大和郡山旧市街地で「大和な雛まつり」が開かれています。
今年でまだ2回目と歴史は浅いのですが、町屋、商店、神社、寺院まで各所に飾られたお雛様は由緒あるものも多く、見応えがあります。
2月26日、春の日差しを浴びながら「お雛様巡り」を楽しみました。
まず昨年は非公開日で観られなかった「旧川本家」のお雛様を見るため洞泉寺町へ向かいます。この町は写真の突き当りにある洞泉寺の門前町でしたが今も細い縦格子の表窓がある家や、木造3階建てなど古い町並みが残っています。
このお家は今は駄菓子屋さんですが、 この町は古くからの「傾城町」、つまり遊郭のあったところで、近くの(東)岡町と奈良の木辻と並んで奈良の三大遊郭といわれました。
「士風に悪影響あり」と元和七年(1622 )頃にはいったんすべて取り払われましたが、その後の相次ぐ大火で元禄の頃に復活、昭和31年に売春防止法が指定されるまで遊客で賑わっていました。今日は格子越しにお雛様を見ます。
洞泉寺への途中で右に折れると大正13年建築の木造三階建ての「旧川本楼」があります。
往時を偲ばせる明り取り窓…よく「ハートの窓」と紹介されますが、本当は桃の形とボランティア・ガイドの方から伺いました。
空き家になっていたものを10年ほど前に大和郡山市が買い取り、補修を加え保存しています。
美しく飾られた玄関
玄関(右の出口側座敷)の七段飾り。
二階に上がると昔の面影を偲ばせる小部屋が並び、どの部屋にもお雛様が飾られています。
圧巻はなんといっても3階に続く階段に飾られた14段の雛飾り。八組のお雛様がずらりと並んでいます。
このお雛様はすべて市内の各家から不要になったお雛様を寄贈されたものです。
一階へ降りる階段の上のお雛様
吹き抜けの坪庭。他にも独特の珍しい建築様式が見られますが、今回はお雛様をご紹介するのを主眼にしていますので割愛しました。