お盆の奈良の夜には、大きな行事が三つ行われます。
18時過ぎに春日神社裏参道沿いの駐車場に車を預け、まず東大寺大仏殿へ歩きます。
飛火野では20時前から行われる「大文字送り火」の準備が行われています。
法要に向かうお坊さんたちの向こうに見えるのは…
いつもにも増して多いシカの群れです。
東大寺参道にもモデルのようにシカが…。
今夜は盂蘭盆会最終日で、いつもは閉まっている大仏殿正面の中門が開けられ、参道に
並ぶ約2500基の灯篭が点火されます。この催しは、お盆に里帰りできない人にも先祖の
供養をしてもらおうという趣旨で昭和60年から始められたものですが、いまではすっかり
奈良の夏の夜の風物詩になっています。
美しい夕焼け空の下、汗をぬぐいながら参道に並び開門の時間を待ちました。
19時開門。混雑を避けるために何人かづつのグループで中門をくぐります。
ずらりと並んだ灯篭の灯りが、一直線に大仏殿に向かっています。
この夜は大仏殿正面の「観相窓」が開き、参道から大仏様のお顔が拝めます。今年は
残念ながらいい写真が撮れませんでした。入堂して大仏さんに手を合わせました。
次に「大文字送り火」を見るため、飛火野に引き返しました。
戦没者の慰霊と世界平和祈願のために、お寺と神社が共同で行う珍しい催しです。
神道と仏教による法要が営まれたあと、20時、いよいよ点火。待ち構えた人々から
どよめきが上がります。
高円山の中腹に設けられた火床の数は、人間の煩悩の数と同じ百八つ。大の字の一番
長い画(第二画、右下へ伸びる)は164mあって、日本最大級といわれています。
前に猿沢池畔から見たことがありますが、この場所からは初めてです。美しく夜空に
浮かび上がった大の字を後に、「中元万灯篭」の春日大社に向かいます。
春日大社には石の灯篭が約2000基、釣り灯篭が約1009基あるといわれます。すべての
灯篭に灯がともるのは節分とお盆の14、15日だけです。
薄暗い参道を登って境内に入りましたが、今夜はまっすぐ本殿に行けません。
本殿下から右へ夫婦大黒天、若宮神社と迂回してようやく本殿へ…。
参拝を済ませて一方通行路を下ります。回廊に並ぶ灯篭が闇に浮かびあがっています。
時間を気にしながら、また大汗をかきながら駐車場に帰り着いたのは閉門21時の5分前。
何より気になるのは対ヤクルト戦です。ラジオのスィッチを入れると5-6と一点の
ビハインド。ところがしばらく走ると、新井ヒット、ブラゼルが敵失で続き、なんと金本
の同点打、マートンの二点打と、家に帰るまで8回裏の攻撃が続きました。
急いでシャワーを浴びて、藤川で締めくくった9回表を見ながら飲んだビールの美味しか
ったこと!!!暑い、熱い、奈良のお盆の夜でした。