2012年6月27日 (水)
岩国市 会 員 山下 治子
友人の息子さんのお嫁さんは25歳。半年前、かわいい坊やが生まれた。
息子しかいないその友人は、お産の時にお嫁さんは実家に帰るものとばかり思っていた。ところがお嫁さんの実家から、同居の弟妹が多く、母親の仕事もあって、お産はそちらで見てくれないか、と申し入れがあったそうだ。友人はまさかお産のお世話ができるとは、と大喜びした。私も息子ばかりなので、その話はうらやましい限りだった。
ある日、友人宅へ伺うと、ベランダに布おむつが揺れていた。お嫁さんは「洗って使えば家計も助かるし、エコにもなるって、おばあちゃんがくれました」と屈託がない。今や産院ですら使われない代物を持たせる祖母もさりながら、なんと素直なお嫁さんだろう。友人が用意していた紙おむつは外出の時に、と決めて使っているそうだ。
私が「お嫁さん、うんちを嫌がらないの?」と聞くと、友人は「それがバケツで洗って庭の肥やしに、ってまくの」と言う。離乳食作りも本を片手に奮闘しているとか。まるで私たち世代の子育てを見ているようだ。我が家の孫は、完全に紙おむつ。私も布おむつのたたみ方すら忘れている。
友人のご主人は帰宅が早くなり、赤ちゃんの相手をしているという。友人はすっかり幸せばあちゃんに浸っている。こんな光景、なんだかうれしい。どうしたらこういうお嫁さんに、巡り会えるのかしら。
(2012.06.27 毎日新聞「女の気持ち」掲載)岩國エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 山下 治子
友人の息子さんのお嫁さんは25歳。半年前、かわいい坊やが生まれた。
息子しかいないその友人は、お産の時にお嫁さんは実家に帰るものとばかり思っていた。ところがお嫁さんの実家から、同居の弟妹が多く、母親の仕事もあって、お産はそちらで見てくれないか、と申し入れがあったそうだ。友人はまさかお産のお世話ができるとは、と大喜びした。私も息子ばかりなので、その話はうらやましい限りだった。
ある日、友人宅へ伺うと、ベランダに布おむつが揺れていた。お嫁さんは「洗って使えば家計も助かるし、エコにもなるって、おばあちゃんがくれました」と屈託がない。今や産院ですら使われない代物を持たせる祖母もさりながら、なんと素直なお嫁さんだろう。友人が用意していた紙おむつは外出の時に、と決めて使っているそうだ。
私が「お嫁さん、うんちを嫌がらないの?」と聞くと、友人は「それがバケツで洗って庭の肥やしに、ってまくの」と言う。離乳食作りも本を片手に奮闘しているとか。まるで私たち世代の子育てを見ているようだ。我が家の孫は、完全に紙おむつ。私も布おむつのたたみ方すら忘れている。
友人のご主人は帰宅が早くなり、赤ちゃんの相手をしているという。友人はすっかり幸せばあちゃんに浸っている。こんな光景、なんだかうれしい。どうしたらこういうお嫁さんに、巡り会えるのかしら。
(2012.06.27 毎日新聞「女の気持ち」掲載)岩國エッセイサロンより転載