高野山の案内犬
「ゴン」は昭和60年代に高野山石道の始点・慈尊院にいたガイド犬です。
最初は慈尊院と九度山駅の間の丹生橋近くを塒とする野良犬でした。お寺から聞こえる鐘の音が好きで、この名前で呼ばれるうちに、参詣人を駅からお寺まで案内するようになりました。
やがてお寺に住み着いて、平成元(1989)年からは朝、お寺を発って高野山上の大門まで案内し、夜は慈尊院に帰ってくるようになりました。
最初の町石
この町石道は片道約20キロ強もある道程です。かなり、体力も消耗した様子で平成4年にはガイドを引退しました。
10年後の平成14(2002)年に老衰のため亡くなりましたが、この年夏「高野山案内犬ゴンの碑」が建立されました。そもそも高野山は、開山にあたり弘法大師・空海が道を求めていたところ、出会った猟師の連れていた犬が山上に導いたという伝説があります。この猟師は狩場明神の化身であったといわれています。そのため「ゴン」はお大師さんの横に座っています。
この犬は「二代目ゴン」とも呼ばれた、ゴンの老後を共にしたカイという雄犬ですが、ガイドはしていませんでした(2005年11月撮影)。今は彼もゴンの後を追うように、浄土へ旅立ったと聞きました。
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