はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

梅雨の晴れ間に

2006-06-26 11:32:54 | はがき随筆
 遠来の客があったので、梅雨の晴れ間に古墳めぐりをすることにした。大隅には、国指定古墳が三ヵ所ある。肝付町の塚崎古墳群、東串良の唐仁古墳群、それに大崎町の横瀬古墳である。資料を片手にゆっくり見て回る。最後に横瀬古墳後円部に登る。梅雨時のうっとうしさを一掃するかのような海風が心地よい。後円部は雑草がきれいに刈り取られていて前方後円古墳の形状が素人にもわかる。人は去り時は移れども、合力して築きあげたものは千数百年経た今も厳然として偉容を誇る。梅雨の晴れ間に古代に思いをはせた。
   肝付町前田 竹之井敏(81) 2006/6/26 掲載