はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

バレンタインデー

2007-02-14 11:31:39 | アカショウビンのつぶやき
 昨日、ケーキ屋さんに行ったら、若い女性がいっぱい。義理チョコか、今はやりのマイチョコか、ためつすがめつチョコを眺めていた。
おばあちゃんはちょっと気後れしたけれど、いつもお世話になっている大切な2人の男性に贈るチョコを買った。

お一人は、心の病と向き合いながら社会復帰され、介護施設でやさしく高齢者のお世話をしている初老の男性Aさん。

もう一人は現役最後の年を迎えた団塊世代の代表みたいなBさん。趣味が高じ、何の因果か私のFM番組作りの編集担当として助けてくださっている。
取材のため休日返上で西に東にお付き合い下さり、家庭サービスもままならぬのでは…と案じながらも、なくてはならない頼もしい存在。

「これは愛の告白ではありません、感謝の気持ちです」と
本当の気持ちを告白して差し上げることにした。

子供たちがいた頃、娘が作るチョコレートが気になって仕方がない夫は、
「お父さんが、味見してやる」としゃしゃり出ては娘に煙たがられていたなあ。
失敗作はお父さんに上げようと、ちゃっかり娘は家中をチョコレートの香りいっぱいにして頑張っていた。

お父さん! あなたの写真の前にも、私からの愛と感謝のチョコを置きましたよ。
息子には栄転の前祝いの小さなチョコをネ。

ほんわか気分のアカショウビンです。

写真は桜香(さくらこ)さんからお借りしました。

お粗末話

2007-02-14 10:20:20 | はがき随筆
 夕方になってようやく思い出し「今日は結婚記念日よ」と言ったら「そうだった?」と夫。「おいしい物でも食べに行きたかけど夜は冷えるよなあ」。寒いのと改まって出掛けるのが面倒ということで外出は取り止めに。
 その夜、ちょっとすてきにテーブルセッティングし、ごちそうを並べ脇には淡いピンク色のマーガレットの花も。でも、いつもの場所、時間帯、普段着のまま。いつの間にかテレビに夢中になり、御祝いの食事をとっている事などケロリと忘れ、ただお腹を満たしただけだった。
 35年の時を経た夫婦の話。
   鹿児島市 馬渡浩子(59) 2007/2/14 掲載