ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

尾野益大さん・四国の山

2006-09-12 10:27:18 | 人との出会い・本との出会い
 日本山岳会関西支部では毎年秋「図書の虫干しと著者と語る会」を催し
ています。「虫干し」の機会に、会の開催場所として毎年お借りする上六
の今西組社屋書庫で、「風を通す」という名目で置かせて頂いている支部
蔵書の山岳図書を自由に閲覧できます。
 今西組は元日本山岳会会長、元関西支部長でマナスル初登頂者の
今西寿雄氏に繋がるご縁があります。3Fにはネパール領事館があり
ビザ発給でお世話になっています。



 さて4年前の2002年は「四国の山の魅力について」がテーマでこの
とき始めて尾野益大(おの やすひろ)さんにお目にかかりました。
このときは翌日に釈迦ヶ岳で歓迎山行があり、私は残念ながら参加でき
なかったのですが、講演後の懇親会ではJAC同期入会という気安さも
あり、最初から打ち解けてお話しができました。

「四国の山を歩く」は、この年、ナカニシヤから発刊されたものですが、
四国4県を代表する、個性豊かな山50数座が「ガイド紀行」として
紹介されています。あとがきの「僕は山を紹介するとき、山の個性に
精いっぱい光りをあてたい。頂きを往復して帰る途中、何か一つでも
感動があった方がいい。…(中略)…大勢の登山者に山の声に耳を傾け
て欲しいと思う。」という文章には彼の四国の山への想いが溢れています。



2006.08.27 三嶺 にて。
尾野さんは1968年生まれ。高校山岳部から山を始め、明治大学在学中
は中部山岳を歩くと共に南アルプスで小屋番を経験。現在、徳島新聞社
勤務の傍ら四国の山を歩き回っています。
上の写真のときは、鳴門支局で午後11時45分の最終稿締め切りまで勤務。
すぐに剣山・見ノ越へ車を飛ばし、翌日午前2時前に剣山頂ヒュッテに。
午前4時半には、疲れも見せず三嶺への縦走に出発。歩きながら、いろ
いろと四国の山について話してくれました。本当にタフな人です。

著書に「徳島やま歩記」、「四国百名山」(共著)、「花の百名山登山
ガイド」(共著)など。



「徳島の静かな名峰」は1995年刊の尾野さん個人としては初期の本です。
(共著ではそれ以前に「ヤマケイ分県シリーズ」など)
4月末、四国分水嶺踏査の打ち合わせに持って行き、一夜お世話になった
折りにサインして貰いました。ここにも、故郷の山を愛する彼の心が如実
に表れています。

**山の本だけで知っていた人との邂逅、山の人から教わった素晴らしい
山の本。
このシリーズ?では私には数少ない、かけがいのない、そんな人や本との
出会いを綴っていきます。**