病気見舞いの帰り、重富駅から電車に乗った。目の前にお嬢さんが掛けている。お嬢のGパンの膝の穴から丸い膝小僧がにじり出ている。Gパンの穴は自然摩耗ではない。人工的に大きい。学生か社会人か判断できないが可愛い顔だ。本と携帯を所持している。本は見ないで携帯だけで自分の世界を楽しみ、時々、顔が緩む。こちらは目の前の肉塊が気になる。お嬢、その膝どうした。ちょっと失礼じゃない。何よ、この老いぼれ、私の勝手でしょう、とくるかな。私は精神構造の謎解きに迫ってみたが、国分駅に下車するまで謎解きは未完に終わった。
霧島市福島 楠元勇一(79) 2006/11/11 掲載
霧島市福島 楠元勇一(79) 2006/11/11 掲載