小辺路(こへち)は大辺路、中辺路とともに「紀伊路」と呼ばれ、
険しい峰や峠を越えるために中でも厳しい道とされています。
高野山と熊野の二つの霊場を結ぶ最短の道ですが、全長は70㎞
に及びます。
日本山岳会関西支部設立70周年記念山行のうち「紀伊山地の
参詣道」シリーズの一つとして、小辺路の前半部を歩きました。
会員15名、会員外の一般募集の参加者9名の24人のパーティです。
高野山金剛三昧院前を午前10時にスタート、急坂を登ってロクロ峠
に出ると、明るい尾根歩きになります。
出発点から標高差約200mの登りで薄峠を越えて、いったん300m
ほど下って登り返します。標高約800mの大滝(新家)には立派な
休憩所があり、前の民家の人から「かって20軒あった集落が現在は
8軒に減った」と伺いました。ここで昼食にしました。
この辺りではコウヤマキの栽培が盛んで、緑の葉の間から先程降り
てきた薄峠(鉄塔の立つ山)が見えます。
なだらかに登っていくと高野龍神スカイラインにでて、しばらくして
再び山道に入ると美しいブナ林の中を通ります。
林が途切れると大きく展望が開けます。荒神岳の双耳峰の左手に
雪を頂く山々は大峰山脈、ひときわ高いのは最高峰の八経ヶ岳
です。
急登で水ヶ峰への分岐に出て、標高1200m付近からは林道と古道を
交互に出入りし、美しい自然林の中を下って16時過ぎ大股に着きま
した。今日の行程は17㎞、休憩を含めて6時間の行動でした。
迎えのバスで「ホテルのせ川」へ行き、温泉で汗を流したあと、
鹿肉のカツ、雉肉の小鍋などの山の幸で美味しいお酒を頂きました。