はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

理想と現実

2006-11-10 11:16:24 | はがき随筆
 日本の人口は、高齢者の割合が20%を超えたらしい。団塊の世代の我々の老後はどうなるか心配だ。
 同年代の女友だち3人で、おしゃべりをする。「施設に入るのが当たり前になっていて、お金の多少でランク別に振り分けられる」「だったら私なんか一番下だ」「一番下の施設も満杯であふれたら、姥捨て山か野たれ死にか……」「本当は自分の家が一番なんだけど」「理想は、そうよね」「とりあえず元気で行こう」。で、気楽な諦めに終わった。しかし、自分の家で老後を家族に託すことは、難しいことと実感した。 年を取るのも覚悟がいる。
   いちき串木野市 奥吉志代子(58) 2006/11/10 掲載 
写真はバセさんよりお借りしました。