はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

うわーっ 

2012-06-10 19:01:24 | アカショウビンのつぶやき


桜島の降灰に悩まされる母親を気遣って、
娘が「高圧洗浄機」なるものを送ってくれた。

夫の記念会に帰省した娘が、
「洗浄機はどうだった?」
「1人じゃ難しそうで…まだそのままなのよ」
「じゃ、試運転?? してみようか」

ああでもない、こうでもない…と長い時間やってましたがやっと、
「お母さん、使ってみて」と。

驚きました。





築34年の我が家です。
門扉も壁も苔が生え、
薄黒く変わり果てた門柱や壁が蘇りました。
(うーん蘇ったように見えますが…)

「あっ、そう言えば、ここは水色だったねぇ」
「忘れてたねぇ」

娘の帰る時間がせまり、半分しかできませんでしたが、
後はぼつぼつやりましょうか。



17年…

2012-06-10 18:39:34 | アカショウビンのつぶやき


夫を見送って、17年…。
長いようで、あっと言う間に過ぎた日々でした。

今年も近くに住む、夫の姉妹、甥っ子、姪っ子、我が家の子どもたちが、久々に顔を合わせました。
それぞれ高齢となり、この日だけが年に一度の全員集合の日なのです。

キリスト教式の、記念会(仏式の法要)をしていただいたから、
席を移して会食です。
遅れて参加した2人が加わり、賑やかな時間となりました。

「あんたは、どっちが聞こえるのけぇ」
「左は聞こえないから、私はここよ」

上座も下座もありません。
和やかな雰囲気で夜は更けていきました。

「兄弟の中で1番若いのが、カンちゃん(夫の愛称)だねぇ…」
義姉のふともらした言葉に、月日の流れを感じました。

来年も、元気で逢おうねと励まし合いながら…楽しいときは終わり。

我が家の子どもたちは、とんぼ返り。
また独りの静かな(ちょっぴり寂しい)日常に戻りました。

花の恵み

2012-06-10 17:14:29 | はがき随筆


 花好きは長生きしないよ! と言われて半世紀。すっかり、とりこになってしまった。四季折々に咲き誇る花々に癒され、励まされ、勇気づけられた。今は百余りの花木が交互に競い、人の目を楽しませてくれる 「美は見る人の目の中にある」。名言どおり、どの花も甲乙つけがたい。夢中になれる楽園は唯一無心になれる至福の場である。花に語らい、花を慈しみ、めでる…花も感応してくれる。花が取り持つ多くのご縁がありがたい。万人の笑顔がうれしい。とりどりの花々に感謝、感謝の手を合わす。大好きな花に囲まれ、幸せの度量もアップ。
  指宿市 池元民子 2012/6/10 毎日新聞鹿児島版掲載

5時

2012-06-10 17:08:45 | はがき随筆
 夫が退職した翌日、夕方5時を知らせるチャイムが鳴った。すると、テレビを見ていた夫が台所へ立った。チーズと缶ビールを持って戻って来た。
 とても偶然と思えない。「もしかして、退職後の晩酌は5時からと決めていたの?」と聞いた。
 「平日は6時、日曜日は5時からと決めていた」とニヤリ。
 「夏時間、冬時間はないの?」と尋ねると「……」。
 たしか、本紙の仲畑万能川柳で、定年後はどのタイミングで晩酌を始めればいいの……との趣旨の川柳があった。今、まさに夫はその心境だと思う。
  垂水市 竹之内政子 2012/6/9 毎日新聞鹿児島版掲載