2005年1月11日 鳥見山(和子と)
今年の初歩きは遅くなった。今頃になって、やっと「干支の山」に出掛ける。今日はまほろば湖から東海自然歩道を歩くことにする。今にも白いものが落ちてきそうな暗い空の下、湖畔から榛原に続く舗装路を行く。トンネル手前から口ノ倉に登り、集落を抜けて水利施設の前に来る。ここから緩やかな山道になり、やがて石畳道の急登になる。登りきったところに「高束城址」の説明板がある。ここは道標によると、まほろば湖から2.9㎞、鳥見山公園へは2.7㎞で、ほぼ中間点になる。自然歩道を離れ、目の前に見える小ピークへ踏み跡を辿ってみる。尾根は滑りそうな砂地の急傾斜なので、右手の松林の中を登る。
頂上はそれほど広くない小台地で、貧弱なヒノキ林の中を探したが城址の礎石も見当たらなかった。少し下ると砂地との境に大きな岩(馬乗岩という)があり、ここから正面に初瀬山や天神山が、右手は木枝越しに鳥見山や貝ヶ平山が見えた。
峠から東に折れると、いかにも自然歩道といった趣のなだらかな道になる。木の階段を少し下って枯れたススキや野菊の原っぱにでて、振り返ると台形の高束山がもう遠くなっている。舗装路に変わって宮垣内集落を抜け、榛原に向かう広い林道を行く。ビニールハウスの中に咲き残ったバラが寒そうに揺れ、外には雪が残っていた。鳥見山公園の勾玉池の水面には薄い氷が張っている。
赤い鳥居の横から「2000年の森」を抜けて展望台に登る。この森は、多くの人が結婚、子ども誕生、入学、退職、還暦、金婚など思い思いの記念に植樹したもので、今は苗木だが将来は緑あふれる人生の森になることだろう。展望台からは眼下に榛原の町、正面に竜門岳、音羽三山が見えるが、ゆっくり展望を楽しむゆとりもないほど風が強かった。
強風にあおられるように吹き曝しの稜線を頂上に向かう。
小さなコブを越してコルに降りると、林床や倒木に少しだけ雪が残っていた。雄岳三角点で写真を撮って公園に引き返し、四阿で湯を沸かしラーメンで暖まる。
マイカー登山の泣き所で、駐車場所まで同じ道を引き返さなければならないが、下りが多いせいか意外に早く感じた。途中、雪が舞ったり止んだりしたが、幸いたいした降りでなかった。長谷寺門前で名物の「やき餅」を土産に買って帰る。今日は農作業や林業の人以外には誰にも出合わず、二人だけの静かな山里歩きだった。
*過去の今日はどこの山に登っていたかを振り返ってみました。このシリーズは新しい山行報告ではなく、かなり古い記録や写真も含んでいます。山行の際には、必ず最新の情報をご参考ください。*