生暖かい春暁、眼が覚めて珍しく二度寝をした。奇妙な夢だった。それは古い木造校舎の廊下で周りは騒がしいのに、子どもたちは静止画。
箒で掃除している子、オルガンを弾いている子、卓球をしている子らが私を見ているが声はしない。顔も誰かわからないが、長年の教職生活で知り合った教え子たちに違いない。
1人だけ卒業証書の筒を持った女生徒が笑顔で何か言いながら握手をしてきた。その掌は皺だらけの私の手にはとても温かくぽってりしていた。
なのになぜか「冷たい手だね」と言った自分の声で眼が覚めた。
鹿屋市 上村 泉(66) 2007/4/2掲載
箒で掃除している子、オルガンを弾いている子、卓球をしている子らが私を見ているが声はしない。顔も誰かわからないが、長年の教職生活で知り合った教え子たちに違いない。
1人だけ卒業証書の筒を持った女生徒が笑顔で何か言いながら握手をしてきた。その掌は皺だらけの私の手にはとても温かくぽってりしていた。
なのになぜか「冷たい手だね」と言った自分の声で眼が覚めた。
鹿屋市 上村 泉(66) 2007/4/2掲載