はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

真夜中のワルツ

2006-11-14 08:33:04 | アカショウビンのつぶやき
 遠くでかすかな音、何だろう…。しばらくして3拍子のリズムを刻む音がはっきり聞こえてようやく眼が覚めた。あっそうか、数日前ゴミ箱に放り込んだメトロノームだ。
 リズムの難しい曲に挑戦中、古いメトロノームを思い出して、30年ぶりにゼンマイを巻いてみたが、カチッカチッで終わり。息子の赤バイエル卒業記念の品だが諦めてゴミ箱へ。それが真夜中に正確なリズムを刻みだしたらしい。
 夏の初め12年頑張ったエアコンが故障、夏の終わりには22年も働いた冷蔵庫が遂にダウンした。メトロノームも処分場のゴミとなるところを「まだまだ元気よ」と真夜中にワルツを演じて存在をアピールしたらしい。
 お年寄り同士、これからも助けておくれ。〈アカショウビン〉

探していこう

2006-11-14 07:51:41 | はがき随筆
 「じょいやさ、じょいやさ」
 かさこじぞうの読み聞かせの中で、登場人物についていろいろな意見が出された。
 「おじいさんやおばあさんが持っている優しさは、人間本来のもので、人間って本質的にはこんなものなんだよという思いが、伝わってきます」
 なるほど。民話の中に、人間そのもののよさを発見したら、何だか楽しくなってきた。心が躍る。優しさが特別なものではなく、自然なものとなったなら、どんなに素晴らしいことだろう。いろいろな民話に親しんで、探していきたい。
   出水市 山岡淳子(48) 2006/11/14 掲載