はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

寂しい夏

2006-09-13 22:21:59 | はがき随筆
 7月後半に降った大雨で、出水市を流れる米ノ津川がはんらんし、市街地を中心に大きな被害を出した。
 水害は市民が楽しみにしていた夏祭りや花火大会などの行事もすべて流した。「イベントがなあんもなか夏は、まこて、とぜんなかもんじゃあ(寂しいものだ)」と、ぼやく人もいる。
 また、特養老人ホームK園では、被災者への配慮から恒例の盆踊り、カラオケ大会や花火の打ち上げを取りやめたため、お年寄りたちには寂しい夏になった。
 遠く、水俣・湯之児温泉の納涼花火が夜空をうすく焦がす。心が和む。
   出水市 清田文雄(67) 2006/9/13 掲載