の昼食後の事。トイレから呼ぶ声。「ばあば忙しい?」。うれしい心遣いである。ようやく乾いた暖かいズボンをはいて満足そうだ。帰宅したママの耳もとで少しはにかみながら内証の報告をしている。親子は顔を見合わせ笑いながら、抱きしめられている孫は安堵の笑顔だった。
鹿児島市城山 竹之内美知子(71) 3月8日掲載
鹿児島市城山 竹之内美知子(71) 3月8日掲載