今年も梅の収穫ができた。大粒の梅は、青い真珠のように輝いている。遺産となった庭の老梅は、先の台風に被害を受けたものの「花も香も昔のままに」と歌にあるように、長き年月を変わらず、この時期に収穫が出来る事はありがたい。冬には父が愛し、育てた八朔が我が家のビタミンC源となり感謝。頬寄せ合うように色づく枇杷は、初夏の陽を受けて甘味をつけている。鮮やかな葉を広げた柿の木には、愛らしい実が生まれている。そっと触れてみる。柿が大好きだった亡き母の面影が恋しく思えた。四季を通しての収穫に感謝し、遺産を大切にと思う。
鹿児島市城山 竹之内美知子(72) 2006/6/21 掲載
鹿児島市城山 竹之内美知子(72) 2006/6/21 掲載